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Keep on going この感情 -アトノマツリ-

こんにちは。たつ(@applebig3)です。


はじめに

時の流れは速いもので2023年ももう2月ですね。


乃木坂46にとっての2月…そう、バースデーライブが近づいてまいりました。

来たる11thバスラは9th以来の期別ライブありの構成。
私が常日頃から肩入れどころか強火ヲタクとして猛プッシュしまくっている乃木坂4期生の単独ライブこと4期生ライブ2023も控えています。なんやかんや毎年何かしらの形で4期生単独ライブをやらせてもらっているのはありがたいことですね。


まぁわたくし無券ですけどね!!!!!(血涙)
#横アリを選んだ乃木坂運営を許すな



31stシングルでリリースされた4期生メンバーによる楽曲『アトノマツリ』はきっとここで初披露されることでしょう。

アトノマツリ、ラップが入っているということもあり、ANN初解禁時にヲタク間で結構好みが分かれた印象ですね。私もAメロのラップまでは怪訝そうな顔して聴いてましたがBメロ以降を聴いて一発で好きになりました。もうメロディーがど真ん中ストライクでした。
歌唱する4期メンバー5人とラップ詞があるということを発表された時は一抹の不安すらありましたが、諸々解禁後全てが良すぎたので推しが4期生として参加していないことが悔しいくらいに良いと感じてますよ私。

言霊砲や平行線などもそうですがユニット曲参加メンバーが全員同期だと実質的に期別曲となるので、遠藤賀喜北川林弓木のアトノマツリも4期生楽曲と言って差し支えないと思います。アトノマツリは4期生の文脈に含まれるということがこのnoteの大前提ですね。


私含め年齢が若めのヲタクはチルいということでアトノマツリが好きだという方もそれなりにいましたが、いずれにせよヲタク全体としてはだいぶ過小評価されているなといった印象です。
後々しっかり曲を聴くと好きだという人も多かったので所謂スルメ曲というポジションなんでしょうが、当然私は納得いってないです。メロディー、歌詞、(MV)と全てが素晴らしい楽曲なのだからもう一発できちんと読み解いて好きになってくれといった気持ちですよ。


ということで私がアトノマツリという楽曲の自分が思う素晴らしさを伝えるんだ_____というモチベーションでこのnoteを書いています。

4期ラ2023で披露されるであろうアトノマツリという楽曲の素晴らしさや4期生楽曲としてのこの楽曲の意義についてこのnoteで伝えていけたら良いなと思っています。最高の楽曲ですからね。
最後までお付き合いいただければ幸いです。


MV

個人的総評

Simple is Bestという言葉がよく似合うMVだなという印象です。良いです。
かなりシンプルな作りなので、制作面では出演メンバー以外の要素に関して他のMVと比べ抜きん出た長所は無いけども、短所も特に無いなという感想です。良くも悪くもとてもプレーンな作品。なのでメンバーの個性や関係性にMVの評価が左右される形なのかなと思っています。

それでも要素が盛り込まれ過ぎて渋滞しがちな近年のMVとは対照的に、作りとして短所がこれと言って無いというのはとても素晴らしいことだと思いますね。

乃木坂のMVってダンスシーンが多いMVですら軽めのストーリーがあるくらいにストーリー要素込みのMVが多いことがグループの特徴なんですが(MdNムック本参照)、良くも悪くもストーリーのMVが多い中今作は逆にストーリー要素が皆無だったのが個人的には新鮮でした。
(注:ここで言うストーリー要素とはMV内でのストーリー、脚本という意味です。)

MV内のみの世界や配役は無く、現実の人物がカメラを認識して撮り合っているのがメタいですし、カット割りが少なくて特殊な演出もないので、映像のフィルターが無ければもうドキュメンタリーやVlogに近い印象ですね。自主制作というのもありますがここまでMVのストーリー要素が無いのも珍しいです。


ストーリー要素が無いので良い意味で"考える"必要が無くて、観たもの聴いたものをそのまま感じるだけで良いのがアトノマツリMVの良いところなのかなと。所謂クセ強MVではなくシンプルな映像だからこそ映像だけでなく楽曲にも視聴者の意識が届きやすいですし、楽曲と映像がしっかり融和しているという点で”Music” Videoの本来の意味での役割を完璧に全うした作品だと思います。シンプルだからこその良作と言いましょうか。


コンセプト

山手線がテーマでラップ詞があるという曲を意識してなのかちゃんと山手線渋谷沿線のストリートっぽいところで撮りましたね。鉄道シュミレーターみたいなところで撮影してるのとても好きです笑。私個人としてはコンセプトが統一された作品が好きなので、服もロケーションも曲の何らかのテーマにちゃんと合わせにいったMVだったのはかなり好感を抱けますね。

渋谷と恵比寿の間くらいの歩道橋
改築するので早めの巡礼をオススメします

都民だから割とすぐに聖地巡礼もしたけど本当に渋谷好きだな乃木坂!笑

メンバーが自分達で作るのでどこかの伊豆ホテルPVみたいなMVとは違って、曲の世界観とあまりにもかけ離れたMVは恐らく出てきづらいですし、メンバー自身の解釈なので文句も出づらいのが自主制作MVの良いところですね。


4期と新4期

MV内容としては遠藤賀喜北川林弓木が楽しそうに歩きながらカメラを交代で持って撮影しているだけなんですが、この”楽しそう”なのが良いんです。4期生らしさなんでしょうかね。
メンバーは楽しそうだけど曲調は切ないので、観ている側としては楽しかった思い出のような、もう戻れないような走馬灯のような切なさも感じられる点がこのMVに良さと深みをもたらしている部分だと思います。その要因はやはりメンバーに依るので演者への理解度が感想を左右しそうではありますが。玄人ほど好きになるものなので新規は狙えないという長短がありますね。

4期と新4期の更なる融和がこのMVの裏の意義だと私は思っていますが、これまで経験や仲など色々と言われてきた中で4期と途中加入の新4期の組み合わせでMVのこの雰囲気を醸し出せているのが私は嬉しいです。近すぎず遠すぎずの良い関係性と言いましょうか。
ここまで来られたのも今まで16人で積み重ねてきた活動と物語があるからこそだと思いますし、長い目で見たら最初の1年ちょっとの差なんて誤差になりますからね。


さくるるる(勝手に呼んでる)

そして特に注目すべきはやはり遠藤と林でしょう。全ツ2022で2人が仲良くなって林がるるると呼ばれだしたのは矢久保の負けヒロイン感もあってあまりにも有名な話ですが、このMVがもう1年早く出ていたらこのような雰囲気にはなっていなかったかもしれないですし、こうしたリアルでの良い関係性がMVにも表れていたのは良かったです。

数年後今よりもっと絆が深まった頃にこのMVを見返したら「この時はまだ他人のように固いな~」みたいにまた違った感想になるかもしれませんが、これも1つの記録ということで。
また4期生楽曲を貰えたら、より深くなった一つの4期生の関係性が見られると良いですね。


4期生のクリエイティビティ

そして何よりメンバーの自主制作であること。ここが今作MVの大きな評価ポイントだと思います。
自主的というか勝手にラップユニットをやっていた北川と林が番組でラップを披露し、そこから配信中チャンネルにも動画を出し、遂にはラップ詞の歌唱を担当する楽曲を手繰り寄せただけでも本来は快挙ですよ。
その上で楽曲MVが無いのなら自分達で作ってしまおうという精神、これらのクリエイティビティこそがこれからの4期生の活動や表現の幅を広げていく可能性を秘めている訳です。(伊藤監督もご協力ありがとうございました。)

替え歌のMVをYouTubeに上げていたらなんかユニットとして認められ、楽曲もMVも手に入れたさゆりんご軍団という乃木坂における軍団の先駆け、パイオニアがかつて存在しましたが、それに近しい積極的なクリエイティビティを北川林からは感じます。与えられるだけではなく自らの力で道を切り拓いていく子を久々に見られて私は嬉しいです。2人とも松村推しなのは何かの因果でしょうか笑。(林は1期生では松村推し)

そして2人は歌詞もMVも自主制作しています。アトノマツリはメロも歌詞も頂いた曲ではありますが、それに繋がったのは間違いなく2人のラッパーとしての作詞活動(?)ですし、頂いた曲を基にMV撮影・編集まで全て自分達で行ったのはこれまで乃木坂に存在したクリエイティブよりも更に一段階進んだクリエイティブだと言えます。アトノマツリは間違いなく4期生のクリエイティブが生み出した曲と言っても過言ではないと私は考えていますね。

今作は4期生の自主制作MVの記念すべき初作品・マイルストーンであり、偉大な前例を作ったという意味でも大きいです。メンバーの自主制作が実現したことによってこれからの自主制作にも現実味を持たせることができているので、”自分達の力でクリエイティブを完結させることのできる集団”4期生の今後が本当に楽しみです。




歌詞

歌詞が良いですアトノマツリは。というかメロディーも歌詞も良いような全てを兼ね備えた曲じゃないと自称歌詞のヲタクである私はわざわざ曲noteなんて書かないです。
山手線と恋愛を掛けた歌詞だと知った時はどうなるのかと想像を膨らませましたが、いざ曲を聴いてみると山手線での例えと情景描写が秀逸でしたね。良い時の秋元康の歌詞を引いたと言いますか、意識はしていないとは思いますがやっぱり4期曲では歌詞を外さない人だなと改めて感じました。
やはり良い時の秋元康は情景描写がとても良いです。


具体的に見ていきましょう。ラップ調部分の歌詞については私は門外漢なので韻の良し悪しなどは特に言わないことにします。
情景の全容が分かってるという前提で私なりの解釈を述べようかなと。


1番

Oh 山手線ぐるぐる回った
“やまてせん”じゃないよ“やまのてせん”
渋谷から乗って渋谷まで 僕はどこへ行きたいんだろう?

乃木坂46『アトノマツリ』
以下全て同引用元

山手線の読み方のくだり要るか…?
渋谷から渋谷という山手線での一周、自問自答の表現から主人公僕は心ここに在らずで迷走しているような印象を受けますね。可哀想なのでキセル乗車にツッコむのはやめておきましょう。あと本当に渋谷好きだね乃木坂は笑。

駅のベンチに座っていた 君に手を振って電車に飛び乗った
引き留めてくれると思ったのに 発車ベルは鳴ってしまった

ちょっと期待してカッコつけて別れたけど本当に別れてしまった形。これは色んな意味で痛いですね。

1時間ちょっと経ってから 僕の恋は一周したんだ
さっきのベンチに君はいて 僕はどうすりゃいいか悩んだ
どうして君は待ってたのか? 話を聞いてみたいけれど
僕はサヨナラを隠し持ち 微笑みながら ねえどうする?

山手線は本当に1周に1時間ちょっとかかるのでこれは非常に正しい歌詞です。(そこ)
君に気持ちを打ち明けられず、そのまま抱えて山手線に乗って1周し、元の場所に戻って来てしまったけどなおも打ち明けられない僕の葛藤や苦悩が見えますね。
ただ、君も元のベンチにいたんですよ。僕は偶然か必然か途中で降りることなく1周して戻ってきたけど、君は恐らく1時間以上同じベンチにいた。2人の気持ちはきっと近いのにあと一手が出ないのがこの主人公僕ですよ。

また、乃木坂の歌詞でありがちな片仮名のサヨナラですが、軽い別れではなく離別に近いような意味で捉えるのが歴代の歌詞も汲んだ意味かなと思います。このまま別れに終わってしまうという最悪の事態は主人公がどうにか避けようとしていることが伝わります。でも一歩が踏み出せない。

君と僕は友達以上恋人未満みたいな関係性で、この日の(1周する前の)別れ際が本来は2人の運命の分かれ道だったのかなと私は解釈しています。そこで決めないでカッコつけちゃう素直じゃない主人公ですよね。

自分の気持ちは 何にも変わっちゃいないよ
愛の顛末 一人語ろう

好きだったよ 好きだったよ 今さら言えるわけないか
好きだったよ 好きだったよ 後出しのじゃんけんみたいで
好きだったよ 好きだったよ 馬鹿だな 言っときゃよかった
好きだったよ 好きだったよ 恋はカッコつけてもうまくいかないよね
アトノマツリ…

Aメロのラップ調歌詞は駅での情景ですが、Bメロ~サビは情景描写が全く無くて主人公の心情描写のみになるので、この部分は山手線を1周している間の君に素直になれている僕の心情なのではないかと私は考えています。これは曲全体を通じて。
円周で360度回ったら気持ちも位置も原位置0度に戻るけど、1~359度の時だったら多少は違う。その原位置つまり駅ではない部分が、円周という山手線に乗っている時間なのだと私は考えています。
渋谷駅で君と相対すると素直になれないけど、歌詞に「一人語ろう」とあるように、1人で山手線に乗って考えている間は素直になっている訳です。まぁ当たり前なんですがそれを全く直接的に書かないのが康の腕と言いますか。

好きという気持ちは変わらないし、「好きだったよ」を反芻するほど君を愛しく想っているけどこの一言が言い出せず、走る山手線の中で後悔する主人公。(この「好きだったよ」は過去形ではなく気持ちの打ち明けだと考えてます。)
まさに事態が後の祭りなので、この恋は破局という"顛末"を迎える…
と、この時の主人公はもう終わりだと思っていた訳です。


2番

Oh 君がそこに座っているから ただぼーっと立っていられない
かと言って話すのも変だし 次の電車待ってるふりした
だってさっき 別れたのに もう再会なんて節操ない
できるなら 涙乾くくらい 時間を取るべきだった

2番Aメロで場面はまた駅の場面に。恐らく僕は渋谷駅で乗ったところから号車もドア位置も動いていないので別れて乗った場所と完全に同じ位置に降りているんですよね。なので君との位置が近くて気まずくなってる訳で。
1時間以上経って戻ってきたんだからそのフリは通じないと思うよ…明らかに不自然だし何か理由あると思われてるよ主人公…
節操ないのはそれはそう。でも頑張れ。

主語が無いので君と僕のどちらかが泣いていたと読めますが、別れたことを泣くほど本気で後悔していたと思われるので、恐らく泣いていたのは僕の方です。なんか可哀想なので1時間も経ってるのに泣いて涙乾かないのかとツッコむのはやめておきましょう。

そんなに勝手な 生き方してたらだめだね
恋の決着 ちゃんとつけなきゃ

大好きだよ 大好きだよ そりゃ今も 変わらないさ
大好きだよ 大好きだよ 嫌いになんてなれやしない
大好きだよ 大好きだよ 離れてみて 余計わかった
大好きだよ 大好きだよ 二人 時間を戻してやり直せたらな

2番Bメロ~サビ。自分の振る舞いに後悔した後にここで主人公が自分の気持ちを再確認します。気持ちは変わってないし「大好きだよ」の心の中での連呼、「好きだったよ」よりも直接的で強くなった想いが伝わります。嫌いになるというのは恐らく引き留めてくれなかったことについてなんでしょうが、それは流石に他力本願すぎるぞ主人公。
1番と違って2番では「アトノマツリ…」と歌っていないのが肝心でして、これこそが別れの後悔から打って変わってこの恋物語に決着をつけようと強く決心した主人公の気持ちの変化の表れだと思っています。


3番

2番の後がCメロ→Bメロ→ラスサビという構成で3回目のBメロがある曲、乃木坂ではなかなか珍しい気がするのであえて3番と呼びたいと思います。

近づく電車と 構内アナウンス
白線の内側 下がってください
乗るのか?乗らないか? 踏ん切りつかずに
ここで迷ったって 答えは出ない

Cメロ。戻ってきた後の主人公が相変わらず葛藤している様子が窺えます。山手線の中では素直になれるけどいざ駅で君を目の前にすると素直になれないですから。まぁそれが人間です(?)
次の電車待ってるふりをしてたので電車の接近で乗りそうな素振りも見せますが、環状線で渋谷~渋谷~どこか(どうせ渋谷)をやるのはあまりにも不審すぎるんですよ笑。

愛をまた一周 ホールドしても
君と僕の関係 ずっと“山手線”
Keep on going この感情
いつか What can I do?
I love you!

「愛をまた一周ホールド」というのは主人公が恋心を抱えたまま山手線をまた1周すること。それは良くて現状維持だし無意味な訳です。
"山手線"という表現は環状線で同じ場所をひたすら周り続ける路線であるため無限ループでそれ以上進展が無い2人の関係性。もしくは折り返し運転が無いのでずっと一定の距離を保ち続けて距離が縮まらない、交わらない2人を表しているのかなと思っています。
つまりこのまま主人公が葛藤して足踏みし続けていても良くて現状維持だし、君との距離は縮まらない。

大好きなことを再認識した2番サビでのもう一度やり直したいという強い意志、その感情のままで(keep on going この感情)今自分ができること(What can I do)、それが君に「愛してる(I love you.)」と伝えることなんですよ。

このnoteのタイトルにもしましたが、山手線に乗っている情景での「keep on going この感情(環状)」という歌詞は決心した主人公僕がこのまま降りずに環状線を進んでまた君と会おう、このままの気持ちで行こう、というダブルミーニングでも読めるのが良いんですよね。

その場凌ぎのようにまた山手線を1周しても状況は打開できないし、素直に気持ちを伝えない限り愛は終焉に近づくということをここまでで主人公も一応理解はしている訳です。

ぐるりと回って そのうち元に戻るのかな
愛の正解は そのうちわかる

好きだったよ 好きだったよ 今さら言えるわけないか…
好きだったよ 好きだったよ 後出しのじゃんけんみたいで…
好きだったよ 好きだったよ 馬鹿だな 言っときゃよかった
好きだったよ 好きだったよ 恋はカッコつけてもうまくいかないよね
アトノマツリ…

ここのBメロとラスサビでまた山手線の1周中に葛藤していた時の主人公の場面に戻ります。また戻ってしまうのは流れがちょっと良くないなといった感想です。しかも決心する前なので「そのうち」と流れに身を任せている主人公ですよ。

二人はこのまま
アトノマツリ…  何にも変わらず

二人はこのまま
多分 話しかけてもいいんじゃないかな

ラスト、Dメロと言うべきでしょうかね。
駅で君と再び相対する僕。話しかけるのを躊躇してそのまま2人の時間だけが過ぎていきます。
また何も変えられずに終わりを迎えるのかと思いきや、最後に救いが用意されているんですよね。最後の最後に気持ちが軽くなったのか、主人公は小さな一歩を踏み出そうとします。
そこで楽曲は終わっており、この物語の結末は我々各々の想像に委ねられることとなります。答えは康のみぞ知るというところです。ずるいですね。


余談

このnoteでは歌詞の「好きだったよ」を想いの打ち明けという意味で捉えています。他の情景描写を読んでも恐らくそれが妥当です。ただこれは余談ですがこの部分を過去形、つまり僕は君が好きだったけど今はそうじゃないと読むと、多少の齟齬は生まれますが他の歌詞の捉え方も変わってきて2人の関係性が限りなく破局に近い恋人のようにも読めるので面白いです。バッドエンドが好きな方はどうぞ笑。


恋模様の例えで”山手線”は同じ場所を周り続ける無限ループという進展の無い状態という悪い意味でも使われましたが、ポジティブに考えるなら山手線という環状線だからこそ主人公はホームに戻ってこられたと私は思っています。
普通の路線なら終点で降ろされますから、主人公は君と再会することなく恋は終わりです。ましてやあの主人公なので途中で強い意志を持って折り返すとは思えません。路線を周りながら彼に考える時間を与え、強い意志を持っていなくとも自然と渋谷駅に戻してやり直させたのは環状線だからできたことではないのかなと。山手線がMVPですこの歌詞(?)


いかがだったでしょうか。相変わらず乃木坂特有の意気地無し主人公ですが、私は主人公僕の感情と君との関係性を山手線での喩えが秀逸だなと感じました。予告テーマ通りに心情と情景の両方にしっかり山手線を掛け合わせていたのが良いですし、その中での喩えがちゃんと上手くて深いのがアトノマツリの歌詞の全体的な良さだと思っています。これができる康は今回本当に素晴らしいなと思いました。私が感じたこの表現の妙が皆さんにも伝われば幸いです。


メロディー・歌声

アトノマツリ、BPM88なんですよね。4期生楽曲では最速のジャンピングジョーカーフラッシュがBPM180なので半分以下のテンポです。テンポが速い楽曲揃いの4期生楽曲では珍しい部類なのですが、このしっとりと落ち着いた曲が4期生の楽曲性に幅をもたらしているのかなとも思います。

そして歌い手の声も良いんですよね。遠藤の儚げな歌声と賀喜の低めの歌声が曲の切なさに合っているし、より切なさを引き出しているように感じます。前にツイートもしましたがアトノマツリを照明暗めでじっくりしっとり俯きがちに歌われたらあまりにも情景と曲が良すぎて私倒れますよ笑。


4期生とアトノマツリ

山手線

言うまでもないと思いますが、4期生と山手線ってずっと縁があるんですよ。乃木坂どこへでは山手線の各駅を巡ってロケをしましたね。日テレの社屋は新橋ですし、4期生の違法お兄ちゃんことさらば青春の光の事務所は五反田にあります。他に浜松町、大塚も山手線停車駅です。鎌倉と熱海は路線違いますが運行会社は全部JR東日本なので同じようなもんです。(暴論オブザイヤー)
ほぼ4期生の代表曲とも言えるI see…MV終盤に後ろを煌びやかに通過しているのも山手線(or京浜東北線)で、わざわざ通過を待って撮影したのは有名な裏話ですね。
そして今回はしっかりと山手線をテーマにした楽曲にそれを基に山手線沿線の渋谷付近で撮ったMV。山手線さんお久しぶりです。渋谷はある意味乃木坂の文脈ですが、それより私は4期生と山手線の縁を感じずにはいられないですし、この上なく親近感を覚えています。乃木坂にとっての聖地が乃木坂や神宮なら、4期生の聖地は山手線(の停車駅の街)ですよ(?)
JR東日本さんそろそろタイアップどうでしょうか…?


4期生のシーンとアトノマツリ

4期生って自分達のリアルでのシーン、場面にしっかり合った歌を歌っているなと私は感じるんです。5年目の時に『大人たちには指示されない』を歌っていた3期生とは違ってちゃんとその時勢に合った曲を貰えている印象ですね。

加入したての2019年は初々しい曲調と歌詞の『キスの手裏剣』『図書室の君へ』や新人として決意を固めるアンセム『4番目の光』を。流行り病に見舞われてからは『I see…』『Out of the blue』で世の中を照らすようなポップで明るい楽曲を。活動を積み重ね、期として成熟が見えてきてからは落ち着いた曲調の『猫舌カモミールティー』を、時に同期の絆を再確認するような『ジャンピングジョーカーフラッシュ』といったように。
4期生はその場面ごとに必要な楽曲を歌っているんですよ。まぁ猫カモだけはちょっと早かったかもしれないですけどね笑。

今回のアトノマツリは猫カモと同じ系統でしょうか。こうした落ち着いた楽曲は寝かせておくというか年数を重ねるほど良さが出てくる一方、早く出すと説得力が無いですし遅すぎると人がいなくなるのでタイミングが難しいのですが、アトノマツリを”今”4期の5人が歌うのはとても意味があると私は思います。成人メンバーも増え、活動と経験を積み重ねて期としての円熟味が増してきた今だからこそです。
MV-4期と新4期の項でも書きましたが、途中加入などこれまで期として様々な出来事を経てきた4期生が素直な歌詞である「好きだったよ」「大好きだよ」と歌うのは、JJFのように4期生が4期生へ真摯に気持ちを伝えているようで、4期生の絆が感じられてとても心に沁みます。照れくさくて今更言えないけど心ではいつも思っていたかように。また、4期と新4期が活動を一緒に重ねてきたからこそ仲が深まって「大好きだよ」と言い合えるようになったようにも感じられます。
捉え方は聴き手次第だし、歌唱メンバーがどんな思いで歌っているかは分かりませんが、I see…やアオブルの歌詞にあるような素直になろうという文脈、これはアトノマツリも文脈を一にして全く違わぬところなのかなと私は考えています。
16人になってから時も経ち、より壁が無くなって仲を深めてきた今の4期生メンバーが同期に向けても素直な気持ちでこの曲を歌うこと、それはとても時勢に合っているし意味があることなのかなと思います。


今回の4期ラは残念ながら掛橋がいない15人ですが、こうした文脈や思いも踏まえ、アトノマツリがどんな形で、どんな思いを5人が抱いて披露されるのか本当に私は楽しみです。


長らく書いて参りましたが、改めてアトノマツリは本当にMVも歌詞もメロディーもとにかく素晴らしく、4期生の文脈にしっかりと沿った楽曲です。
このnoteを読んだ方に少しでもアトノマツリの良さが伝わっていれば幸いですね。
ここまでご清覧ありがとうございました。

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