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映画『the TRUMAN show』

『イエスマン』みたいに、ポップで笑えて深みのある映画知らない?"と聞いて教えてもらったのが、同じくジム・キャリー主演の『トゥルーマン・ショー』だ。
めちゃくちゃ面白かったので、若干のネタバレとともに、考察を綴ることにした。

離島「シーヘブン」で働く明るい青年トゥルーマン。彼は海で父親を亡くしたトラウマから水恐怖症を抱えており、一度も海を越えて島を出たことがない。

いつも通り暮らしていたある日、亡くなったはずの父親を見かけるが、父親はあっという間に通行人たちに連れさらわれてしまう。
この日をきっかけに、トゥルーマンは島の暮らしに対して少しずつ違和感を感じるようになった。

実は、トゥルーマンは生まれた瞬間から24時間常に人生を撮影され、リアリティーショーとして世界中に生放送されていたのだ。
街も全てが巨大なドーム状の作り物で、太陽や月は単なる照明、トゥルーマン以外の住民は全員役者だ。父母や妻、親友さえ。

自分をありふれた日常を生きる平凡な男だと思っていたトゥルーマンは、この事実を知ってどのような行動に出るのか…というのがおおよそのあらすじだ。

私が特にざわついたのは、トゥルーマンが番組の総監督と対峙する場面だ。総監督は対面ではなく、月を模した放送室からトゥルーマンに語りかける。それはまるで神と人間のようで、父と子のようでもあった。

総監督「ずっとお前のことを見てきたんだよ。生まれたとき、初めて歩いたときも」「小学校に入学した日、初めて乳歯が抜けた日のことも。」「君のことは、君自身よりも僕がいちばんよく知っている」
そう愛おしそうに語りかけるのだ。

もし将来自分が子どもを授かったら、同じような感情を抱くかもしれない。自力では生きていけない状態で生まれてきて、"無償の愛"で育てていく。"生んだ責任"と言ってしまえばそれまでだけれども、時間と愛をかけるほど、他人であるはずが、自分の一部であるように錯覚してしまう。

子どもを授かるうえでは、あくまでも他人として愛し育んでいく覚悟をもちたい。

#トゥルーマンショー #親子

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