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#ネタバレ 映画「スラムドッグ$ミリオネア」

「スラムドッグ$ミリオネア」
2008年作品
代価がお金の本質である
2009/4/21 21:56 by さくらんぼ

( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )

お客は少々のお金で幸福を買うことができるのです。映画に出てきた有料トイレの話です。

お金はいくら貯めても、それ自体が幸福を生むわけではありません。映画にミリオネアも出てきましたが、幸せそうには見えませんでした。

お金は何かの代価として使い、初めて人を幸せにするのです。ちなみにジャマールの兄は、どうもお金自体に執着しているみたいです。札束にまみれてのラストは哀れでした。

代価と言えば、トイレの話は大スターのエピソードに続きます。主人公のジャマールは写真と肥溜めを交互に見て、それから意を決して、肥溜めに飛び込みました。大スターに逢ってサインがほしいという気持ちは、肥溜めに飛び込む悲劇すら、代価としてイコール以下だと認めたわけです。

そしてクライマックスへと続きます。初恋?のヒロインを探し出すためにクイズ番組に出演するのです。ここでは二つの対価が語られます。ひとつはジャマールの過酷な人生です。クイズの答えが全問正解なのは、それに代価する過酷を生きてきたという映画的な表現なのでしょう。さらに警察からの拷問も襲い掛かります。

二つめはジャマールにとってのヒロインの価値です。考えても見てください。手の届かないところにいる初恋の彼女。男にとって彼女はいったいいくらに値するのでしょう。ジャマールがクイズをラストまで降りないのは。お金では量りきれないほどヒロインを愛していた証です。

ここまで来て、この映画、何かに似ているとな思いました。あの名作映画「ロッキー」です。無名のボクサーであるロッキーがチャンピオンと全力で戦い、最終ラウンドが終了してもリングに立っていることが、彼の決めた愛の証でした。勝負はあくまでも二次的なものでした。

値段の付けられないほどの大きな愛。

しかし、今日の新聞に悲しいニュースが載っていました。ヒロインの子供時代を演じたルビナ・アリさん(9)の話です。詳しくはネットでご覧ください。

追記 
2009/4/24 17:26 by さくらんぼ

暇ができたので家の大掃除をしています。そうしたら戸棚の奥から昔買った単行本が出てきました。

「マーフィー名言集」(しまずこういち編著)です。今ではすっかり有名になり、ときには茶化してジョークにもされるほどですが、今みても新鮮です。ちょっと感動しました。

懐かしくてパラパラと読んでいましたら『成功五カ条』という項目が目にとまりました。タイムリーなのでご紹介します。

「 『成功五カ条』成功者に共通する要素は次の六つです。

①物事を肯定的に考える習慣をもっていた。
②努力することを惜しまなかった。
③明確な目的意識を持っていた。
④自分を信じ他人の否定的な言葉に惑わされなかった。
⑤失敗を恐れなかった。
⑥想像することがうまかった。

*成功に関する名言

・・・「成功とは大胆不敵な向こう見ずの子供である」(イギリスの政治家ディズレーリ) 」

6つあっても五カ条というのはなぜか、はさておき、その向こう見ずの子供にはジャマールがふさわしいですね。

★★★☆

(  最後までお読みいただき、ありがとうございました。

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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