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Foojin'Z CRAZY CARRY 108MH

宇津木です。
俺がアピアテスターの中で、一番付き合いが長いのはRED中村だ。知り合ったのは23年前、俺がジギングに傾倒してTILEOというチームを作っていた時のメンバーが、同僚で紹介したい人がいると言うことで知り合ったのが中村祐介だった。
中村くんははじめから特別だった。最初の釣行会でいきなりJGFAの日本記録となる34kgのカンパチをバスロッドで仕留め、周囲を驚かせた。彼とはその後奄美やトカラ、小笠原や北海道などに行き、二人ともいくつかのJGFAの日本記録を作った。当時同行していたメンバーは何人もいるが、申請できるほどの記録魚を釣るのはいつも中村くんだった。よく持ってるとか、持ってないとか言うが、中村くんは確実に持っている側にいた。
そんな彼も示し合わせたように、アピアがジギングからシーバスロッドへ方向転換すると同時に、シーバスプロとしてのキャリアをスタートしていた。

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        (2000年頃のRED中村@小笠原。細い!笑)

Foojin'Z CRAZY CARRY 108MHとは?

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Length:10’8” Lure:12-56g Line:MAX PE#2.5 標準自重:200g 
Material:TORAYCA M40X/T1100G/M40J
Guide:チタンフレームTORZITE & SiC-S
Joint:印籠継(NANO JOINT)
Reel Seat:Down Rock
Flex *****     Sharp(5)
Light*******   Heavy(7)
(シチュエーション)「大型河川」「サーフ」「磯マル」「磯ヒラ」

クレイジーキャリー108MHのコンセプトの柱は「飛距離の追求」である。ハイローラーとは違い、比較的重めのルアーが扱いやすいようになっている。スペックは12〜56gとなっているが、クレイジーキャリーの真価を発揮するのは30g〜56gがベストだろう。
ロッドアクションはモデレイトファスト(ファスト寄りのレギュラーアクション)で、キャスト時にルアー重量が乗せやすく、コントロールも効かせやすいアクションなので、遠くのピンスポットへとアプローチしやすいセッティングとなっている。
クレイジーキャリーは主に大規模河川や、サーフの釣りも視野に入れているのだが、実はこのロッドが誕生した背景は意外なところにある。

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適合ルアーが56gまでの理由

クレイジーキャリーはREDがコンセプトからテストに至るまで仕上げたプロデュースモデルである。実はアピアの歴代モデルでシグネチャーモデルが一番多いのがREDで、自身の釣り、環境の変化に最も敏感で、そこにアジャストさせるために常に新しいモデルを俺に提案してくれる。ちなみに歴代のREDモデルは

1) フロウハント:初代ゼータからADまで5モデル続いた干潟向けウェーディングロッド。
2) ビーストブロウル:初代ゼータから3モデルはREDが監修。
3) バッカニア:Foojin’BB BUCCⅣまで4作リリースしたヒラスズキロッド。
4) オードリー:2代目ゼータでリリースしたフィネス系。
5) ポデローサ:風神号V3から3作リリース。当初は磯マルロッド。
6) ジェイルブレイカー:後期型ADでラインナップした、フィネス系ランカーモデル。

思い出しながら書いているが19年で6機種17モデル!思ったよりも多いのに驚いた。この数は当然ながらどのプロスタッフよりも多い。そしてクレイジーキャリーはREDプロデュースロッドの7作目となる。

RED「大きめのルアーをしっかりとフルキャストできる竿が欲しいんですよね」

俺「ヴァンクール(Foojin’AD 92H)じゃあかんの?」

RED「いや、大河川の流心まで届かせたいんで11ftくらい欲しいんですよ」

俺「バックフォーは?」

RED「ヒラと違って一日中投げるので、もっと軽くて操作性がいいのじゃないと」

俺「何gぐらいを投げたいの?」

RED「スイングウォブラーの55gをフルキャストしたいんですよ」

「ポジのルアーに合わせて、ゼータの開発する気かよ!」

RED「へへへ」

まあ新しいものが生み出される時というのは、自身の強烈な欲求を満たすために、一番情熱を注ぎ込んでいるものがモチベーションとなる。
それはREDの場合、何と言っても自らのブランド”ポジドライブガレージ”に他ならない。
こうしてFoojin’Z クレイジーキャリーの開発はスタートした。

ピンスポットを撃つ遠投ロッド

“重量級のルアーを遠投するためのロッド”をコンセプトに開発はスタートしたが、当初はFoojin’BBとさして変わらないプロトタイプが多かった。2020年の大阪のフィッシングショーでアクリルケースに展示していたクレイジーキャリーがまさにそれで、とてもユーザーに手にとってもらえるレベルには程遠かったのだ。
だがこのフィッシングショーの直後、大きく前に進むこととなる。このパラダイムシフトのきっかけは2つあった。
1つ目は東レ第3世代カーボンの「M40X」と「T1100G」の存在である。それまでの中弾性カーボンとは一線を画すT1100Gは重量級ルアーを受け止め、力強くスピーディーにルアーを放出させた。T1100GはGRANDAGE XDの後継機種「ATLAS」にも搭載しており、誰もが体感できるレベルで飛距離が向上している。
そしてティップ側に配合したM40Xは、振り切った後のティップのブレを高い次元で収束させ、アキュラシーが格段に向上した。さらにスピニングリールから放出される螺旋状のPEラインが、ブレたティップブランクに叩かれることもなく、スムーズに放出されることで最後のひと伸びも実現している。

2つ目は2021年のアピアロッドから順次搭載されるジョイントシステム「NANO JOINT」である。実は一旦上記のブランクが完成し、クレイジーキャリーの開発はゴールを迎えていた時期があった。その後、かねてから開発を進めていた「NANO JOINT」の強度テストも終わり、クレイジーキャリーにも搭載してみた。そこそこハリが強いクレイジーキャリーのブランクが、ジョイントの突っ張りを解消することでキャスティング時のストレスを排除し、その結果REDは1日中どころか、2〜3日のロケでも振り続けることができると言った。

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RED渾身の”クレイジーキャリー108MH”

共に飛距離に特化したハイローラーとクレイジーキャリーであるが、軽量ルアーから40g前後を、スピードと弾き性能で飛距離を出す”ハイローラー”と、より重量級のルアーを軽い力で遠くまで運ぶクレイジーキャリーは、それぞれ異なる素材構成で2人のプロの個性や釣りのスタイルが表現されている。
その他クレイジーキャリーが他のゼータとは違う点として、バットガイドにRVガイドが装着されている。これもREDのリクエストで、よりラインのガイド抜けを重視したセッティングとなった。
クレイジーキャリー開発のきっかけとなった、REDが思い描く大型河川は日本全国にある。そしてその多くはランカーシーバスを育み、彼らははるか沖合の流心近くを悠々と泳いでいる。クレイジーキャリーはそんな彼らにアプローチするための、REDの新たなる提案である。

Foojin'Z 5th Generation
https://www.apiajapan.com/product/rod/foojin-z/画像3

2021年アピア新製品試投会

アピアは来週末の3/21の東京会場を皮切りに、全国各地で試投会を開催する。このコロナ禍での開催は正直悩んだが、春のフィッシングショーが全会場中止となり、実物を見る機会がなくなった中、屋外でできる試投会は各地方のイベントに関するガイドラインを遵守することによって可能であると判断した。
試投会では2021年に発売予定の新製品は全て試していただける予定だ。東レ第3世代カーボン「M40X」や「T1100G」は今まで体感したことのないフィーリングがある。この感覚は持っただけでは30%くらいしか感じることができないが、投げてみると誰でも体感できるほどの進化を感じられる。店頭では感じることのできない、20年ぶりに訪れたカーボンロッドのブレイクスルーの証人になってみてはいかがだろうか?

2021年アピア新製品試投会
【試投ロッドラインナップ】
Foojin’Z:シーバス
GRANDAGE ATLAS:ロックショア
GRANDAGE NAVAL:近海ボートキャスティング
GRANDAGE MEGASOUL:ビッグベイト

【その他】
ガネットバリスティック:ロックショア用フローティングジャケット
ガネットプラス:ロックショア用フローティングジャケット

(開催予定地)
3/21(日) 東京:旧江戸川河川敷 舞浜大橋西詰 12:00〜16:00
4/3(土)  愛知:亀崎海浜緑地 12:00〜16:00

以下は予定です。天候、政府の要請により変更の可能性もございます。
4/10(土) 鳥取:米子市内
4/29(祝)   鹿児島:鹿児島市内
5/1(土)   熊本:熊本市内
5/15(土) 秋田:秋田市内
5/29(土) 新潟:阿賀野川公園
6/5(土)   大阪:南港魚つり園護岸

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