教員の朝
5:45起床。洗顔と歯磨き、PCの前でニュース巡り。
6:00朝食。コーヒー、トースト、野菜等。
6:15持ち物チェック。本日の予定もチェック。着替え。
6:30車乗車。片道30分の通勤。
7:00学校到着。PCの電源を入れ、メールや決裁書類や回覧書類チェック(主に教育委員会や上司からの指示チェック)。提出書類等の処理。他の職員との本日の予定確認と各種分担すりあわせ。要配慮児童の確認とその担任との連携確認。本日の給食アレルギー情報を確認し、担任している学級に該当児童がいないかと、該当児童がいた場合の具体的措置を、複数人でチェック(命に関わるので)。
7:20教室のチェック。窓開け、教室内消毒(全ての机と椅子の消毒)、机等教室備品の安全チェック。
7:40(確認当番の日)児童玄関で児童の安全カードチェック。体温と体調を記入した個人チェックカード。全校児童一人一人をチェック。
7:40(職員室当番の日)職員室で校務の続き(書類仕事)。主任務は電話番。
7:40(児童消毒当番の日)児童玄関前で、児童個々の消毒。アルコール容器を持ち、個々の児童の手に消毒液を噴霧して回る。
7:40(校内消毒当番の日)玄関、廊下、階段、トイレ等の消毒。
なお、この時間帯が、トイレ最後のチャンス。これ以降は、第1校時終了時(9:15)までトイレには行けない。
7:55(各種当番終了後)、教室へ。日直児童による健康観察。教師は児童の提出物チェック開始(連絡帳、日記、宿題、自由学習ノート、提出書類等)。
8:00日直児童の号令で「おはようございます」の挨拶。挨拶後、朝学習開始(日替わりで計算ドリル、漢字ドリル、学習プリント等)。教師は引き続き児童の提出物処理。特に連絡帳に書いてある保護者の連絡文には、丁寧に返答を書き込む。日記も、必ず何らかのコメントを入れる。宿題は、間違っている部分には朱書き訂正をし、なぜ間違っているかのコメントやアドバイスを入れる。
8:15児童の日直によって朝の会開始。歌、今日の個人目標設定、今日のクラス目標設定、持ち物確認、今日の注意点など、各係によって進行。最後に教師の話。時事ニュースなど、児童に考えさせたい話はいっぱいあるが、大抵時間が無くて無理。安全面に関する今日の注意を行うのが精一杯。
8:30第1校時開始。ただし、提出物処理は半分も終わっていない。
以上が、小学校担任教師の朝です。
勤務時間は8:00開始ですが、遅くとも勤務開始1時間前には登校していないと、仕事が回りません(別業種でも同じだと思いますが)。
消毒当番は、導入に賛否ありましたが、児童玄関の混雑緩和のために導入されました。
児童玄関は、コロナ以前でも混雑していましたが、コロナ後は「混雑」は御法度。
そのため、通学班ごとに児童玄関前に列で並ばせ、児童玄関内が混雑しないように交通整理します。
しかし、玄関内で消毒をしていると、それだけで混雑が加速してしまいます・・・消毒液に群がるのではなく、消毒液が児童の間を巡る・・・導入。
晴天時は楽な仕事ですが、雨天時は児童も教師も地獄です。
職員室当番は、家庭からの欠席等の電話連絡を受けます。
「〜年の〜ですが、昨夜から腹の調子が悪いので、今日は病院へ行き、欠席します。」のような連絡を受けます。
しかし、この仕事がなかなかのくせ者。
<困り感33%の場合>・・・「それ、分岐が多すぎる要望です」
「病院で結果が〜なら午前中に遅刻して学校へ行けますので、給食を食べさせてください。結果が〜だったら午後から学校へ行きますので、給食はいりません。結果が〜だったら休ませます。」と細かい条件で伝えてくる場合。
よくあることとして、給食開始(食べ始める)時間を過ぎても連絡が来ないので、その児童の分の給食をみんなで分けてしまってから登校してきた場合。
親に説明したら「給食費を払っているのに、食べられないとは!」と怒りモード。
校長が謝罪した。
連絡をしてこない親の責任は、華麗にスルーされ、一方的に親の勝ち。
それ以降、このようなケースでは給食時間が終わってもその児童の分の給食は保管し、給食終了後に破棄することになった。
<困り感66%の場合>・・・「学校は児童預かり所ではありません」
「今日の帰りは、急遽病院へ行くことになったので、16:30に学校へ迎えに行きますので、学校で待たせてください。」
・・・通常の下校時刻は15:45なのですが、その児童だけ、学校で16:30まで待たせろ!と。
当然、今の時代、その児童を一人きりで放置することはできず、担任が15:45から16:30まで付き添う(教師の仕事ができない)はめに。
しかも、親が16:30に間に合ったためしはなく、ひどい事例では18:00になっても親に連絡もつかず、担任が自宅まで送っていっても鍵がかかって入れず(泣きじゃくる児童とともに学校へ戻る)、19:00頃ようやく親から「ごめんなさい、ちょっと遅くなっちゃって。もう病院は無理なので、学校へ迎えに行きます」と連絡が入り、20:30にやっと親が迎えに来たという・・・。
15:45から20:30まで、その担任に限らず、全職員で児童をケアした。
1年生の女の子、親に捨てられたんじゃないかと思ったのか泣いてしまい、職員みんなで励ました。
18:30頃には校長が菓子パンとジュースを買ってきて食べさせてくれ、職員みんなで話をして児童が寂しがらないようにした。
当然、この日の放課後の仕事は、みんなできず。
19:00には帰る職員たちも帰らず、親が来るまで職員室で待機した。
迎えに来た親はしきりに謝っていたが、泣きながら親にしがみついた児童の姿を見て、みんな安心した。
以上のような経緯(数え切れない類似の事例)から、現在では、朝こうした連絡が来ると「学校では16:30までしか児童の面倒は見られない」「遅れるときには必ず連絡を」「16:30以降に親が来れなかった場合の行動指示。それがない場合は受けられない。」ということを話さなければならなくなった。
親の中には「そんな!学校側の都合ばかり!子どもの面倒も見れないのか!!」とキレる親、「こちらにも仕事があって、そんな条件受けられない。わかりました、病院は止めます。子どもが死んだら学校の責任です!」とぶち切れする親もいる。
その応対をする職員室当番、お金払ってもいいから免除して!といつも願っています。
<困り感100%の場合>・・・「朝じゃなくてもいいよね」
「担任の〜先生お願いします。」と指名してくる親。
上記の通り、職員は毎朝、各種当番でギチギチに仕事が詰まっている。
呼ばれた担任の仕事は、誰が代行するのか。
だから職員室当番は、朝は担任を呼べないと答え伝言で対応すると伝えますが、「どうしても重要な要件です」と、伝言を拒否して、担任を呼べと強く言ってくる親もいる。
仕方なく担任を呼ぶが、大抵の内容が「先生、今困っています。最近うちの子、親の言うことを聞かなくて。勉強もしません。どうしたらいいんでしょうか。」という類いのもの。
なるほど、児童ファーストの学校現場で重要になる家庭の悩み事解決、教育の基本です。
家庭との断絶は危険、家庭との緊密な連絡を取り合い、忌憚なく話し合い、児童をよい方向へ導いていく、理想的な関係。
・・・でもね、その相談、朝である必要あるんですか?
「朝は忙しいので、放課後に改めて。」と答えた担任が、以前ひどい目に遭いました。
「何が忙しいですか!!子どもの相談を忙しいという理由で断るんですか!?それでも教育者なんですか?放課後はこちらが忙しいんです。主婦の仕事を馬鹿にしているんですか?先生は昼間は授業で電話に出られないから、気を利かせて時間がある朝に電話したのに。相談は受けられないと言うことですね!(ガチャッ!)」と切られたそうです。
その親はすぐに教育委員会に苦情を申し立て、教育委員会が動きました。
教育委員会が先方から事情を聞き、学校も事情を聴取され、判定は「先方は、話しても説得しても無駄。相談を拒否されたの一点張りで、教育委員会の説得も無駄だった。今後はこの親に対しては、逆らわない方が得策。」でした。
以降、この親からの電話は、朝であっても給食中であっても会議中であっても、担任が応対することとしました。
長いときは1時間以上、長々くどくどと愚痴を聞かされ、その間の授業は教務主任や教頭が代行していました。
こういう親に対しては、「家庭のしつけです」は禁句。
「アイスを食べてだめと言うのに、聞かないでアイスを食べてしまって、夕飯を食べないんです。学校の指導はどうなっているんですか。」とか平気で言ってきますが、「そんなん知るか!家庭のことは家庭で解決しろ!」とは当然言えないわけです。
「節制について道徳で、おやつについては家庭科や体育で学習しています。」とか答えるしかなく、当然相手は「では、学校勉強がしっかりできていないんじゃないですか。しっかり仕事してください!」と攻撃してきますが、ここは平常心、「申し訳ありません」と発するのが最上の策。
そのうち相手は言いたいことが尽きて、「じゃあ、よろしくお願いしますね!」と捨て台詞で解放してくれますから。
全てがこういう親ばかりではなく、大多数の常識ある親は、児童の下校後の時間に相談を持ちかけてくれますので、担任もじっくりと相談に取り組めます。
でも、少数の「常識が理解できない親」のために、現場は朝一番から乱され、最終的にその影響が児童達や他の教師に及びます。
さあ、今日も一日が始まる!
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