香川の旅エッセイ①

今年の誕生日、イルカに会いに香川まで旅をした。

ドルフィンスイムの前に、近くのカフェ「ゆるりと」さんに立ち寄る。

静かな雰囲気のそのカフェは、窓から緑の光が差し込み、図書室のように沢山の本が並べられていた。

壁にかけられた美しい絵画や天井から吊るされた沢山のドライフラワーが、私たちの目を楽しませてくれた。


今年はケーキじゃなくて、パフェでお祝いしてもらった。

アプリコットと桃のパフェが瑞々しく新鮮な美味しさだ。
何より、クリームがさっぱりしていて、一口食べると満面の笑みが溢れる。

私はものすごく甘いクリームが苦手なのだが、「ゆるりと」さんのクリームは、サワークリームやさっぱりとしたチーズのような爽やかさで、自然な甘みだった。

あまりにもパフェが美味しかったので、食いしん坊な私は「海の幸のクリームリゾット」も注文してしまうほどだった。

クリームが美味しいってなんと幸せなんだろう。


30歳になる手前、20代の終わりのカウントダウンでnoteを始めてから4年が経つ。
あっという間に34歳になってしまった。
だけど、何もあれから現実が大きく変わることはなく、あいかわらずわたしはわたしのままだ。

思い立ったら旅をしたくなり、それに付き合ってくれる人はずっと変わらない。
こんなわがままな女と一緒にいてくれる人はそうそういないだろう。

楽しいことが好き、だから楽しいことを探したいし、何かに真剣に向き合ったり楽しんでる人の話が聞きたい。

環境や仕事が、劇的に変わったことも特にない。
あれから個人事業でのお仕事になったが、やっぱりフリーランスでももっと安定した収入を得たい気持ちが増している。

飲食店の雰囲気も好きだから、知り合いのお店で週3日ほど働かせてもらいつつ、人の話を聞かせて頂くお仕事をたまにしている。

もっと日頃から何か創作もしてみたいなと思う。
創作仲間や、何か作ってることを楽しんでる人とたくさん会ってみたい。

いつもわたしはパワー不足で、一つのことに集中すると過集中になりやすく、そのため心身のストレスが多いので、心が縛られずに自由にやれる環境だとなおありがたいのだ。

そして、やっぱりいつだって心は迷子だ。
だから、人生で今一番したいことを書き出したら、いつも1番にイルカに会いたい、だったので今年の夏こそはイルカに会いに行くことにした。


海が似合うお姉さんにイルカとの触れ合い方を教えてもらい、足にフィンをつけ、水にぷかぷかと浮くところから、ゆっくりと垂直に足を下ろす。

今回、わたしの願いを叶えてくれたのはイルカのメイちゃん。

メイちゃんは多彩で、歌ったり、おどったり、飛び跳ねたり、背びれにつかまると、ぐるり悠々と海の中を泳いでくれた。

触り心地はずっと頭の中でイメージしてたものと一緒で、ナスのようにぷにぷにツヤツヤとしている。その体に触ると安心感に包まれる。

6歳の頃、家族旅行で行ったハワイで初めてイルカが飛んだり泳いでいるのを目にしてからずっとイルカはわたしの中の憧れだった。
今書いている小説の中にも、イルカは出てくる。それくらいイルカはわたしにとって特別な存在だ。

メイちゃんはきゅいきゅいと言ってみせたり、プシューと頭の上の鼻から水を出したり、歯を見せてカカっと笑ったり、白いツヤツヤのお腹を出したまま浮かんで撫でて欲しがったり、表情が豊かでかわいらしかった。

わたしの部屋には葉祥明さんの、水の中に浮いている犬のジェイクとイルカの絵を額に入れて飾っている。
お気に入りの映画は、グランブルーだ。

生活の中でイルカをずっと夢見てきて、やっと出会えた瞬間だった。

帰りは、歳に似合わず中サイズのメイちゃんのぬいぐるみをクジで当てて帰ってきた。

夕方は父母ヶ浜へ。
ウユニ塩湖のような、天空の鏡の写真が撮れると話題らしい。

海の水は透き通っていて本当に綺麗で、夕日の中で沢山の人が傘をさして撮影したり、オレンジ色とピンク色のマジックアワーを眺めたりしていた。

わたしも後ろ姿を撮ってもらった。

父母ヶ浜は本当に美しかったので、また父母ヶ浜の海についてはいつかちゃんと書きたい。

香川の魅力にやられてしまったわたしは、いつか香川に暮らしてみたいと思うほどだった。

街を行き交う人も、楽しげでどこかおおらかさがあるように感じるし、女性たちは気さくに話しかけてくれた。

ひとつ悲しかったことは、この旅でフィルムカメラを持っていったのに壊れて使えなくなってしまったこと。
ずっと一緒にいてくれたのに、フィルムの自動巻き上げができないし、シャッターも押せない。

なので、今回はフィルムカメラをお休みさせて、iPhone頼りになった。

旅のエッセイは書いていて楽しかったので、また次回に続く。。

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