目にはさやかに見えねども
夢を見た。
私は一軒家の一番玄関に近い和室に住んでいる。寝るときは基本的にそこ。床の間があって、畳張りの広めの部屋で暮らしている。玄関が見える部屋で、玄関の気配もよく感じられる。
その部屋で寝ていると、玄関がガラガラと開いた。深夜なのに誰かが入ってきた。こんな時間に誰だろう。私の部屋に入ってきた。足音と振動でわかる。誰だ。住民ではないことはなんとなくわかる。怖い。何をされるんだろう。
その人は枕元に正座した。なんとなくおばあちゃんな気がした。私の頭をなでた。わたしはずっと寝たふりをしている。絶対に目を開けてはいけない気がした。おばあちゃんは何かを言っている気もするし、何も行ってない気もする。
夢はそこで終わった。すごくリアルで、同居人の誰かがおばあちゃんと同じことをしているだけと信じたかった。この部屋は確かに不審者が来たらまず狙われるな、、と思ったりした。
そのことを同居人のひとり、ママン(私はお母さんと呼んでる)に話すと、この家のおばあちゃんだと思う、というのだ。
私達の住んでいるmamagotoハウスはもともとお茶の教室をやっていた方が所有していて、その名残が今もある。お庭があったり、炉畳がある部屋もある。和風の戸建てのお家なのだ。
今は所有者は大家さんで、それをアツさんが借りている。お母さんもアツさんも霊感があるから物件探しのときに何もいなかったこの家にしたらしい。
そんな家だが、お母さんはこのおうちのおばあちゃんが夢に出てきたのでは、と言う。お母さんは朝に草むしりをするとおばあちゃんが喜んでいる気がする、という。
お母さんは自信ありげにそういうので、そんなこともあるような気がした。もしそうなら、頭をなでてくれたから、私のことを悪くは思ってないかもな、そんなことを考えていた。
いただいたサポートで私はもっと私に優しく生きていきます。銭湯に行ったり、甘酒を作るなど、