夢の中の壁

大好きなカフェでたまたま出会った方とご縁があり、趣味の習い事の先生をお願いしている。

いつもはその習い事の時間に合わせて着くようにしているのだけど、珍しく約束の時間より早めに着いてしまったので、ふと坂の上に小さな神社を見つけ、そこの神社で初めてお参りでもしようと立ち止まった。

顔を上げるとちょうど先生も向こうの方にいらっしゃり、「今カフェが混んでるみたいだから、外で待っててと。向こうの神社でお参りをしてきたの。」とルンルンとしながら教えてくれた。

「わたしも今からお参りいってみようと思ってたんです。」
と伝えると、先生ももう一度一緒についてきてくれると言って二人でお参りした。

私がお賽銭箱に5円玉を入れて手を合わせてお祈りすると、先生は「485円」が入ったポチ袋を取り出して、

「四方八方にご縁がありますように…。と願いを込めてお守り代わりに持ち歩くと良いとカフェのお客さんから聞いて実践してるの。」と教えてくれた。
糊じゃなくて、お米一粒で封を留めて持ち歩くのがポイントらしい。
一年後にはその袋のお金をお賽銭して、また新しい485円の袋を持ち歩くという。
なんだか少しワクワクして、わたしも今度真似させてもらうことにした。

最近はお家に篭っていたところから少しずつまた、家を飛び出して遠くへ行きたい衝動に駆られている。
できれば行ったことのない土地へ行ってみたい。

今はまだまだ近場しか行動できていないけど、ずっと見たかった夜桜も見ることができた。

朧月夜が綺麗な夜で、川の音を聴きながら夜風にあたってお散歩した。
桜は昼間の姿とはまた違って、不思議な雰囲気を纏っていた。
子どもの頃に夜が一番わくわくしていたなぁなんて思い出した。

その1週間前に見た昼の川辺の桜。

その川辺では、今年人生で初めて、青いつやつやした羽で、オレンジ色のお腹をしたカワセミという鳥も見た。
低空飛行して川面をスレスレに飛んでいた。

今年は沢山のいろんな桜を見れた。
まだ蕾の桜、曇り空の桜、満開の日の桜、葉桜、散ってしまった桜、朧月夜の夜桜…。

最近は立ち止まってゆっくり自然を眺める心の余裕がまたやっと出て来たかなと思う。

久しぶりのお散歩で春のお花にも沢山出逢えた。

そしてまた、最近は不思議な夢をよくみる。

夢の中で私は、日常ではもう弾けないピアノをいとも簡単に弾いて、作曲しながらメロディに合わせて歌っていた。
悲しい旋律のピアノの音で、聞いてくれる同じ歳くらいの金髪の14〜16歳くらいの女の子がいたので、その子に向けて歌っていた。

歌詞もなんとなく覚えているのだけど、
「なぜ、わたしたちは同じ見た目なのに、二人の間には見えない壁があるのか。」ということをずっと涙を流しながら歌っていた。

もう一人の向かい合わせで椅子に座っている女の子が両手で顔を塞いで泣きだしてしまった。
とても悲しくて、わたしも泣いていた。
同じ姿だからこそ、憎むことができない。
壁さえなければ…同じなのに。
そんな感情が目が覚めるまで伝わってきた。

きっと戦争のことかもしれないと思った。

日常でも、見えない境界線を越えることはむずかしい。
わたしはまだまだ色々なことにくすぶっているし、やっと自分の中の葛藤をひとつ克服できたこともあった。

少しずつ亀のペースでも、ゆるりと進んでいきたい。

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