青春編③

あの後アリサさんから色々と教わり見事に変身を遂げた私は直接ボーイさんに声をかけるなんて無謀な事はせずに普通に求人検索をかけて応募した
15歳の小娘やもん、どうやって仕事に就くかなんてやり方わかんないよね
面接も一応あったが普通に19歳で通った
初めてで何もわからない所からのスタートなので何がなんやら…でもみんな親切で色々と教えてくれた
それから数日後
『初めまして〜ナナミです(源氏名)(仮名)今日からなのでよろしくお願いしますね』
『ナナミちゃん言うんか、初出勤に乾杯やな!かんぱ〜い!』
初めてのお酒だ…
ナニコレまっず、思わず吐きそうになったがなんとか飲み込んだ…喉が焼けそうだった
『なんや、お酒初めてなんか?』
『バレちゃいました?ちょっと味にビックリしちゃって』
『ちょっとずつ慣れていきや、慣れてきたら酔いも楽になってくるわ』
最初のお客さんが優しい人で良かった
『ナナミちゃん、こっちヘルプ入って』
『あ、はーい、じゃあすみません失礼しますね』
『おう、頑張りや、応援しとるで!』
『ありがとうございます』
そして2時間くらい経った頃私はベロンベロンだった、なんとか歩けはするがリバースしそうだ…何がとは言わない
『すみませんちょっと…』
『大丈夫?』
『ちょっとお手洗いに…ヴッ』
『大変、はよ行ってきて、ちゃんと掃除とスプレーしといてね』
返事をする間も惜しいのでトイレに駆け込む
そして盛大にリバースした
めっちゃ酸っぱい臭いがする…
『私やっていけるんかな…』
ちょっと不安が募る初日だった
『ナナミちゃん、今日はもう無理そうやから帰ってイイよ』
『すみません、初日から…』
『初日やからやん、大丈夫、最初はみんなそうやで』
『ありがとうございます…』
『ゆっくり休み、また明日おいで』

『って事があったから今日は寝るわ』
『顔真っ白やぞ、大丈夫か』
『大丈夫じゃない〜おやすみ』
『頼むから吐くのはやめてくれよ』
そのままソファーで倒れ込むように寝た
翌朝起きると頭がズキズキする…コレが二日酔いか…酒って怖いね
アニキの姿はない、時間を見ると7時半…仕事に行ったのだろう…代わりに置き手紙があった
『冷蔵庫に水入ってるのと薬箱に頭痛どめ入ってるからキツかったら飲んどけ』
私と違って気が利く兄だ、ほんまに用意がイイ
痛み止めを飲むとちょっとマシになった
手持ちのお金もあまりないし昨日みたいにベロベロになってタクシーもあまり使ってられない
『服も色々買っちゃったしな〜』
アリサさんとそれっぽい服を見て買った、最初のお仕事やから自分で買いたいって言ってお金は自分で出した
まあでも時給2000円は魅力…慣れてくればもっと時給上がるっぽいし今が踏ん張りどころかな…
とりあえずお酒は計画的に飲もうと心に決めた
今はとにかくお水が美味しい…
マナミ改めナナミの夜の生活は始まったばかりだった

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