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グローバル子供の本音。part 2


自分の強みの一つとして、その環境がどんなに自分に合わなくてもその中で自分が発揮できるパフォーマンスを最大限に発揮して生きる能力と運を持っていることだと思っている。

加え、その「最大限」の度合いも、自分の中での最大限の範疇に止まらず、ある程度属している集団の中で認められるレベルである。

そして矛盾しているようであるが、今自分が生きている人生そのものが、本当は合わないけれど、そこに生きている限り惰性はできないと一生懸命生きているという方の選択肢だったとふと思い、今急いで文章に落とし込むことを試みている。

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先月から都内で一人暮らしを始めた。
と言っても実家も都内で頑張れば自転車で戻れる距離である。
自分自身も、この独り立ちは完全に自分のエゴによるものであると思っていて、お金は全て自分で工面をした。
ただ、本当にここ1年、家を出ることを強く切望し行動をしてきた。
故に、この行動のゴールが引っ越すこととなり、その目的や動機が不明確になってしまっていた。つまり自分を引っ越しに駆り立てた動機というのがなんだったのか忘れてしまったいたのである。

その動機を思い出す事柄が今この瞬間に出くわしたのである。
つい先日、寒暖差にやられたのか私は体調を崩してしまった。
と言ってもひどい頭痛に悩まされるというもので、著しく生活ができないというほどではなかった。しかしそれを聞いた両親はすぐさま私を実家に連れ戻し献身的にケアをしてくれた。
まる二日間寝込んだ私は、やっと復活し、その間に本当に色々なことを考えた。お金も貯められて三食出て、こんなに素晴らしい実家をなんで自分は出ようと思ってしまったのだろうか、このまま帰ってこようか。など。

そんなことを思いふけっているある晩、夕食を作ってくれた母が私に言ったのである。
あなたのおばあちゃんも、あなたを産むときに献身的にお世話をしてくれたら、あなたのことも今こうしてお世話してあげているの。
と、

その時は「私もそうしなければいけない」と朦朧とする意識の中で思っていたのであるが、この言葉がなんだかどうしても引っかかってしまい、あとあと考えてみるゾッとしてしまった。

まさにこの「私がAだったから、あなたにもAをした。だからあなたもAをしなければいけない」という言葉を私は人生の中でなんども聞いていたのだ。そしてその価値観の押し付け、自分の思考を規定する呪縛から逃れたいがために私は引っ越しを切望していたと思い出したのである。

グローバル子供の本音。という記事の中でも綴ったように私は育った国、文化、受けた教育が両親と大きく異なる故に、自分の価値観と、親の価値観という間の中で生き続けてきた。そして切り分けて考えてきた。

しかし金銭が関わる進学など、私の選択だけでは賄いきれないものはやはり絞られた選択肢の中で選んでいた。

それが自分の精神を少しずつ、少しずつ蝕んでいき、自分の行う選択というものを徐々に制御していっているのにも気づかなかった。いつしか私は本質的にやりたいことと違っていても、両親が許せて、社会的に認められるところでベストを尽くせばいいと。無意識に思ってしまっていた。

グローバル子供のその後、では自分が東京大学に進学したことを華々しく語っていたが、結局は既に選別された選択肢の中でたまたま良い選択肢を引き当てただけで、ぐちぐち言っていた、あの時のグローバル子供からなんら変わってなかったのである。


よく耳にする、「選んだ選択肢をベストにする」という言葉であるが正直これは惰性であると思った。

選択肢の中でも自分が発揮できる能力、やりたいこと、好きなこととのマッチが高ければ高いほど、ベストの幅はぐっと広がる。しかもきっとその満足度はとても高い。本質的にやりたくないことのベストってたかがしれているのである。社会に認められながらも、ずっとモヤモヤベストを尽くす。
そんなベストが気持ちいわけがない。

さらに選んだベストの中からまた選択肢が派生するわけだから、それが自分のやりたいこととずれていたのであれば、そのずればただただ大きく広がり、取り返しのつかない(年齢的にもキャリア的にも)方向に行き着いてしまうのである。

私は家を出ることで、影響されうる自分自身を外的要因から切り離してみた。おそらく根付いてしまった自分の思考にどれくらい効果があることなのかわからないが、自分は本当はあれをやってみたかった、と心が泣いているうちは一度家を出てみたいと思ってしまったのである。

正直、将来子供を育てることになった場合、自身の経験に基づいた強制を孕んだ言動などをどこかで言ってしまうかもしれない。生きてる時代も違えば、私からすると日本で教育する場合またそれも未知の世界だ。

そんな時に、なるべく相手のいる環境を想像し、助けが必要な時は手を差し伸べられる準備をしたい。干渉しすぎず、適度な距離で。






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