なんだかんだで医療現場で働いている

製薬企業で勤務開始し、中小病院勤務している薬剤師のS.Oです。

いわゆる“会社”で働いてみたいと、企業に就職

薬学部はどこも同じような感じだと思いますが、同級生の就職先は薬局が多く、次いで病院、企業、その他(公務員など)でした。企業に就職する人は少数派とはいえ、他にいないわけではなかったので、僕が企業に就職することに対しても、周りから特段の反応はなかったです。

その後転職し、回復期や療養を主としたケアミックス病院で病院薬剤師を経験後、現在は急性期病院で働いていますが、新卒当時、臨床現場に出ないことに関しては特になんとも思っていませんでした。まずは会社で働いてみたいという思いが強かったのです。

薬剤師向けの資料作成や電話応対などを経験

メーカーでは、資料作成や問い合わせ対応、新規システム準備〜運用までの業務などを経験しました。

資料作成は、医療機関で働く、主に薬剤師向けのものです。ホームページに掲載したり、病院の薬事審議委員会(薬審)で請求される資料を作ったりしていました。社内資料はwordベースのものが多かったですが、薬審資料は病院ごとに指定された形式で作ります。

問い合わせ電話も、主に薬局薬剤師、たまに病院薬剤師からかかってくるので、ある程度は専門的な知識が求められましたね。

システム運用に関しては、後々考えるとプログラミング的思考のようなものを学べた気がします。システムがどういう仕組みで動いているかを理解するように努めるのが重要だったと思います。

企業での経験が薬剤師としての社会経験に

企業に就職してよかったと感じるのは、「ノンテクニカルスキル」を得られたことでしょうか。電話対応などは、一般的な社会人マナーに近いものを学べました。最初に会社員の経験ができたのは、今も大きかったと思っています。臨床現場だと、なかなかしっかり学べる機会が少ないですよね。

例えば、ビジネスマナーは、接客のプロ講師による研修が新人時代にありましたし、電話対応は、声の高さや話すスピードなどを外部講師から指導を受けました。また、メール作成はチームのCCやBCCで飛んでくるものをよく観察して、見よう見まねでできるようになりました。

企業で学んだ教訓として、新規で案件を開始するときは事前準備・根回しをどう行うかが重要だというのがあります。あと、上司に対してビビってはいけない(笑)。

僕の場合、社内で味方になってくれる人は、身近な上司やチームのチーフやマネージャーでした。良好な関係を築く上で意識していたのは、投げられた仕事はとりあえず受けとめるということですね。

病院へ転職後、苦慮したことも…

新卒で企業に就職して良かったことも多い反面、病院勤務を開始してから「周囲と考え方がズレるな」という経験も多かったです。特に組織的な観点で。

例えば、業務で他部門と摩擦が発生した際に、自部門・他部門ともに「自分が大変だから(面倒だから)」という個の意見を押し通す人が多いことや、他部門含めた全体での業務フローの意識が薄いことなど。

こういうのを見て、個人の心情と自部門としての方向性と他部門の方向性を個々人が認識して尊重できたらもっと良い組織になるのに、と思いました。

やはり、企業だと仕事をしながら社外の人に会う機会も多く、自部門だけで業務が回っているわけではないことを強く実感できるので、臨床薬剤師として働く上でも、社会経験として大きかったなと思います。

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