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変なおじさんからのお願い

消防署にくる変なおじさん

「この前の出動、大変だったろう?でもみんなよくやってるよ。あんなに速く出動してくれると頼りになるよね。」消防署員たちに声をかけてくる髭の生えたサンタクロースみたいなおじさんがいる。

話の中身はほとんどというか全てが世間話で、ぶっちゃけどうでもいい話だ。それでも、おじさんの元気なトークは何処か職場の雰囲気を明るくする力があって、嫌味な感じは全くない(少なくとも僕は)。


それでも職場の中には、「またあのおじさんきたよ・・・。」と、相手にするのがめんどくさいと思っている奴もいる。

子供も近くにいなくて一人暮らしをしているらしい。仕事も随分前に退職している。地元の情報を仕入れることが生きがいのようで、おじさんも身の内をさらけ出すと同時に、消防署内のいろんなことを聞いてくる。

さっきの救急は誰を運んだの?とか、この前の火災の原因って放火って聞いたけどほんとか??みたいに。「個人情報のことは言えないんですよ〜」っていつも逃げる僕たち。

おじさんもその辺りは分かっているようで、一通り会話のネタが尽きると、機嫌よく颯爽と帰っていく。まるで彼が社会とのつながりを求め、その空白を埋めているようだ。

コンビニにいる変なおじさん

街のコンビニには、夕方になるといつも同じ場所に車を止め、座席を倒して携帯を見つめる変なおじさんがいる。駐車場の一番遠いところ。座席を全力で倒しているから、携帯を見てにやけているおじさんの顔と腕しか見えない。

座席をグッと倒して、ただ携帯を見つめてニヤニヤしている。
家に帰ることもできるんだろうし、きっと家はすぐそこなんだと思う。

彼はきっとエレルギーを充填しているところなんだ。

家に帰る前に一人の時間を楽しんでいるだけだ。家に帰ると家事を手伝わないといけない。妻の悩みも聞かないといけない。子供の相手も・・・。
うん。それは分かってるし大事な僕の役目だ。ちゃんと果たすよその役割。だからその前に、ちょっと一人の時間を満喫させてくれないか・・ようやく仕事から解放されたばかりなんからさ。と思っていると思う。TikTokを見たり、面白すぎず、つまらなさすぎないゲームをして、きっとそのおじさんはエネルギーを充電しているのだ。

目的はエネルギーの充填

変なおじさんは他にもいる。
公園のベンチに座りただ目を閉じているおじさん。橋の上から川の流れを見つめているおじさん。猫に紐をつけて散歩しているおじさん。

これらの謎めいた行動の裏にあるのは、やっぱり「エネルギーの充填」なのだと思う。離れてしまった社会に自分から歩み寄ったり、近づきすぎた社会から自分を切り離して、自然体でいたり。

何が言いたいかというと、「有害でないなら、そっとしておこう」ということだ。確かに周りから見たら変なおじさんだけど、満たされたらまた日常に溶け込んでいく。

僕は、地元の風物詩として、変なおじさんを受け入れていく社会になってほしい。確かに変かもしれないけど、社会のために頑張っている(頑張ってきた)立派でかっこいい(はずの)おじさんなのである。

以上、変なおじさんを勝手に代表して、僕からのお願いでした。


こんにちは!あぽ隊長です。
今年もお世話になりました。こんな拙い文章を読んでくださる方に、感謝感激です👩‍🚒
今年は勤務先が変わったこともあって書く時間がなかなか取れませんでした。だんだん慣れてきたので来年は、もう少し書けるかな?

サポートしてくださった皆様には感謝しております👩‍🚒✨
おかげさまで、ここまで成長する事が出来ました✨
まだまだnote頑張っていきます。今後ともよろしくお願いします✨

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