27歳独身女のひとりごと 痔編① 出会いとケツ意-診察に行くまで編-

出会い

吾輩は快便である。
便秘はほぼない。
たまに大物を出産した時や下痢になった時に、尻穴が痛くなるくらいであった。
その付き合いが変わったのが、今から約3年前の大学院2年生の時である。

便秘であったか、大物だったのか今は覚えていないが、その日は本当にとんでもないことになった。
出産した瞬間、「ぎゃあ!!!!!!!」とトイレで絶叫。ブツだけでなく大声も出た。
当時24歳、まぁまぁな大人である。その大人がトイレで絶叫しているのである、異常事態だ。
当時実家住みだったため、家族も続々と集まってきた。
「大丈夫?!」と声をかけてくる家族に
「だ…ダイジョブ」と返すのが精一杯。
やっとの思いで立ち上がり、便器を見るとまさに血の海。小動物の致死量程の量だと見受けた。
これはまずい。
立ち上がったはいいものの、痛くて歩けない。トイレから出られないのだ。
1歩で出られるトイレを5分かけて出て、心配する家族に「痛い…歩けない…座れない…」と半泣きで報告。
爆笑されつつ、大人しくしていると30分ほどで痛みは収まった。
心配した母がドーナツクッションや痔に効く市販薬を買ってくれ、日にち薬でなんとかしのいだ。
だが、これがまずかったのである。

ケツ意 診察へ行こう


そこからは特に何事もなく過ごした。
たまに尻穴が疼いたり、軽く出血したりもしたが、特に問題はなかった。
そして2023年。社会人になり、お金にも余裕がでたところで脱毛に通うことにした。
VIO込みの全身脱毛である。
自分で剃毛しなければならず、隅々まで鏡を使用して剃毛していたところ、はたと気がついた。

「肛門にミニキノコがおる…」

痛くも痒くもない、引っ張っても何も感じないミニキノコが肛門に鎮座していた。
小さめのエノキの先くらいのサイズで、まあまあ目立つかなという感じ。
すぐに検索しまくって、いぼ痔かと思われたがどうやら切れ痔を繰り返したことによる「見張りイボ」であると勝手に診断した。

おそらく大学院時代の凄まじい切れ痔の後遺症である。あの頃に治療しておけばよかったのだ。

だが、この見張りイボ、もといミニキノコは、全く取る必要がないとのことである。見た目が気になるなら自由診療になると。それから…
と色々調べた結果「別にいいか」に辿り着いた。
これがズボラ女の思考回路である。

誰かにましまじと見せるわけでもないし、命に別状はない。ヌックスも電気を消して致せば問題ないのである。
これだけ問題ないが揃えば、問題ないと思うのも当然の結果だろう。

しかし、
『誰かにまじまじと見せるわけでもない。』
この考えが甘かったのである。

まず、脱毛のお姉さんに丸出しであった。
見えないように見えないようにと祈っていたものの、「剃毛確認しますね〜」で尻をひんむかれるのである。ミニキノコも丸出しである。もちろん明るさはMAXである。
もちろん施術中も尻はひんむかれている。
お姉さんは手元のメモを見ながら施術しており、腕や背中の傷跡の部分に近づくと「こちらの傷跡のぷくっとしている部分は避けて照射させていただきますね〜」と可愛らしい声でお知らせをしてくれる。

いやいやもっとぷくっとしているところがあるだろうが。そちらはメモに書いてないんですかね?尻に関して触れてはいけないルールでもあるんでしょうか?それとも尻に関しては照射は問題ないのでしょうか?いやそんなこともあるまい。いやそんなこともなくもないのか???
そうやって毎回毎回気にして脱毛を繰り返していた。

また、他にも丸出しの場面があった。
婦人科診断である。年1回の健康診断の他に、国からの子宮頸がん診断も対象であった。
産婦人科のあの椅子に座るわけであるから、もっと丸出しである。もちろん照明はついている。
恥ずかしい、恥ずかしい…と思いながら、どう思われてるか気にしながらの診察で非常に辛い。

1日何人も診察しているから、そこまで見られていないという意見も分かる。
だが私にとってはたった1回の診察である。婦人科の先生とはいえ、ミニキノコを見られるのは非常に恥ずかしい。

今後、妊娠・出産の機会があれば私は永きに渡って人様にミニキノコを晒すことになる。
まだ脱毛も満足いくまでできていない。これからも脱毛のお姉さんに恥部を晒すのだ。
また、これから先のヌックスが消灯下とも限らない。尻穴にコンプレックスを抱えたままだとこの先、尻穴に大きく左右される人生の気がする。

そんなの嫌だ。
尻穴を、治そう。
そう思って診察に行くことを決意、もといケツ意したのだ。

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