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21歳のヨーロッパひとり旅23_(1989年の夏 45日間)

●さよならギリシャ
(1989.8.6)
 午前中は木陰で列車の時間をチェックしたりメモをつけたりしていると、通りがかったタンザニア人のカーリーが、自分が泳ぐ間海の見えるカフェテラスにでも座って荷物を見ていてくれと、スブラキ、レモネード、アイスクリームをおごってくれた。 
 今度のスブラキはパンケーキに肉野菜などが包んでありとても美味しかった(おごりだったから?)。
 彼が泳いだ後、時間がくるまでカーリーの母国語スワヒリ語の単語をいくつか教えてもらった。アルファベット表記で、少なくとも読み方は簡単に思えた。

 昨夜ディスコに連れて行ってくれたデュミトリットの店に行きさよならを言い、またあの陽気な香港人二人と船に乗り込む。
 思い出深いギリシャとなった。

 船がアテネに着いてから、大急ぎでラリッサ駅に向かう。ベオグラード行きの列車は21時発。発車まであと20分というところでようやく駅に着き、ユーゴスラビアはユーレイルパスが使えなかったので、切符を買ってそそくさと列車に乗り込む。
 なんとか間に合って良かった。間に合わなかったら、遅い時間だしホテル探しに苦労するところだった。
 色々に思いを馳せて列車の風に吹かれる。
(続く)

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