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鉱石病

【はじめに】

 以下の文章はdiscord「ロドスの図書館」(https://discord.com/invite/aj7RQMX8Nx)内で鉱石病について討論された内容をまとめたものとなります。公式とは一切の関連がないこと、また今後公式より発表される情報によっては全てが誤りとなる可能性があることをあらかじめご了承ください。

【概要】

 鉱石病は、血中の源石濃度が閾値を超え、体内で結晶化が始まることで発症する致死性疾患である。テラの大地で最も広まった疾患だが、患者自身が疾患に罹患していることを隠す傾向があるため正確な患者数は把握困難である。また人獣共通感染症であり、ヒト以外でも野生の感染生物を多数認める。

【原因】

 感染症の感染経路として以下のものがある。 
1,空気感染(飛沫感染、塵埃感染)
2,接触感染(経口感染、粘膜感染、性行為感染)
3,母子感染
4,経皮感染

 現段階で観測できる鉱石病の感染経路は主に以下の二つである。
・高濃度の粉塵化した源石を吸引する。(呼吸器からの感染) 
・体に源石が刺さる。(外傷からの感染)
 前者は塵埃感染、後者は経皮感染と考えられる。また数は少ないが高濃度の源石を経口摂取したことにより感染した例も報告されている。
 使用後の源石や感染者の遺体が感染力を持った粉塵になることから、テラの大気にはある程度の源石が存在すると思われ、また普段から摂取している食事にも微量な源石の混入が疑われる。テラの世界において日常的にマスクをしている習慣は確認されておらず、住民たちは普段から源石に曝露されてはいるものの、大気や食事に含まれる濃度程度の源石では発症に至らない。
 しかし亡くなったばかりの感染者の傍など、高濃度の源石に暴露した場合はその限りではなく、また源石をそのまま摂取した場合に関しては言うまでもない。
 以上のことから鉱石病が感染する上で問題となるのは、感染経路よりも接触する源石の濃度であると思われる。
 現段階では接触感染、母子感染は確認されていないことから、感染者の血中濃度程度では感染しないのではないかと推察されるが、この問題に関しては今後の研究が待たれる。
 オペレーターたちのプロファイルを見ると年齢に比例して血中の源石濃度が上昇するという傾向が見られないことから、体内に排泄機構があることが予想される。

【発症機序】

 血中の源石濃度が閾値を超えると、体内・体表で結晶化が始まり、鉱石病を発症したとみなされる。似たような発症機序の疾患として痛風がある。血中の尿酸が飽和溶解度を越えると、関節内に尿酸塩結晶が生じ、炎症反応を起こすことで疼痛が起こる。これが痛風発作である。
 発症後は全身で結晶が増殖し、多臓器不全に至る。死後、感染者の体が感染力を持った源石に変化すること、また前述した排泄機構があるにも関わらず発症後は源石の血中濃度の上昇、全身での増殖が見られることから、源石には自己増殖能があるのではないかと思われる。血中濃度が閾値を超えると源石の自己増殖能がオンになり、鉱石病を発症するという仮説は未だ検証段階であり、さらなる研究が必要である。

【対策】

 現段階では治療法は未確立であり、鉱石病の発症を防ぐしかない。
 血中の濃度の上昇が問題なのだとすれば、高濃度の源石に暴露して結晶化が始まる前に濃度を下げることが対策として考えられる。方法としては血液透析がある。
 感染者数を減らすために、定期的な健康診断と透析可能な医療施設へすぐアクセスできる環境づくりが重要であると考えられるが、現在テラの大地が抱えている様々な政治的・軍事的問題を考えると実現は困難であると思われる。
 発症後、例えば気管に結晶が出現し呼吸困難になっている、食道に結晶があり食事をすると物がつかえるなどの症状がある場合に、外科的に結晶を切除することは症状の緩和目的では有効であると思われる。しかし全身に病変がある以上根本的な解決にはならず、生命予後の延長も期待できない。
 例えば悪性腫瘍においても、全身に病変がある場合は手術ではなく薬物にて治療することが一般的である。製薬会社であるロドスが鉱石病の治療に取り組んでいるのは、そういった背景があるのかもしれない。

【おわりに】

 鉱石病については完全には明らかになっておらず、ケルシーやドクターほどの碩学であっても鉱石病の治療法は見つかっていない。本稿が鉱石病を理解する一助となれば幸いである。
 ロドスの図書館において自由闊達な議論をしてくださった方々、そしてその場を用意してくださった主催者にこの場を借りてお礼申し上げる。

【参考文献】

1.標準感染症学 第2版
2.ロドスの図書館(https://discord.com/invite/aj7RQMX8Nx

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