ニボルマブとNonsquamous Non-Small-Cell Lung Cancer
本日は都内のEBMワークショップに参加したのでそこでお題になった論文について。
N Engl J Med. 2015 Oct 22;373(17):1627-39.
Nivolumab versus Docetaxel in Advanced Nonsquamous Non-Small-Cell Lung Cancer.
PMID: 26412456
論文のPICO
P:stage IIIB~IVの非小細胞肺がん(非扁平上皮)の患者が
I:ニボルマブ3mg/kgを2週間ごとの治療を受けるのは
C:ドセタキセル75mg/m2を3週間ごとの治療を受けるのに比べて
O:全生存期間が延長するか。
既に放射線治療や外科的手術、platinum-based doublet chemotherapyを受けているような患者が対象。
ランダム化、open-labelの試験。
割り付けはInteractive Voice Response Systemを使用しており、中央割り付けと思われconcealmentも問題ないと思われる。
必要なSample sizeは574であり582例の症例があり問題ないと思われる。
結果
ニボルマブ群
Median Overall Survial(95%CI):12.2月(9.7-15.0)
1-Yr Overall Survial Rate(95%CI):51%(45-56)
Median Prigression free Survival(95%CI):2.3月(2.2-3.3)
1-Yr Prigression free Survival Rate(95%CI):19%(14-23)
ドセタキセル群
Median Overall Survial(95%CI):9.4月(8.1-10.7)
1-Yr Overall Survial Rate(95%CI):39%(33-45)
Median Prigression free Survival(95%CI):4.2月(3.5-4.9)
1-Yr Prigression free Survival Rate(95%CI):8%(5-12)
Hazard ratio for death, 0.73 (96% CI, 0.59–0.89) p=0.002
雑感
全生存期間はニボルマブ群で延長、はいいのですが・・・。無増悪生存期間の中央値はドセタキセルの方が長いという結果に。カプランマイヤー曲線は全生存期間、無増悪生存期間共に途中でクロスしてニボルマブ群が逆転する、というような感じになってます。ワークショップでは「効く人、効かない人が極端なのでは?」という議論に。本文献ではPD-L1の発現量はあんまり関係なさそう。重篤な副作用はニボルマブ群が圧倒的に少ない。しかしながらコストが・・・。この文献だけ見ると一般報道のような「夢の新薬」感はあまりないように見えてしまいます。
アウトカムの中にpatient-reported outcomeというのがあるのですが、本文中に”Analyses of patient-reported outcomes are ongoing.”となっており不明だったり一部よくわからない文献です。通常の文献に比べてmethodsに批判的吟味のための情報量が少なくsuppleymentary appendixやprotocolを見ないといけないのも凄く面倒な文献でした。
ガイドラインなんかだとどういう風に評価されてるんでしょうかね。
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