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指をクロスして

東京の寒さも厳しくなってきた年の瀬、皆様いかがお過ごしでしょうか。僕はというと寒さが大の苦手なのに加え、冬は地味にメンバーの卒業が多かったり、秋改編で好きな番組が色々変わった上で冬に突入してくるので毎年冬は年末年始以外どんよりした気持ちで過ごしている気がしますね。(春が近づくにつれて明るい気分になってくる模様)

こんにちは。たつです。


年末音楽特番の季節ですが、日本レコード大賞の優秀作品賞には我らが乃木坂46の「ごめんねFingers crossed」がノミネートされており、今年も同番組でのパフォーマンスが決まっています。いやぁ~ノミネートが発表された時は本当に嬉しかったですね。本当に嬉しかったですね。(大事なので2回)

僕がごめフィン(メンバー間でも略称が定着したようなので以下ごめフィン)を単純に楽曲として2021年表題で指折りで好きだというのもありますが、さくらちゃんを中心としたパフォーマンスとしてのごめフィンの名場面を我々は何度か目撃し、驚嘆してきたわけですからこれほどレコ大のパフォーマンスの舞台に合った曲は今年ごめフィン以外に無かったのではないかなと思います。乃木坂レコ大の前例を見ると基本春先の曲がノミネートされますが、26thの僕僕はリリース時期が1月と結構早めでしたし、その次にリリースされたごめフィンはメディア披露回数も十分で全ツを回った曲であること、メンバーを何人も送り出した思い入れ深い楽曲であること、そして何より圧倒的なパフォーマンス曲であることを総合考慮すれば今年の表題曲でごめフィンがレコ大にノミネートされたことは疑う余地すら無いかなと思いますね。6月リリースも対象期間ですし表題のプロモーション期間・量をみても今年のレコ大ノミネート曲はごめフィンしかないのではないかと。ほぼ確信はしていましたけど他の表題だったら暴れ倒してたかもしれないので実際発表されるとやっぱ嬉しいものです笑。

過去乃木坂46が大賞を獲得し、結果を残したと言える披露曲もインフル・シンクロと、ボーカルよりはダンス寄りでしっかりパフォーマンスする曲だったので今年のごめフィンはどんなパフォーマンス、どんな結果をみせてくれるか本当に楽しみです。もちろん想像した結果にならなくとも、メンバーの卒業と共に在り、ライブ等間違いなく2021年の乃木坂46を彩った曲であるごめフィンのパフォーマンスの集大成をここでお茶の間に見せつけることが出来れば最高だなと思っています。
(全ツ福岡公演1日目のさくらちゃんのパフォーマンスについては、パフォそれ自体はそれまで見たことのない凄まじいものでしたが翌日は通常通りでしたし、結成10周年公演のプレッシャーと本人も言っていたので特段深く考察する必要は無いし、偶然の産物ということで再現可能性を探求するべきではないかなというのが丁度良いヲタクでいたい僕の立場です。)

と言いつつ、やっぱりレコ大は何度でも獲って欲しいのでパフォーマンス曲という長所を生かし、2017年レコ大のように本番でゾーンに入ったパフォーマンスが見せられれば場の空気も大賞受賞の機運も高めてしまうことは不可能ではないので(当日評価レコ大)、本当に頑張って欲しいなと思います。


本題に入りましょう。(まだ本題じゃなかった)
一応ごめフィン全体の話題として書いてますが、今回の大筋はごめフィンMVについての個人的な感想と評価になります。めっちゃ今更感ありますがリリース日から遅れまくった記事は僕の中ではほぼ平常運転なのでご容赦下さい笑。
にしてもこんな大学生よりも数百倍忙しいであろう乃木坂ちゃん達、その中でもこまめにブログを更新する子本当に物凄いバイタリティーだと思いますよ…

ごめフィンMVは個人的には結構好きなんですが、割と批判的な評価が多くて悲see…という感じなのでここで私が助け舟として良いところを挙げていかなければ…という使命感で今これを書いています(


27thのMVの話してて思い出しましたけど、推しメンの田村真佑ちゃん初のセンター曲であり、二度と無いかもしれないセンター曲の猫カモにMVが無かったこと、根に持ち続けますからね…(嘆願まで出したけど制作されず)。4期非選抜メンバーのMV出演を0にしたことはほんと罪深いですよ(怨念)。誰ですか27thMVの采配したのは。いやほんとそこまでしてMVの枠を他の曲に回します??まぁ4期生がライブやらで忙しかったこともありますけど歌っているメンバーのMV出演状況を天秤にかけたら猫カモMVの雇用機会(語弊)としての必要性は火を見るよりも明らかd…(以下割愛)



ごめんねFingers crossed

※MV初見の方はいないと思いますが、観る際は先に特設サイトの方を隅々まで読みましょう。取扱説明書とかも同じですがきちんと読みましょう。


はじめに楽曲としてのごめんねFingers crossedについてですが、曲の疾走感というかスピード感、速い曲が好きな僕としてはかなり好きでしたね。近年で表題曲を解禁当初から好きになったのは久々な気がします。近年の流行りと言いますかY〇ASOBIに乗っかったかのようなピアノの打ち込み音最高ですよあれ。
解禁後に楽曲それ自体の評価よりもYOAS〇BI感があるとか、Wilderness Worldに似てるとかが僕のTLでは先行して色々言われていましたけども、まぁそれはさておき曲の雰囲気からしてyouth caseさんが遂に表題起用か!?との予想もあった中で、蓋を開けてみたらピアノ調の所謂乃木坂らしい曲を数多く作ってきた杉山勝彦大先生の作曲というのが一番驚きでしたね笑。さすがに当てられた方いないんじゃないでしょうか…(事後諸葛亮絶対許さないヲタク)
これもう編曲者(今作はAPAZZIさん)に注目した方が良いのでは?と最近感じてはいますけどもね。前作僕僕→ごめフィンと同じ作曲家でこの振り幅の大きさですし、なんだかマネキン→希望の振り幅を彷彿とさせます。

夜に駆けるに似てるだろうが派の僕としては当然夜駆に似てるだろと思っているので、これ聴いたらさすがに誰もが夜駆派になるだろうという資料映像も貼っておきますね。(余計すぎるお世話)

聞くところによるとそもそも両曲はコード進行がほぼ同じなのでもうこれは決定的でしょうと。まぁ僕は音楽的な素養が1ミリも無いのでこれ以上何も言えませんけども(


歌詞も結構好きでしたね。ざっくり言えば倦怠期を経ての恋人との別れという内容ですけど、

冷静じゃないから恋ができるんだ

この詞を書けるのはさすが秋元先生だなぁと思いますよ。近年ムラはすごいですけどやっぱ秋元康です(?)。

また、「君の幸せをずっと祈ってるよ」の詞はメンバーの卒業=失恋とも捉えられることがある乃木坂46において、卒業メンバー(恋人)との惜しい別れの際に贈る言葉としてこの上なく印象的で大きな役割を今年何度も果たしてきたのではないかなと思います。このフレーズで今年何人のメンバーを送り出してきたことか… 
(卒業=失恋論は僕個人の見解ではないですが詳しくは乃木坂46ドキュメンタリー映画2作目「いつのまにか、ここにいる」をご覧下さい。さすがに観てない方いないとは思いますがね。)

歌詞を総合的に見ても良い意味で当たり障りが無くて個人的には聴きやすいですし、メロディーは切なさを感じさせながらも洒落ていて、それであって速度を感じさせるという言うまでもなく素晴らしい仕上がりなので楽曲のごめフィンは本当に申し分ないと僕は思っています。


本筋に戻ります。
ごめフィンMVを撮って下さったのは東市篤憲監督、乃木坂では君に贈る花がない、Wilderness World、歳月の轍のMVを撮られていますね。あとはフォーシーズンズのいくちゃんのパフォーマンス映像も。
ごめフィンMV中のプロジェクションマッピングの部分と主人公のさくちゃんが持っているキーホルダー、ゴール地点のポケベル数字は監督の過去2作の要素が詰まっていて面白いなぁと感じました。こういった遊び心好きですね、監督当てのヒントにもなるので(MV解禁時の特殊な楽しみ方)。
僕はさくちゃんのキーホルダーでWWの東市さんだなと確信しました。


ちなみに監督の前作であるWWのMVは荒野行動タイアップ曲という明確なコンセプトがあったこともあり、歌詞・MVの世界観が一つの作品としてよく統一されてました。その上でメンバーもクリアに一定時間映っていたのでWWのMVは26thシングルで最も完成度が高いMVであると僕はみています。荒野行動というコンテンツについての賛否はさておき完成度は26thで圧倒的です。Out of the blue MVがまさかまさかの急展開で轟沈してるので(くどい)。
各分野でのコンセプトが統一されていると結果として完成度の高い整った作品ができやすいわけですが(持論)、初期はジャケ写、場合によっては制服までコンセプトが統一されていた乃木坂なのに近年の運営はそれをどうしてやらないのか、やれないのか、やりたくないのか、やる度胸も無いのかちょっと僕には理解が追い付かないところであります。


で、僕がごめフィンMVを好きだと言い続け、やや高めの評価をつけているのは単純に狭義のMusic Videoとしては他に比べちゃんと成立してるからです。もう本当にこの一点に尽きます。


MVを観る際の着眼点の参考として、

僕がアオブルMVを一般ヲタクの分際で分析・批評した際に図らずも形成されてしまった個人的なMusic Videoの評価軸が

・楽曲と映像の親和性
(曲or歌詞イメージと映像コンセプトの一致、衣装、天気など)
・楽曲のプロモーションの体を成しているか
(曲テンポと映像速度・カット割りの連動、できるなら歌詞の再現など)
・メンバーのプロモーションの体を成しているか
 (メンバー毎の尺比率、映像の鮮明さ、パフォーマンスの質など)
・ストーリーの質 ※ストーリー性があるMVのみ
 (設定、配役、現実とのオーバーラップなど)
・MV構成
 (尺、パフォーマンスとそれ以外の映像の尺比率、ダンス挿入箇所など)

になるんですけども、まぁ今回の擁護でも使えそうなのでより明確にして出しておきました。結論から申し上げるとごめフィンのMVはどの項目でも及第点以上で、少なくとも乃木坂のMVの中では平均以上のクオリティで落第生レベルではないでしょうがというのが僕の見解です。ちなみにアオブルMVは上の5項目とさらに細かい小項目でほとんどダメだったので僕はアオブルMVをこき下ろし続けてるわけですが(
で、どこがどう良いのかは以下見ていきます。


まず批判事由について検討していくとしましょう。
今作についての批判として、
・ストーリーと設定がよく分からない
 (+サイトで補完するのはいかがなものか)
・カオス(衣装含め)
・卒業を控えている松村沙友理の尺が少ない
・車の割合がやや多い(色んな意味で)
が主に挙げられると思います、というか僕はこれくらいしか観測しておりません。


まずMVのストーリーと設定について。2つのグループがなんか対立しているなということは分かっても各グループや登場人物それぞれの関係性や背景はMVでは細かく描写されないためにMVだけ観ていると確かにほとんどのことが分からないかなと思います。これは認めざるを得ません。MVだけだとなぜ走るのかも視聴者が分からないままいきなりレース始まってますからね(

ダイナーの立ち位置は??あとなんか脚自慢の3人は何??みたいな感じで。その逃げ水MVのカオスさをやや彷彿とさせるような諸々特異なキャラがいて、よく分からない細かい設定の部分をMV公式サイトやMV解禁のお知らせ、概要欄などで補完している形なわけです。

まぁそれよりも個人的に1番感じたのは、レースをするのは良いとして、顔と車のアップが多すぎてレースのルールと展開が分かりづらすぎたということですけどもね。視聴2回目でようやくこれ所謂リレー形式なんだなと分かりましたよ(

まぁ分かりづらいMVというのは完成度からするとあまり高いとは言えないと思いますが、ただこれまでの乃木坂MVで分かりづらいMVや意味不明なMVは沢山あったはずなんですよ。にも拘らず制作側からの細かい解説が無かったり、気持ち程度の説明をあらすじに委ねているものもありますし。割と視聴者側の解釈に依るものは多かったんじゃないかなと思います。
対して今作は友情努力勝利(少年ジャンプか)みたいな本当に必要最小限のストーリー性というか大方の流れは小6でも理解できるはずなので、個人的には今作は特設サイトでの解説も無くして設定は作品を観た視聴者の解釈というか妄想に委ねる形もありなのではと思ったんですよね。それこそだいたいぜんぶ展でより詳細な設定が判明した逃げ水MVの未公開設定みたいに。
ただサイトに公式な設定を出してしまった以上、公式設定によって受け手の解釈は否定されうるので、制作側の公式設定があるのにも拘わらずMV内の描写が不足していた場合にむしろ色々言われてしまうのも致し方ないのかなと思います。ヲタクがよくやる妄想による自由な補完が許されないですから。ディレクターズカット版があればどこかで観たいものですね。スピンオフもあるのは作品としての広がりがあって面白いなと思いますけど、畢竟スピンオフなので本編の補完が必要かなと思います。


ヲタク側の考察や妄想の妨げになり得ると言いつつ、まぁ僕としては公式の設定や背景を細かく知れるのはありがたいですし、メンバーそれぞれの細かい役柄や背景を知った上でMVを観るとより楽しめるのかなと思うので、描写しきれなかった部分を特設サイトで教えてくれたのは良かったのではないかなと思います。ただやっぱりMVだけでの分かりづらさは僕も否めないのでサイトに補完を委ねるのではなくもう少し作品内での描写は欲しかったところですね。特に遠藤賀喜与田の友情の描写と山下生田飛鳥のヒール感はもうちょっと欲しかったです笑。まぁメンバー自身が自分の役柄を知らされていなかったという件はあまりいただけないですけどもね(


余談ですけど美脚軍団はサイト観ても結局どういう立ち位置かよく分からないし、MVだけなら雰囲気からしてヒール役感もあるしで本当に逃げ水MVの時みたいなやべぇ人達という感じがして面白かったです笑。


次にカオスだという点。まぁ…否めないですね。各キャラが濃いですし歌衣装以外は衣装も統一されてないですし、ある程度まとまってた方が作品としては良いかな…というのは僕も思いますね。特に1番サビのダンスはそのままMV衣装で踊ってるのでもう絵面がスキッツライブですし。
ただMV衣装でのパフォーマンスについてはFNSで地上波パフォーマンスまでしてますし、逆に新鮮みあって僕の見る限りではやや好評だったように感じます。カオスを楽しむのも大事な気はしますね(※たまには)


歌衣装に関してはこれもう個人の価値観としか言えないですが、僕はああいう風にシュッとしてるフォルムの衣装の方が好きですし、刺繍や花があしらわれているものよりはああいった布生地重ねたようなものが好きですね。なのでごめフィンの歌衣装は今年のもので1番好きです。悪く言えばカオスですし良く言えばカラフルなのでものは言いようです。


続いて卒業を控えた松村の尺が少ないという点。まぁ卒業を控えている割にはかなり少ないですね。特に君に叱られたMVで高山一実があれだけ大きな役割を担っていたことと比べるとですよ。ただ正直僕としてはそこまで気にならなかったですね。まず近年ではグループ事情からしてメンバーの卒業で表題を卒業曲として消費しない傾向にあり、表題MVでの卒業メンバーがそこまで厚遇ではないのは致し方ないと思えたのと、ソロ曲があるというのが主な理由です。そう、卒業ソロ曲とMVがあるという事実は大抵のことを解決するのです(
あと僕は推しがいるヲタクとしてやってますが、根底が乃木坂46というグループが好きというのがあるのでいざというときにはグループが推しに優先します。(恐らく超少数派)


少しストーリーの話に戻りますが登場尺が少ないといっても今作MV内で松村は割と大事な役割を果たしておりまして、それが遠藤さくらもとい、チームLost and foundの勝因なんですよね。レース終盤でゴールラインが迫るもまだ山下の車を追い越せなかった遠藤は松村達から教えられていたニトロスイッチを押して急加速、一気に山下を抜き去り紙一重で大事なレースに勝利するわけですが、このニトロを秘密兵器としてあんなレトロな感じの車に積んで魔改造したのが何を隠そう、狂気を内包していそうなあの松村久保整備士コンビなんですよね。いや~勝利の立役者と言いますか、魔改造無かったら絶対に負けられない戦いに負けてましたよ。


現実の背景を重ねてみても、卒業していく松村がニトロで思いを託した27thセンターの遠藤がその思いを乗せて前作26thセンターの山下と(好敵手として)競り合って最後の最後に追い越すというもう激アツな展開なわけですよ。かきさくの友情描写も良かったですし。


この部分は色々酷評される今作でささやかながらも優れた点ですし、サイト無しでも観た人が読み取るべき部分なんじゃないかなと思います。これで他の欠点相殺できるまでありますよ(



最後に車の割合が色んな意味で多いだろという点。
まぁ多いと言えば多い気が。車に結構お金かけて特設サイトも車の説明しっかりしてますけど、車が全然分からない僕としてはどのメンバーがどの車に乗ってるとか車のスペックはどうとかはちょっと大丈夫です…という感じなんですけども。ロマンというんですかね、車好きな人にとってはこれ最高だと思うので人の好きなものを直接悪く言うことはしませんが。まぁ好みの畑はみんな違うのでこればかりは仕方ないです(航空機畑の人)。ただ、綺麗な車と可愛い子はよく合うってのはなんか分かります(


あとMV制作に当たって車の金額が億いってるというのは当然買った場合の総額で、さすがに借りてきてるのでコストは抑えられているだろうし、その分のお金を他の部分に回しても作品のクオリティは劇的には変わらないんじゃないかなと思いますね。

アオブルMVの記事でもやや同じような事述べたんですが、車の尺の多さはメンバーのPromotion VideoとしてのMVの役割を阻害してしまっている点です。車のCMじゃなくて乃木坂46の楽曲MVであって、車は脇役で主役である楽曲とメンバーを映像内で前面に出すべきものなんですよ。にも拘らず尺を車が一定割合を占めてしまっているという感じですね。僕個人としてはまだ許容範囲ですが、車よりもメンバーをもっと多く綺麗に映して欲しいという意見は至極真っ当のようにも感じます。
あと車に乗っている6人ばかりが多く映るという尺の偏りも気になりますが、まぁフロントめっちゃ映って3列目全然抜かれないというのは乃木坂含め大所帯グループMVの宿命みたいなところがあるので致し方ないです。間奏部分のさくちゃんの唐突なCGエフェクトとプロジェクションマッピング、6人だけのダンスは演出的にも構成的にもちょっとよく分からなかったですけど笑。ただ東市監督の作品は解像度高いのか分からないですけどメンバーが映った時はとてつもなく綺麗に映るので車メンバーの映像映えが凄まじかった点は良いなと思いましたね。




上で述べたような、分かりづらさがあったり、顔がアップ過ぎたり車の割合がやや多いのが本作品の玉に瑕な部分、つまりメンバーのプロモーションに欠ける部分ではありますが、ただ、MVで車をコンセプトにしたのは全く間違っていないと僕はみています。杉山勝彦さんにとっては意外だったようですけど笑。
楽曲のイメージをどう映像で表現するかについては、メロディーを具現化するものと歌詞を具現化するもの、その両方、のパターンがあると僕は考えていますが、今作は基本的にメロディーで多少歌詞に則る作品だと思います。まぁどれもやってないアオブルMVみたいな作品もあるんですけども(
速い曲調と映像をよく合わせてきているのは非常に良いなと感じました。


ごめフィンはまずイントロ(0:23~)と曲終盤(3:57~)からアウトロにかけての突き抜けるような疾走感があり、特に後者のドラムの音はまさに車のスロットル全開という印象を受けます(※括弧内の秒数はMVの秒数)。ここはオフボが聴けるなら皆さんそれで是非スピードを感じて頂きたい。もうこの作品のせい(おかげ)で速い曲しか勝たん!みたいなスピード狂になってますよ。もっと速さをだな…(危ない人)


イントロで疾走する車に合わせて迫ってくる曲タイトルなどは印象的でしたし(速く移動していても遠くのものはゆっくり近づいてくるように見える視差みたいで良い)、1番サビ前Bメロにピッタリ合わせたカット割りや、サビに向けてのBメロの高揚(聴覚)、その高揚していく感覚をスピードメーターの上昇やシフトレバー操作の映像で視覚的にも表現していたのは秀逸でした。そのまま曲の最高潮であるサビに突入すると映像が車ではなくなるので「いや踊るんかーーーい!」という感じでしたけどもね笑。(アオブルMVと真逆の反応)(こちらは音と映像を合わせているので全然良い) LICOさん振り付けのダンスとても綺麗で良かったです。




実際楽曲のBPMは130と結構速めな曲になるので、メロディーのスピード感とスタイリッシュなイメージからしてMVのコンセプトである高級スポーツカーはこの上なく曲に適合していたと考えてます。

こういったタイプの曲にスポーツカーのあのスピード感ある映像を当てたのは采配としては正解、いや大正解ですし、楽曲(のうちメロディー)と映像の連動性、イメージの親和性というMV評価軸の中でも極めて重要な観点から見ると僕としてはかなり高評価です。楽曲を引き立てる、楽曲プロモーションの役割はきちんと果たしているのでMVとしての片翼はある状態です。両翼が無い作品もまぁ多々あるのでかなり良いほうです。
歌詞についてはそもそも合わせられているMVも少ないのと、ごめフィンで合わせ過ぎたらただの破局MVになるので「指をクロスして~♪」の部分で十分かなと思います(記事タイトル回収)。


あと天気の話もしますと、割としっとりめで大人びた雰囲気の楽曲なので雨が降ってたのはこの上なく曲調とマッチしてるなぁと思いましたね。青空大好きヲタクとしてはMVは基本快晴なのが作品の色合い的にも好きなんですが、今作の物憂げな曇りと夜雨は歌詞の大人の別れのイメージをよく引き立てていてとても良かったのではないかなと思います。別れのシーンで雨を降らせて主人公の悲壮感を演出するってのはあるあるオブあるあるですけど、その”別れの雨”というよくあるイメージに沿った形に、狙ってるのかは分かりませんが結果となったのは面白いなと感じました。雨には悩まされたみたいですけど笑。
神宮同様雨に降られる中でも目一杯のパフォーマンスを見せてくれるメンバーにはより一層美しさを感じてしまいますね。(もちろん無理はせず健康管理には気を払った上で)


挙げていくとキリがないんですが、こんな感じでごめフィンMVは曲調のイメージと映像コンセプト、曲の変化と映像のテンポ・カット割りが相当程度合致していて連動性が高い作品なので、楽曲を引き立てるMusic Videoとして全く申し分ないですし、そこは完成度が高い部類に入ると思います。やはり設定描写が弱かったことと車の尺がやや多かったこと、すなわちMVの中のPVの要素に偏りや玉に瑕な部分があるという印象ですね。

ただやはり楽曲を引き立てるMVとしては良くできているなというのが僕の結論になります。長々と書き連ねてきましたが上で紹介しきれなかった良い箇所もまだまだあるのでMVを観る時は曲と映像がどれだけ合致し、曲を引き立てられているかという点にも着目して観てみるのも良いのではないかなと思います。それでは。

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