そんな風に笑って 小説 第三話
オレンジの空を登るように黒く染められていく道中、タイムカードを切った俺と中浦の歩みは心地いいものではなかったものの、一抹の解放感があった。
問題を抱えたスタート。あの後、高山さんに謝ろうとやきもきしているところに中浦が俺を連れてそのまま会社を出た。
「まぁ高山もあんな言い方も悪いけどお前も大概やなぁ」
会社を出て暫くするとやっと口を開いた中浦から聞き馴染みのある関西弁が聞こえた。
「そうだけどさ…高山さんっていつもあんな感じ?」
「どうやろ、あんな感じかもしれんし初めてな