見出し画像

アプリ甲子園2014 大会レポート

予選を勝ち抜いた10組のファイナリストがお台場に集結、「アプリ甲子園2014 」決勝戦が2014年9月28日に開催されました。

全国より805作品もの応募があった中から、見事決勝進出を果たした小学5年生から高校2年生までのファイナリスト11名が揃いました。

総合司会者は清水麻美子さん。緊張した面持ちのファイナリストたちが登壇し、お申込みフォームはこちら株式会社D2C代表取締役社長の宝珠山卓志より激励を受け、いよいよアプリ甲子園2014 決勝戦の開幕です。

画像1

審査は、10組のファイナリストが自ら開発したアプリをプレゼンテーションし、その後別室にて実機操作・プログラムソースコードの開示により行われます。
企画力審査300点、実装力審査300点、合計600点で競います。

企画力審査:独創性・デザイン・消費者支持度(プレゼンテーション審査)
実装力審査:操作性・技術点・完成度(実機、ソースコード審査)


審査員紹介
日本のアプリ界を牽引する審査員の方々が揃いました。※敬称略・順不同

画像2

杉山知之
デジタルハリウッド大学学長/工学博士

画像3

神尾隆昌
株式会社マインドパレット代表取締役

画像4

渡部薫
ジークラウド株式会社CEO兼Founder

画像5

中澤仁
慶應義塾大学環境情報学部 准教授博士

画像6

橋本善久
リブゼント・イノベーションズ株式会社代表取締役社長


企画力審査
最初は、プレゼンテーションによる企画力審査です。
大人をも圧倒してしまう、堂々としたプレゼンテーションが次々に披露されました。

01
品川女子学院高等部2年 梶原一葉
品川女子学院高等部2年 嶋本夏海

「PhotoGlass」思い出たっぷりの時間を、蘇らせてくれるアプリ

画像7

同じ学校に通う仲良しなふたり。楽しかったあの時間に戻りたい…そんなときにこのPhotoGlassの砂時計をひっくり返しiPhoneを振ると、思い出の写真を思い出の写真たちでモザイクアートにできるアプリを開発。1ピクセルごとに色を解析し、その平均値をとることでモザイクアートを実現しているそうです。最後に「どんなに大切でもいつかは過ぎてしまう時間を、日々大切に過ごして欲しい」と話してくれました。

画像8

画像9

アプリ説明
今の時間はもう戻ってこないから大切に、過ぎてしまった時間も思い出として大切にしたいという思いで作りました。
砂時計が絶えず流れ続ける時間を表し、どんどん減っていく時間と反比例して増えていく思い出の写真をモザイクアートという形にして過去をまとめて振り返ることができるアプリです。(梶原さん・嶋本さんの事前アプリ紹介文章より ※以下同様)


02
愛知県立半田高等学校 2年 羽柴彩月

「STUGUIN」勉強を楽しく手助けしてくれるアプリ

画像10

iPhoneは学生の仕事である勉強の邪魔をする、FacebookやLINEといったSNSの誘惑で溢れているため、「負のSNSスパイラルに取り込まれてしまう」と話す羽柴さん。今までの自分の勉強の成果を可視化する機能や、友達が勉強を始めたときに通知がきてやる気を促す機能等があり、勉強を様々な機能でサポートしてくれるそうです。「STUGUINは勉強の敵であるあなたのiPhoneを味方に変えます」と力強く締めくくってくれました。

画像11

画像12

アプリ説明
『STUGUIN』は勉強をサポートするアプリです!『STUDY』では勉強時間をはかることができます。タイマーには、勉強中にiPhoneを触ってしまうのを防ぐ工夫がしてあります。『GRAPH』では今まで自分が勉強してきた成果をグラフで見ることができます。『FRIENDS』では『STUGUIN』を使っている友達と交流することができます。データ管理には「Parse」を使っており、勉強時間の分析などをすることも可能です。


03                                                                                                                                          東京学芸大学附属高等学校 2年 古賀樹

「Cut the Paper」日本の良さを伝える切り絵アプリ

画像13

筆箱にあったはさみを見て、切り絵を完全再現するこのアプリを思い付いたと言う古賀くん。これは僕の姉なのですが、と着物姿のお姉さんの写真に、ハート型に切り抜かれた赤い和紙を重ねて保存するデモをすると、会場は温かい笑いで溢れました。「このアプリを通して日本の文化を発信し、将来的にはInstagramの様に世界中の人と作品をシェアできるようにしたいと思っている」とコメントしてくれました。

画像14

画像15

アプリ説明
「Cut the Paper」は「切り絵」をiPhoneアプリで完全再現したものです。実物の紙と違い折り目がつかないため複雑な切り方をしても綺麗に仕上がります。紙には多種類の和紙を用いることでユーザーの好みに対応し、また日本の文化が広まることも期待できます。アプリ内の文字も全て英語なので日本人のみならず世界中の人が使える仕様になっています。


04
慶應義塾高等学校 2年 小野雄紀

「待ち合わせ」友達との待ち合わせがスムーズに

画像16

福沢諭吉と大隈重信が待ち合わせをすると想定してデモを披露し、出だしから会場を湧かせる小野くん。友達と遊ぶときに中間地点を探していて、こういうアプリが欲しいなと思ったそうです。待ち合わせをするふたりの各最寄駅を入力し、その中間地点を時間もしくは料金から示してくれます。さらにその駅に通っている路線数から大きい駅かどうかの判断も可能。審査員の方々から、「ものすごい高いレベルの作り込みになっていて驚きました」と感心の声もあがりました。

画像17

画像18アプリ説明
友達と自分の家が離れていて、どの駅で遊べばいいだろう」と思った時にこのアプリを作ろうと思いました。
2つの駅を入力すると、その中間駅が検索されます。他にも最寄り駅を検索できる機能と、駅の情報(周辺スポットなど)を閲覧できる機能を盛り込みました。
説明書を読まなくても直感的に使用できるApple製品のようにアプリを作ることを目標としました。
始めのメニューではアイコンだけですが、長押しすると機能名と機能の内容が表示されます。スライドで一つ前に戻れたり、駅名をタップすると詳細が表示されます。
検索では漢字、ひらがな、アルファベットで検索しても候補が出るようにしています。お気に入り機能も付与しました。 結果画面の時間や料金をタップすれば、ルートの詳細が表示され、共有ボタンで、表示中の画面のスクリーンショットと共にラインやメールで共有できます。
できるだけ画面遷移を感じさせないように、全てに繋がりのあるようなアニメーションを心がけました。アプリができるだけ落ちないように例外処理などにも力をいれました。


05
学習院高等科 2年 松島曜一郎

「MelodicWords」言葉が音になる新感覚アプリ

画像19

趣味でDJをやっている松島くん。DJをしていて一から音を奏でたいと思ったこと、メモ帳を使って言葉遊びをしていたこと、このふたつの想いから開発に至ったそうです。言葉の感情に合わせて音のトーンを変化させたり、音量・テンポ・エコー等の調整ができます。最後にこのアプリを使った自作の曲を披露し、今後は他の言語にも対応させて世界中の人に使ってもらいたいと話してくれました。

画像20

画像21アプリ説明
● 画面内にある雲をダブルタップして1~16文字の好きな文字を入力し、再生ボタンを押してみましょう。その文字から心地よい音色が聞こえてくるでしょう。
● 画面長押しで雲を追加できます。
● ひらがな、カタカナ、アルファベットなど色々試してみましょう。
● 左下のボタンを押して数値を動かしたり、FXボタンを押して再生中に画面をなでたりして、様々なアレンジができます。
● 録音ボタンを押して奏でているメロディを録音し、できたものをSoundcloudにアップロードして共有しましょう。
※漢字、記号には対応しておりません。


06
日本女子大学附属高等学校 1年 山本文子

「OCTAGON」丸を仕分けるしゅっティングゲーム

画像22

山本さんの好きなことは、デザインとくだらないこと。OCTAGONは「くだらない、だけど、最高に楽しい」をコンセプトに、何度も開いてしまいたくなるゲームをつくりたいという気持ちから開発したそうです。登場するキャラクターは全て浮世絵で、使用する色一つ一つにも意味が込められています。審査員の中には「弊社でも流行って、弊社女性社員が260しゅを叩き出した」という声もありました。

画像23

画像24アプリ説明
誰でも簡単にできる、新感覚 “しゅっ ティングゲーム!
【遊び方】
タップしてはじめます。
中央にある4つの丸を、同じ色の四隅に仕分けるだけ!
【ルール】
時間内に丸をスワイプしなければゲームオーバー。
時間内ならなんど間違えてもOK!


07
平塚学園高等学校 2年 古田克海

「CrossOffice」新感覚プレゼンテーションアプリ

画像25

簡単にスライドを作成でき、さらに聴衆がプレゼンテーションに参加できるアプリを開発。突然iPhoneを持って会場を走り審査員の方々に渡すと、コメント欄に入力するよう指示。ステージ脇のモニターに表示されたスライドに入力した言葉が流れ、会場から歓声があがりました。もっとみんなで盛り上がってプレゼンテーションができれば、面白いものがうまれるのではないかと思ったと話してくれました。

画像26

画像27アプリ説明
パソコンと接続してプレゼンテーションを進行できるソフトです。


08
聖光学院中学校 3年 増田大祐

「Guess What?!」通信対戦可能な数字を当てるゲーム

画像28

「数字を推測して当てるのは、すごく面白いんです」と話す増田くん。数を追求する楽しさやスピード感を、小さい子から大人までが楽しめるようにしたそうです。さらに通信対戦できるため、複数人で使用することもできます。最後に「数字は世界共通の言語。世界中の人に数字を推測する楽しさを知ってもらいたい」と力強くコメントしてくれました。

画像29

画像30アプリ説明
このアプリ「Guess What?!」は、相手の数字を推測し、返ってくる情報を元に、相手の数字を当てる、斬新なゲームです。
遊び方に関しては、アプリ内に書かれているのでそちらを参考にして頂けるとありがたいです。
「Guess What?!.xcworkspace」が僕のプロジェクトです
一番実装に自信があるのは、通信対戦です。これは、iOS7から導入されたMultipeer Connectivity という新技術を使って通信機能を実装しました。
つまり、BluetoothとWi-Fi経由の通信ができるので、どこでも遊ぶことができます。
また、ほかにもユーザーの入力したデータを保存して、ランキングとして表示させたり、ゲームの答えとユーザーが入力したデータを照らし合わせた時の処理なども完璧に実装しました。難しい内容に挑戦して作りました。
ボタンなどスタイルを一貫させて、洗練されたデザインにしました。
UIのサイズや位置も自分で何回も操作して、試行錯誤しました。


09
函館市立北美原小学校 5年 加藤周

「塗り絵ツイッター」お父さんやお母さんが、子供の気持ちを知ることができる塗り絵アプリ

画像31

北海道から参戦してくれた、唯一の小学生ファイナリストの加藤くん。仕事でなかなか親子が会えない、そんな家庭が日本にはたくさんあると言います。子供が塗り絵をした作品をLINEやTwitterで送ることできるアプリを開発。「すでにその辺の大学生以上のプログラミング能力がある」と審査員も感心の様子。ユーモア溢れる加藤くんのプレゼンに、会場ではかわいい!の声や笑いで溢れていました。

画像32

画像33アプリ説明
このアプリは、小さい子向けのアプリなので会社にいるお父さんが子供がどのような様子かを見ることができるようにTwitterに子供が塗ったイラストを投稿できます。
イラストは6種類から、表情は7種類から選ぶことができます。
表情は、子供の今の気持ちに合わせて7種類から選ぶことができます。


10
近畿大学泉州高等学校 2年 佐久間鴻

「ChoCamera」自由に周りの色を変えてしまう新感覚アプリ

画像34

写真や動画をリアルタイムに色を変えて撮影することができるアプリを開発。デモでは、オレンジのiPhoneケースを緑に、コーラの赤いラベルを青に変えて、会場を驚かせてくれました。審査員の方々からは「撮影後にフィルターをかけるものは多く存在するが、撮影前にフィルターを設定できるのは非常によい」と大絶賛でした。

画像35

画像36アプリ説明
このアプリは色を自由自在に入れ替えることを可能にしたカメラアプリです。
赤、青、緑、黄、橙、紫、空色を入れ替えて写真や動画を撮る事ができます。
例えば、赤りんごを青りんご、緑りんご、黄りんごにだってすることができます。
入れ替えられた色以外はモノクロとなり、何気ない風景も1つの芸術作品となります。



画像37

全てのプレゼンテーションが終わり、出場者同士、駆けつけた友人や家族と会話を交わす人もいます。ここでは、プログラミングを学ぶ全国各地の同世代の仲間との貴重な出会いもあります。
審査員の方々は別室で、中身のコードやユーザーインターフェイスについて検討します。その点数が、実装力審査の点数となります。どの作品もレベルが高く、審査が難航しています。一方、体験会会場の方では、一般の見学者によるアプリ体験タイムです。各チームがブースに分かれ、自分の開発したアプリを紹介します。テレビやWeb サイトの取材なども受けながら、お客さんにアプリを楽しんでもらいました。


結果発表

画像38

実装力審査も終わり、待ちに待った結果発表です。ファイナリストたちは、緊張しながらも楽しみな様子。審査員の神尾隆昌さんに、それぞれのアプリの技術面にコメントを頂き、いよいよ入賞者の発表です。


第 5 位

羽柴彩月さん
「STUGUIN」

画像39

第5位、エントリーNo.2羽柴彩月さんの「STUGUIN」!
「今までお世話になった方々に感謝したいと思います」と話す羽柴さん。偶然にも羽柴さんと同じ半田高校出身であった審査員の橋本さんからは「インターフェースがフラットデザインで触りやすく、クラウドサイドもきちんとやっていて、使う側もよく考えられていた。」という講評がなされました。


第 4 位

小野雄紀さん
「待ち合わせ」

画像40

第4位。エントリーNo.4小野雄紀くんの「待ち合わせ」です!
審査員の中澤先生からは「高校に行っているのか心配になるレベルだった。ぜひこれからも頑張って欲しい。」という講評をもらいました。小野くんは「アプリ開発を始めてまだ1年弱。まさか賞がとれると思っていなかったので嬉しい」と話してくれました。


第 3 位

松島曜一郎さん
「Melodic Words」

画像41

第3位は、エントリーNo.5松島曜一郎くん「Melodic Words」です!
「賞をとれたのは嬉しいけれど、優勝を狙っていたのでやはり悔しい」と松島くん。「キーワードと人の感情を音楽で表しているところが非常にユニーク。やり取りの中でDJプレイできるという点が、発展性があってよい」と審査員の渡部さんから講評をもらいました。


第 2 位

古田克海さん
「Cross Office」

画像42

いよいよ第2位です。エントリーNo.7古田克海くんの「Cross Office」が選ばれました!
「発想はもちろん、サーバーサイドの技術だったり、大勢の人がアクションを起こせるところがよかった」と審査員から評価されました。準優勝の古田くんには、副賞として最新のタブレットが贈られます。「このアプリをiPadに対応させたいと思います」と話してくれました。


第 1 位

山本文子さん
「OCTAGON」

画像43

そして、ついに第1位の発表です。
第1位は……エントリーNo.6山本文子さんの「OCTAGON」でした!山本さんには、賞状、トロフィー、副賞としてiMacが贈られます。「夢なんじゃ無いかという気持ちです。いろんな人に感謝したい」と受賞の喜びを語っていました。「実際にはある、やり続けてしまう、これが何よりこのアプリの良さ。デザインを感性でやらず、きちんと勉強している上、コードを見ても細かいところによく気を遣っている点も評価できる。この感覚を活かしてこの道で頑張っていって欲しい」と審査員の杉山先生より講評を頂きました。


画像44

最後は杉山先生から締めのあいさつがあり、みんなで記念写真を撮りました。

これにて、アプリ甲子園2014は閉幕です。
来年も、更なる中学生・高校生プログラマの挑戦を、心よりお待ちしています!
(アプリ甲子園2014 決勝戦レポート終わり)

アプリ甲子園決勝進出者ファイナリストインタビュー

「Cut the Paper」
古賀樹さん

東京学芸大学附属高等学校 2年


「ChoCamera」
佐久間鴻さん

近畿大学泉州高等学校 2年


「塗り絵ツイッター」
加藤周さん

函館市立北美原小学校 5年


「STUGUIN」
羽柴彩月さん

愛知県立半田高等学校 2年


「CrossOffice」
古田克海さん

平塚学園高等学校 2年


「MelodicWords」
松島曜一郎さん

学習院高等科 2年


「待ち合わせ」
小野雄紀さん

慶應義塾高等学校 2年


「PhotoGlass」
梶原一葉さん・嶋本夏海さん

品川女子学院高等部 2年


「OCTAGON ?丸を仕分けるしゅっティングゲーム オクタゴン?」
山本文子さん

日本女子大学附属高等学校 1年


「Guess What?!」
増田大祐さん

聖光学院中学校 3年




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?