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The Fratellis

★ロックンロール20%
★ガレージロック40%
★ポップロック40%

 ガレージロックリバイバルの代表バンドの中で言えば、ロックの衝動の大きさで言えばハイヴス、パフォーマンスで言えばヴァインズ、おしゃれさで言えばストロークスというのが個人的な印象だけど、音楽的な引き出しの多さで言えばフラテリスの右に出るバンドはいないんじゃないかと思っている。ロックの人気のある曲はある程度同じようなビートというか、いわば'売れるノリ'とか’乗りやすいノリ’というのが存在する。これに対して全曲の作詞作曲をしているギターボーカルのジョン・フラテリはどこかあえてその'売れるノリ'を避けて曲を作っている気がするくらい不思議なビートの曲をめちゃくちゃかっこよくまとめ上げてしまうのだ。

■おすすめ曲

Chelsea Dagger (Costello Music/2007年)
 他のどのバンドとも違うというのがよくわかる曲だと思う。不思議なノリなのにひねくれた感じがしないのはフラテリスの曲をまとめる力を証明していると思う。後半の後半に一回しか出てこないサビのところとかは'まさかこのままで終わるとでも思ったか'とでも言っているかのようにキャッチーでシンプルで。。ほんとこのバンドだけは誰にも真似できないなって思わされる。

Henrietta (Costello Music/2007年)
 この曲も2つの全然違う曲をブッ繋げたような展開なのに全く不自然に聞こえないどころかめちゃくちゃかっこいい。こんなひねくれてそうな曲を3ピースバンドでやっちゃうっていうのも驚きだ。演奏能力高いなあ。


This Old Ghost Town (We Need Medicine/2013年)
 冒頭にも書いた通りフラテリスは他のバンドとは違って黄金ビートを使わない曲もかっこよくまとめることができるが、この曲はジョン・フラテリがちょっと黄金ビートを使いさえすればちょちょいと、こんなにかっこいいノリの曲を作れちゃうってことを示している。2ndアルバムから趣向が変わってしまうバンドが多い中、3rdでもこういう1stと変わらないかっこよさを出し続けられるバンドはなかなかいないと思う。

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■まとめ
 フラテリスには'この曲さえ聞いておけばフラテリスの良さがわかる’なんて曲がいい意味で存在しない。曲ごとに多彩で全然違うビートをまとめ上げてくるという意味ではまるでビートルズを感じさせる一瞬すらもある。いろんなビートをなんでもないことのような顔をしてさらっと使いこなしているジョン・フラテリはまさに一人でも次期レノン/マッカートニーを担う才能の持ち主だと思う。

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■どうでもいい話
 オーケストラによるChelsea Daggerのカバー(映像は↓)ロックバンドの曲がオーケストラにカバーされるとかほんとに名曲なんだなー。


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