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アプリ甲子園2015 大会レポート

予選を勝ち抜いた10組のファイナリストが会場に集結、「アプリ甲子園2015 」決勝戦が2015年10月25日に開催されました。

全国より1334作品もの応募があった中から、1次書類審査、2次プレゼンテーション審査会を勝ち抜いて、見事決勝進出を果たした小学6年生から高校3年生までのファイナリスト11名が揃いました。

総合司会者は喜屋武ちあきさん。緊張した面持ちのファイナリストたちが登壇し、お申込みフォームはこちら株式会社D2C代表取締役社長の宝珠山卓志より激励を受け、いよいよアプリ甲子園2015 決勝戦の開幕です。

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審査は、10組のファイナリストが自ら開発したアプリをプレゼンテーションし、その後別室にて実機操作・プログラムソースコードの開示により行われます。
企画力審査300点、実装力審査300点、合計600点で競います。

企画力審査:独創性・デザイン・消費者支持度(プレゼンテーション審査)
実装力審査:操作性・技術点・完成度(実機、ソースコード審査)


審査員紹介
日本のアプリ界を牽引する審査員の方々が揃いました。※敬称略・順不同

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杉山知之
デジタルハリウッド大学学長/工学博士

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神尾隆昌
株式会社マインドパレット代表取締役

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中澤仁
慶應義塾大学環境情報学部 准教授博士

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廣井那佳子
テリヤキ株式会社代表取締役兼編集長

画像6伊藤聡子
番組キャスター


企画力審査
最初は、プレゼンテーションによる企画力審査です。
大人をも圧倒してしまう、堂々としたプレゼンテーションが次々に披露されました。


01

武蔵高等学校1年 太田 一毅
「BrickWars」新感覚陣取りゲームアプリケーション

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友達と紙でやっていたゲームをアプリ化したという太田くん。8×8のボード上に駒を置いていき、駒を置くとその周囲8マスが自分の陣地となります。陣地同士の重なり合いをうまく自分の陣地にするところが難しく、「シンプルでも奥深いゲーム」と話してくれました。通信対戦やCPUも搭載し審査員の方からも「コンピュータになかなか勝てない」とCPUのクオリティの高さが伺えました。

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画像9アプリ説明
ボードゲームのアプリケーションです。
青と赤の二人のプレイヤーが陣地を取り合うゲームです。
詳しいルールはアプリ内の?ボタンからご覧ください。
プレイヤー同士の対戦に加え、二つのレベルのコンピュータとの対戦モードも備えています。
このアプリケーションは2015.07.22にAppstoreにリリースしています。


02

米子工業専門学校3年 清水 大輝
「Streeem」
全く新しい情報検索システム

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キーワードを選択するとさまざまなメディアで検索することができるキュレーションアプリを開発。「すでにあるキュレーションアプリとは違う少し変わったアプリを作りたい」と考え、キーワードから情報を得ていくことを思いついたそうです。端末を振るとキーワードをシャッフルすることもでき、「知らない言葉との出会いも楽しめるアプリ」に審査員の方も感心した様子でした。

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画像12アプリ説明
Streeemは全く新しい情報の取得方法を実現します。Streeemを使えばキーワードから様々なメディアの情報を得ることができます。
Twitter、YouTubeなどの情報だけでなく、そのキーワードがどのメディアで話題になっているかも簡単にわかります。後で読む、検索、お気に入り、履歴、関連ワード検索などの機能もあり、実用性も高くなっています。
Apple Watchアプリ、ウィジェットといった最新技術も実装されています。


03

早稲田大学高等学院2年 中山 晶平
「PutOn」
いつでも快適に!メモ帳アプリ

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YouTubeやTEDを見ていてメモしたいときに動画を止めメモ帳アプリを開いてメモをし、忘れたらまた動画に戻るというアプリを行き来する不便さを感じ作ったというこのアプリ。PutOnは動画などの他のアプリを開きながらもアプリを切り替えることなくメモを取ることができ審査員の方からも「このアプリを待っていた、ぜひ使いたい」と大絶賛でした。

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画像15アプリ説明
PutOnはブラウジング中やSNSのやり取りの最中など、どんな状況においても快適にメモを取ることが出来るアプリです。
メモ作成ウインドウは他のアプリケーションが動作している時でも表示することが出来るため、いつでもユーザの好きなタイミングでメモを取ることが可能となります。


04

St. Mary’s International School12年 勝又 健登
St. Mary’s International School12年 田畑 凛空
「Stylist」
次世代のファッションアプリ

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クローゼットにある服を出して合わせるのは手間がかかりそれをアプリでできたらいいのではないか、という発想を元にStylistを開発したそうです。ファッションのトレンドを教えてくれたり、投稿されたコーデやお店のお勧めのコーデを疑似試着できたり、iBeaconやディープラーニングなどの最新技術も取り入れられ、まさに次世代のファッションアプリ。実際に擬似試着のデモを流すと、その使いやすさと完成度の高さで会場が沸きました。

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画像18アプリ説明
次世代のファッションアプリ。
トレンドが分かり易く表示されるだけでなく、自分の洋服も管理でき、他のユーザーが投稿したコーデをスワイプにて気軽に擬似試着することができます。
iBeaconも搭載していて、実際に店に行った時もクーポン配信だけでなく、店がおすすめの服をアプリ上でサジェスト、ユーザーがその服をアプリで試着することができます。


05

神戸女子学院中学部2年 西口 舞花
「お願いあと5分!」
究極の目覚ましアプリケーション

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寝坊はしたくないが二度寝もしたい。そんな願いを叶えるためにアラームが鳴っても「あと?分」というだけで自動でセットしてくれるアプリを開発した西口さん。音声認識を搭載し、スマホに一切触れずにセットできるようにこだわったそうです。起こすための工夫も充実しており、銃声などの究極の目覚まし音や足し算に連続で正解しないとアラームが止まらないなど奇抜なアイデアで会場も盛り上がりました。

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画像21アプリ説明
音を選んだら、アラーム時刻を設定し、ボタンを押して通知セット。設定した時間になると、アラーム音が鳴ると同時に、音声認識が起動します。
その時「あと~分」と言うと、タイマーがその時間分セットされます。
スマホをいじらずに寝たままで二度寝でき、しかも、起こす時刻をスマホが読み上げてくれるので、うっかり寝過ごす心配もありません!
また、アラームが鳴ってから、足し算を15問連続正解しないとアラームが止まらず、目が絶対に覚めるという設定もあります。


06

渋谷教育学園幕張高等学校1年 荒巻 美海南
「妄想チャット。」
普段話せない人と話せるチャットアプリ

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あの有名人やあのアニメのキャラクターと話したい!けど話せない。そこでチャットボットを使ってあらかじめ言葉を登録しておくことで擬似的にチャットができるアプリを開発したそうです。言葉を登録すればするほど楽しさも増し、「キャラを育て上げられるのも魅力の一つです」と話してくれました。言葉を登録したチャットボットはコードを用いてシェアすることもでき、アニメ好きな司会の喜屋武さんも大興奮でした。

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画像24アプリ説明
メッセージアプリ風のBot作成アプリです。
キーワードとそれに対応する返答を登録することで、自分が登録した友だちと擬似的な会話を楽しめます。時間を指定することで相手に自動的にメッセージを送らせることもできます。
普段、話したいけれど話せない人(有名人、創作物など)と自由に話せるのがポイントです。


07

さいたま市立桜木中学校2年 太田 史帆
「mago-note」
こだわりにこだわり抜いたノートアプリ

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紙のノートでまとめるのは字を書くことや画像を貼るのが大変…でもそれをアプリでやれば全部解決するのではという発想で開発したという太田さん。好きなところから文字を書くことができたり画像や手描きの図を貼り付けたり、ページ間・ページ内でリンクをつけることもできるというかなり完成度の高いアプリ。「面倒なノートまとめが少し楽しくなるアプリ」と締めくくってくれました。

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画像27アプリ説明
mago-noteは、ノートを作成するためのアプリです。
・テキスト入力
・画像の貼り付け
・テキスト、画像の拡大縮小(ノート間、ページ間での移動も可能)
・付箋(5枚まで)
・他のノート、ページへのリンク
・共有機能(AirDrop)
・ページの画像の書き出し
・ノートの色変更
・罫線にスナップ
面倒なノート作りが少し楽しくなります。


08

開成高等学校1年 大渕 雄生
「DANMAKER」
自分で作れる弾幕シューティングゲーム

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以前から弾幕シューティングゲームが好きだったという大渕くんが作ったアプリはユーザーがステージをカスタマイズすることができるシューティングゲームアプリ。3回の試行錯誤を経て完成したという電子回路の世界に迷い込んだようなデザインは会場を魅了していました。完成度も非常に高く、「面白いのは自分で作ること!」と力強くコメントしてくれました。

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画像30アプリ説明
DANMAKERは弾幕シューティングの弾幕の種類や速度をユーザーが自由にカスタマイズして、自分好みのゲームにすることがてきるアプリです。
特徴は、電子回路の中に入り込んだような独特の世界観です。
特に苦労したのは、それぞれの弾幕の弾道や速度が実際のゲーム画面でどのように動くのか調整した点です。


09

成蹊小学校6年 中馬 慎之祐
「allergy」
世界中の食物アレルギーの人のためのアプリ

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今回の大会唯一の小学生ファイナリストの中馬くん。食物アレルギーをもつ中馬くんは、去年海外旅行で食事をするときにお店の料理にアレルギー物質が含まれているかいないかがわからずに困った経験からallergyを思いついたそうです。「世界に5億人いると言われている食物アレルギーの人を救いたい」と、小学生とは思えない堂々としたプレゼンをしてくれました。

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画像33アプリ説明
世界中の食物アレルギーの人の為のアプリです。外食時自分のアレルゲンが含まれているかどうか尋ねる文章を多言語対応しているため、言葉が通じなくても使えます。
さらに視覚的にも確認可能なので安心です。食物アレルギーの知識がない人に具体的に注意すべき食材などを知らせる機能もついています。


10

福岡県立筑紫丘高等学校2年 藤井 達哉
「KAKUREMI」
“色”がテーマの新感覚ゲーム

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滑らかに変化する空の色に忍者の色を合わせていく色相環を使った新感覚のゲームアプリを開発。灰色を基調としたドット絵のデザインは「忍者は隠れ身の術を使って隠れなければならない」という世界観に引き込まれる完成度の高さでした。審査員の方からも「色が背景と一致すると見えなくなるところから隠れ身の術を思いついたのは素晴らしい」と感心の声も上がりました。

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画像36アプリ説明
色をテーマにした新しいタイプのゲームです。
舞台は江戸時代、忍者は隠れ身の術を使って敵から身を隠さなくてはなりません。しかし、この世界の空は様々に色を変え、忍者の隠れ身の術を邪魔してきます。そこで、忍者の色を空の色に合わせて敵に見つからないようにする、それがKAKUREMIというゲームです。


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すべてのプレゼンテーションが終わり、出場者同士や友人、家族と会話を交わす人もいます。ここには、プログラミングを学ぶ全国各地の同世代の仲間との貴重な出会いもあります。
審査員の方々は別室で、中身のコードやユーザーインターフェイスについて検討します。その点数が、実装力審査の点数となります。どの作品もレベルが高く、審査が難航しています。一方、体験会会場の方では、一般の見学者によるアプリ体験タイムです。各チームがブースに分かれ、自分の開発したアプリを紹介します。テレビやWeb サイトの取材なども受けながら、お客さんにアプリを楽しんでもらいました。


結果発表
実装力審査も終わり、待ちに待った結果発表です。ファイナリストたちは、緊張しながらも楽しみな様子。今年から7つの企業賞が追加されました。優勝は誰の手に渡るのでしょうか。


朝日新聞賞

西口 舞花さん
「お願いあと5分」

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朝日新聞賞は、西口 舞花さんの「お願いあと5分」!
副賞に朝日新聞電子版購読1年分とキャラグッズ、ラジオ番組で電話取材を受ける権利を獲得しました!
「朝日新聞は大学を受験する方に読んでいただいているので、受験生の悩みを解決したアプリ」と講評を頂きました。


セガゲームス賞

中馬 慎之祐さん
「allergy」

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セガゲームス賞は、中馬 慎之祐くんの「allergy」!
副賞にセガゲームスグッズと会社訪問の権利を獲得しました!
「次はゲームを作りたいということで、ぜひ我が社の開発している現場を見て開発に役立ててほしい。」と講評を頂きました。

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テコテック賞

太田 一毅さん
「BrickWars」

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テコテック賞は、太田 一毅くんの「BrickWars」!
副賞に東京ディズニーリゾートペアチケットと会社見学権を獲得しました!
「アプリというものが子供から大人まで平等に配信する機会をもつものだと感じさせてくれた」と講評を頂きました。


電通iX賞

中山 晶平さん
「PutOn」

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電通iX賞は、中山 晶平くんの「PutOn」!
副賞にAmazonカード5万円分が贈られました!
「ユーザーの求めていたものを叶えてくれました。」と講評を頂きました。

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パワーハウス賞

太田 史帆さん
「mago-note」

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パワーハウス賞は、太田 史帆さんの「mago-note」!
副賞にトロフィーと会社見学権、電子マネー5万円分が贈られました!
「会社見学に行けるのは本当に嬉しい。5万円は貯めようと思います。」と嬉しそうに話してくれました。


ひかりTV賞

勝又 健登さん
田畑 凛空さん
「Stylist」

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ひかりTV賞は勝又 健登くん、田畑 凛空くんの「Stylist」!
副賞にひかりTVグッズと広報誌でのアプリ紹介、会社見学や番組出演権を獲得しました!
「スマホだけでなくリビングに置いてあるテレビの画面上で動くアプリで家族や友達と意見を言い合いながら使う方法もできそう。」と講評を頂きました。


LINE賞

荒巻 美海南さん
「妄想チャット。」

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LINE賞は荒巻 美海南さんの「妄想チャット。」!
副賞にLINEグッズとLINEストア1万円分が贈られました!
「LINEのなかでも妄想を存分に発揮してほしい。」と講評を頂きました。

そして、いよいよ入賞者の発表です。

第5位

清水 大輝さん
「Streeem」

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第5位、清水 大輝くんの「Streeem」!
技術点、完成度が高く評価され、審査員の伊藤さんからは「すぐにダウンロードしたいほど便利。色々な方向から話題を見られるのは目から鱗。」と講評を頂きました。清水くんは「90点以上を2つ頂け、作った甲斐があった。」と話してくれました。


第4位

中山 晶平さん
「PutOn」

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第4位、中山 晶平くんの「PutOn」!
消費者支持度、操作性が高く評価され、審査員の廣井さんからは「日々使うメモアプリへの不満に対する改善アイディアを形に変えた素晴らしいアプリ。」
と講評を頂きました。中山くんは「こんな良い評価を頂けすごく嬉しい。今後もアップデートを続けより良いものにしていきたい。」と話してくれました。


第3位

大渕 雄生さん
「DANMAKER」

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第3位、大渕 雄生くんの「DANMAKER」!
審査員からは「ゲームを作るアプリを作ったので技術的に難しいのに、非常に完成度が高い。ぜひうちの大学へ。」と講評を頂きました。
大渕くんは「まだ始めて日が浅いので、来年はもっとレベルを上げて挑みたい。」と話してくれました。


第2位

太田 史帆さん
「mago-note」

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第2位、太田 史帆さんの「mago-note」!
太田さんには副賞として、最新型タブレット端末(iPad または Android端末)、またはAppleWatchSport(38mm)が贈られます!
「優勝出来なくて悔しいがとても嬉しい。プログラミングを教えてくれた先生に感謝したい。」と太田さん。技術点と完成度が高く評価され、審査員の神尾さんからは「これからの教育・これからのデバイス利用、未来を感じさせるアプリ。」と講評がなされました。


第1位

中馬 慎之祐さん
「allergy」

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第1位は……中馬 慎之祐くんの「allergy」!
中馬くんには、賞状、トロフィー、副賞としてiMacまたはMacbook Pro、Nexus5Xが贈られます。
審査員から「世界5億人に役立つアプリ。今は技術点が周りよりも低いかもしれないけど、技術は今後磨いて、機会を活かし好きなものどんどん作ってほしい。」という講評を頂きました。中馬くんは「賞は被らないと思いセガゲームスの会社見学いけるだけで嬉しいと思っていたから、まさか優勝もできて嬉しい。やったぞ!と言いたい。」と喜びを話してくれました。

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最後は杉山先生から締めのあいさつがあり、みんなで記念写真を撮りました。
これにて、アプリ甲子園2015は閉幕です。
来年も、更なる中学生・高校生プログラマの挑戦を、心よりお待ちしています!







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