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Foojin'Z BEAST BRAWL 93MH [BORON]

宇津木です。昨日アメリカの新大統領にジョー・バイデン氏が正式に就任した。今回は結構すったもんだがあったがそれとは別に、俺が一番興味を惹かれたのはいつものことだがアメリカ国民の大統領選の盛り上がりである。日本とは違い国民投票だからか、盛り上がりが半端なくお祭りと変わらない。いや、大阪もつい先日都構想の住民投票があった。自分の票が直接的に白黒を付けるという点ではそんなに変わらない。だが正直大阪都構想で盛り上がったのは選挙が終わってからである。その理由は大方の予想を覆した結果になったからに他ならない。これはやはり国民性の違いなんだろう。

今回はFoojin'Z BEAST BRAWL 93MH [BORON]をピックアップする。紹介するアイテムが5機種目なので、ようやく折り返しが過ぎたところだ。

Foojin'Z BEAST BRAWLとは?

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Length:9’3” Lure:10-56g Line:MAX PE#2.5 標準自重:175g 
Material:TORAYCA M40X/M46J/M40J/BORON
Guide:チタンフレームTORZITE & SiC-S
Joint:印籠継(NANO JOINT)
Reel Seat:Down Rock
FLEX     :Mild **********Sharp(10)
POWER:Light*******   Heavy(7)
(シチュエーション)「中大型河川」「港湾」「サーフ」

ビーストブロウルは2003年に初代Foojin’Zに初めてラインナップされ、18年の歳月で7機種もの派生を生み出した、アピアシーバスロッドでは最も長寿なシリーズである。
プロデュースするアピアプロスタッフ濱本国彦にとってはもはや代名詞的な存在で、8機種目のビーストである本作のコンセプトは「軽快なライン&ルアーコントロール」、「フッキング時のタイムラグの排除」「相手に主導権を与えないパワー」の3点だ。上記を実現するために濱本さんが導き出した答えは、高い操作感と不要な曲がりを作らないダイレクト感で、言い換えれば「シャープさを極限まで突き詰めたロッド」である。
マテリアルは「M40X」を基軸に、46t〜40tカーボンプリプレグのみを使用し、さらにダイヤモンドに次ぐ硬度を持つBORON繊維を配合するという他に類を見ない素材構成となっている。

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ボロンとは?

BORONとはホウ素(元素記号B)のことで、タングステンにホウ素を蒸着させたものがボロン繊維である。
ボロン繊維は硬質な素材だが、以前は弾性率の低い素材と組み合わされていたため、ボロンの性質自体が正しく認識されていなかった。
では高弾性の素材と組み合わせればいいのかと言えばそうでもない。ボロン繊維は折れやすいがためにとても扱いが難しい素材である。
ではなぜ今ボロンなのか?

濱本国彦が求める”ピンシャンキャーン”

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濱本さんが求める究極の「ビーストブロウル」は"ピンシャンキャーン”らしく、以前にもトライしたことはある。
今回5代目ゼータを製作するにあたり、究極の"ピンシャンキャーン”に再び挑むこととなった。
先に言うと今回のビーストの肝は東レ第3世代カーボン「M40X」である。
今回のビーストは46t〜40tのみの構成なので、普通は強度面からいうとこんな構成比はありえない。だが40tの強度を大幅に上げた「M40X」の存在がそれを可能にした。
完成したプロトタイプをひっさげ、俺は意気揚々と濱本さんに渡した。

「コレや!!ヤバイやつ来たわ!!」大きく頷く濱本さんだったが
「完璧でしょ?」と俺が尋ねると
「うん!98%や!」
「・・・えっ?まだ足りないですか?」
「いや、十分すごいねん。今まででダントツに一番や!このまま出してもいいくらいや。」
「でも少し足りないんですよね?」
「気のせいかもしれんけどな。」

濱本さんの直感はすごいものがある。
おそらくこのプロトも慣れてくれば100%と言うだろうが、濱本さんの場合は特にファーストインプレッションが重要なタイプだ。
しかしこれ以上弾性率を上げるのは現実的ではないと思っていたところ、俺はボロン繊維を組み込んだプリプレグを製作するあるメーカーを思い出した。

ボロンを補助に使ってみる

そこからボロン素材にリプレースしたプロトタイプの製作に入るが、思ったよりも難しい。
98%からだんだんと遠くなっていくサンプルを重ねながら、何度目かの試作でついに辿り着く。

「濱本さんどうですか?」
「コレや!!ピンシャンキャーンや!!」
「何%ですか?」
「コレは100%や!ほんまに出来ると思わへんかったわ!」

おそらくここまでの高弾性素材に、ボロンを組み合わせたシーバスロッドは世の中に存在しない。TORAYCAのM40Xの存在がなければ成立しなかっただろう。それを思うとこのタイミングしかなかったのかもしれない。

はっきり言うがビーストブロウル93MHボロンはカリカリのレーシングセッティングだ。
初心者ではロッドのポテンシャルを引き出すことさえ難しいだろう。
しかしこの竿を自在に操ることができれば、ピンシャンキャーン!の領域に踏み込むことが出来ると断言する。

「コレ振ったらもうアカン。違う竿やと2回振ったらもう戻したくなるねん!」

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ちなみに「ビーストブロウル93MH ボロン」は、バット部分に12mmピッチで入るボロン繊維が目視できる。しかし、よ〜〜〜く見ないと分からない。俺は老眼なのでほとんど認識できないが、アピア社内の若者はしっかり見えると言っている。ほんまかいな!
どうしても見えない方は晴天の時に太陽の下で見て欲しい。その条件なら俺でも認識できたので。笑

Foojin'Z 5th Generation
https://www.apiajapan.com/product/rod/foojin-z/



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