彼の家族の変化

こんにちは。前回からの続きです。

1〜2年ほどはずっと自分の鬱病を隠したまま、

彼との付き合いは表面上は波風なく続いていた。

 だが、脳血管障害の後遺症を治すための治療中、

彼の父が思いがけなく亡くなってしまわれた。

その直前、病状の悪化を医師に宣告されたときは、

わたしが彼の母と立ち会って聞いたりもして、

まだ家族でもないのに、不思議な気持ちだった。

お葬式には、彼の母はきっと将来のことを予想して、

わたしを受付に手伝ってほしいという名目で呼んで、

彼の親類にもたくさん会った。

正直、その9割は感じが悪かった。苦笑

何処の馬の骨かわからない、という視線を、

遠慮なく向けられた思いだったし、

一番ひどく感じたのは、彼の兄だった。

愛想で接するということもなく、

彼には、翌日、告別式にもきてほしいというようなことを伝えられたけれど、

あのお兄さんに会うのは避けたい、と思うほどだった。

わたしの母も、参列者としてお通夜にきてくれたが、

数年後、そのことさえも、申し訳なかったと、

思うくらいだった。

唯一、優しくしてくれたのは、

小さな頃から彼を可愛がってきたという叔父で、

二人の将来のこともさりげなく聞かれて、

「〇〇をこれからもお願いしますね」と、

お話をしてくれた。

 彼の父はずっと仕事が忙しく、飛び回ってきた人生で、

これからはやっと、夫婦でゆっくりというときだったので、

彼も母を気にかけて、

ますます、彼が家を出ること、結婚は遠ざかっていった。

わたしにしてみれば、小さな頃に父を亡くし、

母子家庭で育ってきたので、

彼には兄夫婦と孫もいるしと思うのだが、

彼自身も共依存関係の親子だったのだと思う。


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