(コラム)小説とランダム発生(又は自動発生)について


まだ研究中の分野につき、随時修正の可能性あり。


星新一賞というのがある。
これの応募規定に
「人間以外(人工知能等)の応募作品も受付けます。
 ただしその場合は、連絡可能な保護者、もしくは代理人を立ててく
 ださい。」

もう、作品を直接人間が書かない時代が来ているのかもしれない。

ランダムっていうのは芸術には強力な手法だろう。
何も考えずに手を動かしただけで、10分くらいで何やら意味深な、
シュールな感じの絵ができる。
https://note.mu/applesamurai/n/n5d83743785bd
(なんでこんなのnoteにのせたのかというと、この記事を書くため
です。)

で、そこへタイムリーにdubjazzさん(ダブさん)の下記の記事が。
https://note.mu/dubjazz/n/n21e2ba3e6ce8
一部を抜粋、要約すると
「音楽をソフトにてランダムに発生させ、よかった部分を採用する、
で曲にする。手法がある。」
拙者、おお!?なるほど、と思ったが、これは果たして作曲なのか?
とコメント欄に書いちゃったりしてる。
これ、OKか?NGか?と拙者が問われたら
「すばらしい曲ができるならばそれはOK!」
と答えるだろう。

だが、しかし、じゃあ、なんで「これは作曲なのか?」と思ったかと
いうと、それが「純粋に自分の作品といえるのか??」と思ったから
だ。そういわれると、うーんだったりするのだ。
印象としては、
作曲者:ソフト 編曲、プロデュース:自分 くらいに
作家性が落ちる気がするからだ。
なぜなら、
自分の個性や才能と関係ないところで、作品ができちゃう

可能性があるからだ。


さて、文章でもランダムな手法で書く方法がある。

例えば、みなさんご存知かもしれないが、「自動筆記」と言う方法
(知らない人はググって見てください。noteでやっている人もいます。)
これは、心を空っぽにしてなにも考えず自由連想のように心に浮かんだ
言葉をただ書き留めて行くとあら不思議、なぜが詩のようなシュール小説
のような文になるというもの。

拙者はこれ、おもしろいとは思うが別に推奨はしない。
まず、先に書いたとおり、作家性が落ちる。自分の中の物がタネなので個
性は出ると思うが。
あとは、おそらくあまり精神上よろしくない。連続してわざと文章のゲシ
ュタルト崩壊をおこしているようなもんで(違うか)あんまりやると、悪
い影響でそう。うそか、まことか、でたらめな言葉をしゃべり続けると気
が狂うという話が都市伝説的にあるが(頭の中に変な回路ができちゃうん
だろう)似た感じがする。試そうと言う方はたまにやる程度が吉かと思
います。

あと、古典的な方法として、作品タイトルを辞書などの適当なページから
決める、あるいは他人に決めさせるというのがある。特に短編だとタイト
ル=作品テーマだったりするから、これのランダム性は大きい。ゴーゴリ
は「検察官」を書くとき、ネタに困ってタイトルを他人に決めさせたそう
だ。

他によく使う手法としてカードを使うというのがある。登場人物や、シチ
ュエーションをカード化して、ランダムに引いて組み合わせてお話を作る
というものだ。(これをパソコンでやる人もいるが)

星新一賞はそれに加えて、人口知能か?
果たしてちゃんとお話になるのか疑問だが……。

さて、拙者自身はこういった、ランダムな手法(可能なら人口知能 etc.
の自動発生的な手法)を使うかといわれると、なるべく使いたくない。
よっぽど、ネタがない、又は締め切りがせまってる場合以外は使いたくな
い。逆に思いいれなんぞなくて、量産しなければならない場合、方法とし
てはありだとは思う。

使いたくない理由は、繰り返すが自動発生の度合いが増すたびに、
作家性が落ちる気がするから。
自分の個性や才能と関係ないところで、作品ができちゃうから。
純粋に自分の作品といえなくなる気がするから。
だからだ。

だが、時代は進んでいる。将来の作家の仕事は小説用の人工知能を育てて、
作品をプロデュースする事になるかもしれない。



追記:コメントから
人工知能の飼い主になってよい作品をつくらせた人が最強とかね。拙者の
イメージだと今の将棋ソフトとその作者みたいなイメージですね。
この場合、将棋ソフトは自分の作品と呼べるがその棋譜まで作品と呼べるか?
人工知能は自分の作品だが、その生成物は自分の作品と呼べるのだろうか??
実際は作品ですと言い切っちゃえばそうなのかもしれんが。やはり、自分的に
はいまいち納得できない。哲学の世界だな

追記2:コメントから
拙者もランダムカード式物語作成補助プログラムくらいは、ヒマな時つくろうと思いながらも、タネ(カードね。序盤、中盤、終盤とかのストーリー、シチュエーションにキャラづけ…これもランダムで中盤寝返るが終盤死ぬとか)考えるのがめんどくさくてやってなかったのです。

話のスジを抽象的に吐かせるプログラムは(人工頭脳的は難しいが)ランダム的に行うならさほど難しくないと思う。さっきの書きかけた「ランダムカード式物語作成補助プログラム」の話だが。話の方針だけ自動生成するのだ。(それがおもしろいかどうかはおいといて)AとBがどこら辺で敵同士になり、最後に和解するとか。それを人間が肉付けする。
もしできたとしてもマジ作品には使いたくないが……。お遊びや、もし、思い入れのない量産作品(やっつけ仕事ともいう)を書かなければいけない場合、使う可能性あるかも??


追記3
最近話題の人工知能の手法「ディープラーニング」。
こいつなら、結構本格的に矛盾のない小説を書いてしまうかもしれない。
それが、万一、おもしろかったりしたら……小説家は駆逐されるかも。






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