私の初恋は幼馴染で年下の君でした… 前編
“許嫁の遥香さん” 番外編
これは、○○と遥香さんが中学生の時のお話…
4月
中学2年生になった私の前にあの子が帰ってくる
遥香:入学おめでとう!○○!
○○:ありがとうございます遥香さん。
この子は幼馴染で私より1つ年下の○○
今日から晴れて中学生になるのだ。
今は登校前に○○の家に立ち寄ってるところだ。
遥香:てか、呼び方変えたの?
○○:さすがに中学生なってまで
遥香お姉ちゃんはちょっと…笑
遥香:だよね~笑
私も恥ずかしいもん
※○○は小学生まで遥香さんの事を
“遥香お姉ちゃん”と呼んでいました。
遥香:てか、
私がいなくて6年生の時とか寂しかったでしょ~?
○○:そんなことないですよ
まあ、遥香さんと毎日一緒に登下校しないんだなという
違和感はありましたけど...
遥香:ふ~ん、少しは意識してくれてたんだ?
○○:だって遥香さん...
猫アレルギー持ちなのに野良猫に触ろうとするから...
遥香:ちょっ!!それが理由?!
○○:俺は心配でしたよ...
遥香さんが1人で猫に触った後に涙や鼻水を
ダラダラと流していないか...
遥香:そんなわけないでしょ!!
いくら年が違っていても、
幼馴染だからこれぐらいの冗談は言い合える関係。
もはや○○は弟に近い存在だった。
だからこそ、
少し寂しい気持ちもあった。
一足先に進学する私にとってこの1年間は
あまりにも退屈に感じた。
家が近所だから会おうと思えばすぐに
会えるのだけれど、
お互いの生活リズムにも変化が訪れた事によって
会う機会もどんどん減ってしまった。
ずっと、今まで通りに過ごせるわけはない。
それを実感した1年間でもあった。
だけど長かったモヤモヤも今日で終わりを迎える。
また○○と一緒に学校生活を送れる。
私は心を躍らせていた。
―――――――
遥香:じゃあ、私は先に学校行くね。
○○:いってらっしゃい。
俺は午後からの入学式の準備があるので
遥香:ガチガチで行進とかしないでよねw
絶対に笑っちゃうから!
○○:しませんよそんな事...
遥香:冗談だってばw
じゃあ、また後でね!
制服姿も楽しみにしてるね♪
○○:は~い笑
お気を付けて~
○○に見送られながら私は一足先に学校へと向かった。
○○:全く、変わってないな~遥香さんはw
昔のまんま、無邪気で笑顔が素敵な遥香さんの姿に
俺は安心感を覚えていた。
○○:さてと、俺も準備しないとな
部屋に戻った俺は身支度をはじめた。
ーーーーー
午後になり、いよいよ入学式が始まった。
そこには真新しい制服に包まれた○○の姿が
遥香:(か、かっこいい...)
普段とは見慣れない姿のせいか、
○○の容姿がひときわ目立っていた。
決して背が高いわけでもないのに
なぜだか引き寄せられるような感覚に陥る。
今思えば、この頃から私の心の中で
ちょっとした変化が始まっていた。
――――――
入学式も無事に終わり、その日は下校となった。
学校を出て一目散に○○の家に向かった。
ピンポーン
○○:あ、遥香さん。
おかえりなさい。
遥香:ただいま~ってここ○○の家だよっ!
○○:お、ナイスノリ突っ込みw
遥香:それよりさ、まだ着替えてない?
○○:はい、俺も今帰ってきたばかりなので
遥香:ほ、ほんと?!じゃあさ...
一緒に写真撮らない?
○○:写真ですか?いいですよ。
遥香:ありがとう!
○○:あ、ついでに両親呼んできますね。
○○がご両親を呼びに一度戻っていった。
しばらくすると、、、
○母:あら遥香ちゃん!
わざわざ来てくれてありがとう!
遥香:おばさまこんにちは。
この度はご入学おめでとうございます。
○母:ありがとうね!
また2年間○○のことよろしくね♪
遥香:は、はい...!
○○のお母さんと話していると、
○父:お、遥香ちゃん。
悪いね~うちのばか息子がまた世話になるよ。
○○:父さん、それどういうことだよ
遥香:こちらこそ、今後ともよろしくお願いします。
○父:それで○○と写真撮りに来たんだっけ?
遥香:あ、はい!
カメラお願いしてもいいですか?
○父:もちろんだとも!
ほら、○○ちゃっちゃと並べい!
○○:わかってるよ...
玄関先で○○と肩を並べる。
○父:2人とももう少し寄って...
おじさんに言われお互いの肩がくっつきそうな
くらいまで接近する。
ふと、横目で○○を見ると、
遥香:(やっぱ、かっこいい...)
(大人になったんだね、○○も...)
○父:じゃあ撮るよ~!
はい、チーズ!
カシャ📷
自分でもどんな表情で写真に写っていたかわからない。
でも、変な顔にはなってないはず。
ただ○○の横顔に心臓がドキドキしていたのは確かだ。
○父:ほい遥香ちゃん、こんなんでいいか?
私は写真を確認すると、
そこには遠慮がちな笑顔で写る自分の姿があった。
よかった、変な顔じゃなかった...
遥香:バッチリです。
ありがとうございました!
○父:それはよかった。
あ、そうそう1つ話しておくことがあってさ
遥香:はい?
○父:今度の連休に○○の入学を祝って、
遥香ちゃん家と泊まりでキャンプに行こうって
話しててさ!どうかな?
○○:え、キャンプ?
遥香:たのしそう~!行こうよ○○!
○○:そうですね…遥香さんがそう言うなら
○父:よし、それじゃあ色々と決めておくからな!
こうして○○家と私の家で1泊2日のキャンプに
行くことになった。
久々に家族ぐるみでの付き合いだから
非常に楽しみなのだ。
だけど私は知らなかった...
楽しいキャンプになると思っていたのに
あんなことに巻き込まれるなんて…
この時は1mmも感じていなかった。
中編へつづく...
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