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アプリ甲子園2016 大会レポート

予選を勝ち抜いた10組のファイナリストが会場に集結、「アプリ甲子園2016」決勝戦が2016年10月23日に開催されました。
昨年同様に多くの応募作品の中から、1次書類審査、2次プレゼンテーション審査会を勝ち抜いて、見事決勝進出を果たしたファイナリスト11名10組が揃いました。今年は国内だけでなく、海外からも作品の応募がありました。

総合司会者は清水麻美子さん、そしてアメリカザリガニの平井善之さん。緊張した面持ちのファイナリストたちが登壇し、株式会社D2C代表取締役社長の宝珠山卓志より激励を受け、いよいよアプリ甲子園2016 決勝戦の開幕です。

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審査は、10組のファイナリストが自ら開発したプレゼンテーションする企画力審査。その後別室にて実機操作・プログラムソースコードを確認する実装力審査により行われます。
企画力審査300点、実装力審査300点、合計600点で競います。

企画力審査:独創性・デザイン・消費者支持度(プレゼンテーション審査)
実装力審査:操作性・技術点・完成度(実機、ソースコード審査)


審査員紹介

日本のアプリ界を牽引する審査員の方々が揃いました。

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杉山知之 氏
デジタルハリウッド大学  学長/工学博士

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石戸奈々子 氏
NPO法人CANVAS理事長/株式会社デジタルえほん代表取締役/
慶應義塾大学准教授

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谷本有香 氏
フォーブス ジャパン副編集長 兼 WEB編集長
代表取締役兼編集長

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田村哲也 氏
チームラボ取締役

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中澤仁 氏
慶應義塾大学環境情報学部准教授、博士(政策・メディア)

企画力審査

最初は、プレゼンテーションによる企画力審査です。
大人をも圧倒してしまう、堂々としたプレゼンテーションが次々に披露されました。
※掲載は決勝大会の発表順

01 品川女子学院高等部 西林 咲音 / Memorie

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写真と音楽を選んで設定するだけで、誰でも簡単にスライドショーを作ることのできるアプリを開発した西林さん。「写真や動画が大好きだけど、面倒なことはしたくない」そんな現代の女の子に使ってみてほしいとのこと。かわいらしいデザインにもこだわって自分でつくっているそうです!

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アプリ説明
カメラロールから写真を選んで無料の音楽と一緒にスライドショーに書き出すことができるアプリです。 このアプリの1番の特徴は画像を50枚選択できる機能です。appstoreのスライドショー作成アプリの中で最も選択枚数が多くなっています。機能をシンプルにしたので、ユーザーが自分なりにいろいろなアレンジを加えることが可能です。中高大生の女子をターゲットにしてデザインを見やすくなおかつ可愛くなるように意識しました。


02 慶應義塾女子高等学校 木村 皓子 / VR絵本メーカー

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木村さんは、自分の思い描く世界をVRで表現し、そして体験できるアプリを開発してくれました!ハコスコを使ったデモンストレーションでは会場が盛り上がりを見せました。「使い方はあなた次第、あなたが体験したい世界を作ろう」と発表を締めくくってくれました。

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アプリ説明
物語の世界に入ることができる!大好きなあの人とデートができる!憧れのアーティストのライブにも行けちゃう!誰でも簡単にスマホで観れるVR絵本をつくれます。ユーザーは背景となる360度画像を選択し、キャラクターや吹き出し、さらに効果音、遷移エフェクトを選択してVR絵本にします。


03 福岡県立筑紫丘高等学校 生津 圭太 中村 燎平 / BOXES

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「BOXES」はChunkという生き物に話しかけることによって、感情が目に見えるようになるアプリです。SNSでのコミュニケーションではなかなか伝わらないことがあると、このアプリを開発した生津さんと中村さん。共同開発のためしばしば意見の食い違うこともあったそうですが、Chunkのおかげで円満に開発できたそうです。「新しい言葉の使い方を提案します」と力強く語ってくれました。

アプリ説明
Chunk(チャンク)という不思議な生き物を、言葉によって育てるアプリです。Chunkは言葉を理解できます。Chunkは単語の持つ感情の起伏を敏感に捉え、体の色でそれを表現します。あなたの言葉を覚えて勝手に喋り出すなんてことも。言葉の魅力に触れるアプリ、それが「BOXES」です。

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04 立教新座高等学校 西村 太雅 / Which is the Floor?

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シンプルさを大切にしたゲームを作りたかったとこのゲームを紹介してくれた西村さん。無限に生成される障害物を飛び越えていくというシンプルさの中に、ステージの進行方向が変わったり回転したりというプレイヤーを飽きさせない仕掛けが満載です。「プレイしないとわからない面白さを実際にプレイしてもらって知っていただきたい」と語ってくれました。

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アプリ説明
シンプルな2D横スクロールゲームです。 ジャンプしたり、時には重力を反転させたりして障害物をよけ、先に進んでいきます。 本ゲームの名前の通り、上と下どちらが床だか分からなくなります。 ゴールはありません。時間の経過とともに加算されていくスコアを競うゲームです。 独自に開発したステージ自動生成システムにより、ステージをランダムに程よい難易度で無限に生成します。 あるときには進行方向が逆転し、あるときはステージが回転し始めるなど、さまざまなことが次々と起こり、飽きさせません。 お邪魔アイテムが存在し、取ると前方が見えなくなります。 TwitterとLINEのシェア機能を実装時ています。


05 青山学院高等部 森本 くるみ / 言い訳メーカー

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遅刻などをしてしまった時に面白い言い訳を考えてくれるアプリを開発。ターゲットを女子高生に絞った、JKファーストを掲げて開発したそうです。どうしても遅刻やドタキャンをしてしまう時にユーモアのある言い訳をこのアプリが生成してくれます。森本さんのユーモアあふれるプレゼンに、会場からは笑いが生まれていました。

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アプリ説明
いちいち、ドタキャンや遅刻の言い訳を考えるのがめんどくさい!そんなあなたに、おすすめのアプリです。 ドタキャン、遅刻の言い訳を10種類の中から選び、ワンタッチで使用することができます。また、どの言い訳を何回使用したのか、一目でわかります。これで、ドタキャン、遅刻の心配もいりません!


06 千葉市立稲毛高等学校 鍋島 由輝 / LightsOut

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パズルや謎解きが好きな鍋島さんが開発したのは、パズルアプリ。友人の意見などを参考に改良も重ねてきたそうです。子どもから大人まで、そして国を超えて遊んでもらえるようなシンプルなゲームを作りたかったとのこと。まだまだ改良していけますと意気込みを語ってくれました。審査員からは「何度もやってしまうようなアプリ」との評価を得ていました。

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アプリ説明
LightOutはパネルを一箇所叩くと触ったパネルと上下左右の色が反転し、全て水色のパネルからピンク色にするとクリアになります。場合によってはかなりパズルの難易度が高く、やりごたえがあり、また配色やレイアウトの配置をシンプルにすることによってユーザーが見やすくプレイしやすいデザインにしました。


07 渋谷教育学園幕張高等学校 荒巻 美南海 / にっきかんさつ。

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日記をつけるのが苦手でなかなか続かなかった荒巻さん。ペットを育てるように日記をつけるのが楽しみになるアプリを開発してくれました。日記をあげることによってどんどんキャラクターが成長、内容によってキャラクターが変わっていく楽しみもあります。三日坊主の荒巻さんも1ヶ月以上も日記が続きているそうです。会場全体を巻き込んだプレゼンテーションでプレゼン力も見せつけてくれました。

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アプリ説明
「観察日記」ならぬ「日記観察」ができるアプリです。日記を食べる不思議な生き物に日々自分の思った事・感じた事を「一言日記」という形で与えていきます。食べた日記にこもった感情に合わせて育っていくのを見て楽しむ事もできます。寂しがりなので撫でたりして構ってあげましょう。


08 開成高等高校 大渕 雄生 / Find Family

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介護の負担を減らしたい。認知症の曽祖父を持つ大渕くんは認知症の方をサポートするIoTアプリを開発しました。靴に埋め込んだ機器によって、靴を履いたユーザーがどこにいるのかわかるようになっています。靴を履くことは違和感なく、自然な動きだという点に気づき、靴にGPSを埋め込むという発想に至ったそうです。会場も驚きの声が上がっていました。

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アプリ説明
FindFamilyは認知症の方をターゲットとした介護サポートIoTツールです。 靴には、GPSで位置情報を調べる仕組みが入っています。 アプリのマップ上では位置情報を表示します。 また靴を履いているか、最後に靴を履いたのはいつかが確認できます。 徘徊した場合、周囲の人から見つかりやすいように、アプリから靴を光らせることが出来ます。 介護者の負担が少しでも減ればと思います。


09 N高等学校 矢鋪 明司 / DotResonance

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音楽ゲームが大好きな矢鋪さんは、このジャンルのゲームをもっと広めたいと思って開発に臨んだそうです。画面全体に現れるオブジェクトをリズムに合わせてタップしていきます。個体差のあるAndroid端末でも気持ち良くプレイしてもらえるようにゲームを調整できる機能も付いています。ゲームの良さを伝えたい。そんな想いの伝わるプレゼンテーションでした。

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アプリ説明
DotResonanceはAndEngineを使用して制作したオリジナルの音楽ゲームです。 流れる曲に合わせて四角と四角が重なったらタップするだけの簡単操作ですが、個性豊かな譜面によってリズムにノる楽しさが引き出された作品になったと感じています。 シンプルだけどお洒落なビジュアルもポイントです。


10 青山学院高等部 大屋 彩乃 / Photton

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写真を撮るのが大好きだけれど、整理するのが苦手。そんな人のためのアプリを開発した大屋さん。写真を左右にスワイプすることによって誰でも簡単に写真を整理することができます。審査員の方からも「ぜひ使いたい」「すぐダウンロードします」などと、リリースを待ち望む声が多くありました。すべてのiPhoneユーザーにという言葉の通り、会場からも多くの共感を得ていました。

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アプリ説明
iPhoneで写真を消す時、大量の写真を一枚ずつ消すのは大変だし、かといって一気に消すと選択式なので同じような写真はどれがいいのかよく見えないという問題があります。このアプリは画面いっぱいに写真が表示され、左右にスワイプすることで写真を簡単に整理できます。シンプルながら今までなかった画期的なアプリです。


プレゼンの総括

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ファイナリストの皆さんは思い思いに自分たちのアプリについて語ってくれていました。特に今年はVRやIoTなどといった最新の技術に挑戦している方もいて大会全体のレベルの高さがうかがえました! 堂々としたプレゼンテーションに会場や審査員からは関心の声があがっていました。


結果発表

実装力審査も終わり、待ちに待った結果発表です。ファイナリストたちは、緊張しながらも楽しみな様子。今年から7つの企業賞が追加されました。優勝は誰の手に渡るのでしょうか。

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技術賞 / 木村 皓子さん「VR絵本メーカー」
技術賞は、木村皓子さんの「VR絵本メーカー」!
VRという新しい分野に高校生がチャレンジして、作りこまれているという点が評価されました。
「ありがとう、みんな」と開発に協力してくれた友人たちへの感謝の気持ちにあふれるコメントをしてくれました。

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セガゲームス賞 / 木村 皓子さん 「VR絵本メーカー」
セガゲームス賞は、木村皓子さんの「VR絵本メーカー」!
副賞にセガグループ関連商品と会社訪問の権利を獲得しました!
「いろんな可能性ある取り組みだと思う。ぜひうちのクリエイターと意見交換してほしい。友達と組んでいるというのも新しい。」との講評を頂きました。

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電通アイソバー賞 / 森本 くるみさん 「言い訳メーカー」
電通アイソバー賞は、森本くるみさんの「言い訳メーカー」!
副賞に1日職場体験とアプリのプロモーション映像を制作してもらえる権利を獲得しました!
「「ネガティブになりがちなコミュニケーションをポジティブにという点が良い。」との講評を頂きました。

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パワーハウス賞 / 大屋 彩乃さん 「Photton」
パワーハウス賞は、大屋彩乃さんの「Photton」!
クリスタルトロフィーと選べるWEBマネー3万円分、そして若手エンジニアとの交流会への参加の権利を獲得しました!
「めんどくさいことをシンプルにやろうという目の付け所が良かった」との講評を頂きました。

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そして、いよいよ入賞者の発表です。

第3位 矢鋪 明司さん 「DotResonance」

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「国や年齢を選ばずたくさんの人に遊んでもらえるアプリ」との講評を頂きました。
矢鋪さんは「信じられない気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。」と喜びを語ってくれました。


第2位 西村 太雅さん 「Which is the Floor?」

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審査が終わってもずっとやり続けてしまうくらい人を夢中にさせるゲームでした。ぜひ次は世界に羽ばたくゲームを作ってほしい」との講評を頂きました。!
「賞をいただけて、信じられないです。まだ受け入れられませんね。」と西村くんは嬉しさをにじませていました。

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第1位 大渕 雄生さん 「Find Family」

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「総合的な技術力に長けているだけでなく、実際の使われ方に非常に配慮した、超高齢社会の日本にとって最高のアプリ」との講評を頂きました。
大渕くんは「去年3位で嬉しくも悔しくもあった。その悔しさをバネにここまでがんばれました!」と話してくれました。

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最後は杉山先生から締めのあいさつがあり、みんなで記念写真を撮りました。
これにて、アプリ甲子園2016は閉幕です。
来年も、更なる中学生・高校生の挑戦を、心よりお待ちしています!


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