シネマレビュー2 いきなり孤独の淵に突き落とされる女性のあるあるを描いたアニー・エルノー原作「あのこと」
フランスのノーベル賞作家、アニー・エルノーの『事件』が原作の「あのこと」を観た。
エルノーの作品は、『場所』『ある女』『シンプルな情熱』と読んできたが、『事件』は読んでおらず、映画を見て初めて、壮絶な中絶体験があったことを知った。エルノー自身は、この作品を評価していると語っている。
当時のフランスで中絶はタブー。主人公のアンヌが友達に「具合悪そうだけど何か病気なの?」と問われ「主婦になる病」と答えたのが印象的だった。
労働者階級で生まれ育った 一人っ子で、親や近所に期待