Ramelteonのせん妄の予防効果について

朝のはabstractのみだったのでもう1個メモ。

医師の問い合わせに対して参考程度に提供した文献。


《題名》
Preventive effects of ramelteon on delirium: a randomized placebo-controlled trial.
《文献情報》
JAMA Psychiatry. 2014 Apr;71(4):397-403.
《PMID》
24554232

論文のPICO
《Patient》
経口での服薬が可能な重篤な医療上の問題を抱えた65~89歳の新規入院患者が
《Intervention》
Ramelteon 8mg/dayを服用するのは
《Comparison》
Placebo(330mgの乳糖粉末)を服用するのに比べて
《Outcome》
7日間以内のせん妄の発生を減らせるか。

《結果》
せん妄発生数(%)
Ramelteon群:1(3%)
Placebo群:11(32%)
P-value:0.03

《両群の患者の比較》
P-valueとして差はないが、Placebo群で認知症患者がやや多く、Ramelteon群で以前のせん妄の経験が多い印象。

《ランダム化されているか》
A Randomized Placebo-Controlled Trialとタイトルに記載あり。

《隠蔽化されているか》
the sealed envelope methodとの記載あり。おそらく問題ない。

《患者の追跡に関して》
Figure1を見る限りランダム化した全例を解析に加えている。

《サンプルサイズについて》
we consequently set the required number of patients at 32 patients per group.との記載あり。各群32例としている。

《雑感》
全体としてRamelteon群でせん妄の予防ができた、という結果。サンプル数が少ないのでせん妄の既往歴がある人では統計的に差がないという結果に。治療効果ではなく予防効果ではありますが、オプションとしてとりあえず知っといて損はなさそう。意外なのは眠剤を服用してるのに、睡眠に関するパラメータの結果はあまり差がない。よく使われる印象のあるQuetiapineと作用機序がまるで違うのでどういう仕組みなのか気になる次第、その辺りとの効果の差についても。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?