青春編 同窓会

同窓会当日、懐かしい顔ぶれが並んでいる
そういえば同級生と会うのは中学以来だ、私生活が忙しかったりで会ってなかった
『あれ?マナミ…やんね?めっちゃ雰囲気変わったね』
『逆にケーコはあんま変わらんね、久しぶり』
何人かと会うがみんな私が変わったという…そりゃそうだとは思う、見た目と雰囲気とトークスキルで飯食ってんだから
逆に同級生達は大きな変化はない、良くも悪くも子供っ気がある
一足先に社会に出た結果かな?化粧の仕方とか見ても自分がダンチなのはわかった
『まだみんな揃ってへんな〜喫煙所でも行ってんのかな』
『ウチら未成年だよ〜』
『お堅いな』
自分が未成年やという事を忘れてる時の方が多い、仕事では酒、タバコが当たり前の様にあるし何より週一でソープでバイトしてる身だ、17というのがバレたら即御用なんだけどね
『ケーコやん、久しぶり…コッチは誰や?』
『なんやカズキ、目見えんくなったんか?』
『あー、その感じはマナミやな、お前めっちゃ変わったな…』
『それ今日ワシ何回目やねん』
カズキは私の幼なじみで私の初恋の相手だ、見事にフラれてもうたけど
『こんな美人になるんやったら付き合っとけばよかったわ』
『しばいたろか、当時の私がブスみたいな言い方やんけ』
同級生達が当時のまま接してくれるのは嬉しい、友達って変わらず居てくれるんやなって思った
『アンタはどうなん?ユミと上手いことやってるん?』
ユミはカズキの彼女だ、ユミの事が好きやから私の告白を受けれなかったんだと
『あー、去年別れたんや…』
『あんな美人逃すなんてもったいな、てかユミは今日来てないん?』
『いや、わからん、そういや姿は見んな』
結果的にユミは来てなかった、なんで来れんかったかは知らん
そうして一日を過ごしたが楽しくてあっという間だった
『もうお開きか〜もうちょいみんなと話したかったな〜』
カズキがそう言う
『じゃあ私の奢りでどっか行こうや』
『大丈夫やって、女子に奢ってもらうなんて男が廃るから俺が出すわ』
『無理せんでええで、高校生のバイト代なんかたかが知れてるやろ』
『そこまで言うなら甘えたろかな』
なんか生意気な事言ってたのでめっちゃ高級なお店に招待した
『え…めっちゃ高そう…マナミホンマに奢りで大丈夫なん?』
『ケーコは奢りでええんよ、カズキアンタ自分で払いや』
『いやこんな高そうなとこ…ええ…』
『冗談やって、ちゃんと奢ったるから』
三ノ宮でも屈指の神戸牛専門店、一回のディナーでも高校生のバイト代なら一日分でも足りるかどうかって所だ
『そういえばマナミって彼氏はおるん?』
ケーコがそう聞く
『おらんよ、セフレはおるけど』
『はあセフレ〜?』
『なんか付き合ったり別れたりってのがめんどくさくなった、体だけの関係やったら神経使わんで済むし』
『本格的に夜の女って感じやな〜遠い所におるみたいや』
『アンタと付き合ってたら変わってたかもね』
『そんな事言うなって…』
『これでも私そこそこ乙女なんやからフラれたん傷付いたんやで〜』
カズキにもう未練はないが仮にも初恋だから思う所はある…フラれてなかったら今の生活はなかったと思うし…

『マナミ、ごちそうさま、めっちゃ美味しかったよ』
『ホンマに奢って貰って悪かったな』
『なんやったら今から払って貰ってもええで』
『それは…勘弁』
こんなに楽しかったのは久しぶりだ…職場のメンツは仲良くしてる人もいるけど所詮はライバル、こうして対等に話せる相手って大切やと思った
『またこうして集まれたらええな…』
ポロッと私がつぶやく
『俺はいつでもええで』
『私も私も〜』
『ほな約束やで』
2人と拳を突き合わせて約束する、この1年半ほど中学の同級生とは接触を持っていなかったがコレを機に友達との時間も大切にしようかな…
そう思えただけでも同窓会に来た意味はあったと思えた

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