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▶︎七夕の夜に想うこと

いつの頃までだったか、天の川は七夕の夜にだけ見られるものだと思っていた。1年に1度だけ、織姫と彦星が会うためにかかる奇跡の川。

織姫と彦星がようやく会える日なんて聞くとロマンチックだけど、この歳になって改めて「働かないから離れ離れにさせられた」なんて話を聞くと、なんだか複雑な気持ちになってしまう。

雨が降ったから、2人は会えなかったのかなあなんて悲しんでいた、純粋なあの頃に戻りたい。

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世の中がすっかり変わってしまってから、1年以上の月日が流れた。この1年、私はお金では買えないものの大切さをヒシヒシと感じ続けている。繰り返し流れる災害のニュースを見ても、やっぱりそれを感じる。

当たり前なんて、一瞬でなくなってしまうのだ。

たぶん私は、もともと多くは求めない人間なのだと思う。家族、友達、恋人。自分が大事に思う人が、傍に居てくれればそれで十分だ。

旅行に行けなくても、大勢で集まることが出来なくても、大切に想うその人が確かにそこに居て、言葉を交わす日常があれば、私はそれだけで幸せを感じることができる。そりゃあたまには、旅行にだって行きたいけれど。

織姫と彦星だって、いつでも会えなくなってしまったからこそ、会える時間を大切に出来るようになったのではないだろうか。大切な人が目の前に居るということが、どれだけ幸せなことなのかを感じることができたのではないだろうか。

なぜかつい、そんなことを考える。

僕もきっとこの先何百人で過ごそうとも
どこか1人足りないような寂しさは消えないけど
失ったものばっかり数えてちゃいけないだろ?
これから出逢える素敵な物が沢山あるはずだろ?
UVERworld / 0 choir

最近この曲が、以前に増して心に響く。

退屈でも構わない。元に戻って欲しいなんて言わない。だからせめてこれからも、大切に想う人の傍で日常を過ごしていけますように。

もしかしたらこれが、一番贅沢なお願い事だったりするのかもしれない。流れ星が消える前に、3回も唱えられそうにないや。

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