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Foojin'Z GENEROUS 94M

宇津木です。日本各地に出ていた緊急事態宣言だが、どうやら今日にも延長される見通しとのことだ。行動が制限され、人によってはストレスマネージメントのコントロールが大変だと思うが、一刻も早くこの状況が終息に向かうことを願うばかりだ。

5代目Foojin'Zの紹介も折り返しを迎え、いよいよ6アイテム目となる。まだまだ今年リリースを控える紹介したいアイテムはたくさんあるので、早くゼータ篇を終わらせないと。

シーバスフィッシングを9割方こなすロッド

アピアのフラッグシップモデルは歴代、現場スタッフからの発案でスタートするので、どうしてもマニアックなモデルが多く揃う。今回の5代目Foojin’Zもランカーを見据えているアンバサダーが多く、パワーモデルに寄りがちとなったが、中には汎用性の高いアイテムもある。比較的汎用性の高いものとしてはテスタマッタ88MHとハイローラー103MLになるが、もっともユーティリティなアイテムといえばこの”ジェネラス94M”に他ならない。オカッパリからウェーディング、小型ミノーからビッグプラグまで、シーバスフィッシングにおいてジェネラス94Mは9割方こなせると言ってもいい。

時代によってロッドの長さには若干のトレンドはあるものの、現在の主流は9フィート半ばくらい、パワークラスではミディアムパワーの使用頻度が最も高いだろう。数年前まではミディアムライトクラスが主流であったが、近年は鉄板バイブや大きめのルアーをチョイスすることも多くなり、ミディアムパワーの汎用性が求められている。では9フィート半ばでミディアムパワーならユーティリティロッドと呼べるのか?

Foojin'Z GENEROUS 94Mとは?

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Length:9’4” Lure:8-42g Line:MAX PE#2 標準自重:145g 
Material:TORAYCA M40X/T1100G/M46J/M40J
Guide:チタンフレームTORZITE & SiC-S
Joint:印籠継(NANO JOINT)
Reel Seat:Down Rock
FLEX     :Mild ******    Sharp(6)
POWER:Light******    Heavy(6)
(シチュエーション)「小中規模河川」「大型河川」「港湾」「干潟」

ペットネームのGENEROUS(ジェネラス)は”寛大な”とか”太っ腹”という意味である。決してジェネラスのテストをメインで行ったアピアアンバサダー、安田ヒロキの体型を見て思いついたわけではない。
上記のスペックではFlexが6/10、Powerでも6/10となっており、これだけ見ると特徴のない平均的なスペックに思われる。ただ、これは5th Foojin’Zのアイテム間で比べた指数であり、世の中平均で見るとかなりシャープで、ミディアムパワーの中では最も強いロッドになるだろう。

デイドリーム(白昼夢)

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実はジェネラス94Mにはベースとなる竿がある。6年ほど前にFoojin’ADでテストしていたDAYDREAM 94MXというモデルがあった。デイゲームでのメタルバイブが盛んに使われ出した時代背景もあって、REDの発案で張りが強くメタルバイブを操作しやすいモデルとしてプロトタイプが作成され、フィールドテストは主にヒロキが行なっていた。だがFoojin’ADにはエンゼルシューター96Mというニアリーイコールなモデルがあり、発売されることはなかった。
だがヒロキによるとデイドリームの活躍場所は非常に多岐にわたっていたと言う。特に河川でのウェーディングやオカッパリはこれ1本でカバーできたらしく、Foojin’Zの開発スタート時にはすぐさまデイドリームの復活を直訴してきた。
開発が進む中、実はヒロキには言ってないが、俺はこのジェネラスに込めた想いがもう一つあった。

やり残したジェイルブレイカー

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(激辛カレーをたいらげるRED。2013年撮影なので若いw)

Foojin’ADの後期モデルにREDプロデュースの「ジェイルブレイカー92MX」というモデルがある。REDのコンセプトでは「軽量ルアーも投げることができるランカーハントモデル」ということだったが、果たしてジェイルはREDの望む何%くらい表現できていたのか?もっと先があったのではないか?
今回ゼータで使う「M40X」と「T1100G」ならREDが望んだ完成形を示せると思い、俺はこのジェネラスにジェイルブレイカーの完成形を重ねることにした。
自分の中でジェイルにあった違和感を洗い出し、リプレースした部分をジェネラスに組み込んでいく。数度のプロトタイプを経て骨子が固まった後、M40XとT1100Gを組み込んだ。そして完成されたジェネラスのブランクはデイドリーム、ジェイルブレイカーとどちらの影も感じなくなるほど別物になっていた。
ちなみにジェネラスとジェイルブレーカーは使用するルアー表記、ライン表記ともにほぼ同じに設定しているが、自重はジェイルが181gに対してジェネラスはなんと145gである。だがパワー表記に至ってはジェイルは92MX(MとMHの中間)となっているが、ジェネラス94Mは半パワー下なのかと言うとそうではない。テストがほぼ終盤に差し掛かったあるとき、ヒロキに決定した正式な製品名を伝えた際は「これはMじゃない!MHですよ!」と言っていた。ヒロキよ、いくらパワーがあろうと設計がミディアムパワーなんだから、ジェネラスは94Mなんだよ。

究極のユーティリティロッド"Foojin'Z GENEROUS 94M"

ジェネラス94Mの傑出したところは”バランス”である。ここはヒロキが徹底的にテストしてくれた。
キャスト時のシャープさや飛距離、そして繊細さはM40X(40t)の特徴が活き、魚と対峙した時の復原力の早さや粘り強さ、折れない強度はT1100G(33t)の特徴そのまま。そしてロッド全体のダルさをM46J(46t)が排除している。
GENEROUS”寛大な”の意味の如く、高バランスで様々な場面に適応する”ユーティリティ”なシーバスロッドが誕生した。
小型ルアーから大型ルアーを快適に使え、様々なシチュエーションでとことん使い込む。ジェネラスはそんなシーンがよく似合う。

Foojin'Z 5th Generation
https://www.apiajapan.com/product/rod/foojin-z/画像3


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