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#ネタバレ 映画「僕の彼女を紹介します」

「僕の彼女を紹介します」
2004年作品
謝罪は誰の為のものか
2005/1/2 23:12 by 未登録ユーザ さくらんぼ

( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )

刑事役の主人公はきれいな女優さんですね。制服姿もステキで、新たにファンなる人も多いかもしれません。これは彼女の魅力にあふれた作品です。

映画は前半がコミカルなタッチで楽しませてくれますが、後半になると泣かせの映画になります。次から次と涙の波状攻撃を仕掛けてきますので、かなりの長時間目をウルウルさせなくてはなりませんでした。

ところで彼女が悲しんでいる理由は何でしょうか。もちろん大好きな彼と死に別れてしまった、いわゆる失恋の悲しみには違いありません。でもそれだけでは無いような気がします。

彼女の悲しみには苦しみが混じっていました。何の苦しみでしょうか。

彼女は大好きな彼を誤射で殺めてしまったのです。それも、掛けなくても良い電話をかけて、わざわざ呼び出して殺めてしまったようなものです。これには、さすがの彼女も謝罪したいと思いましたが、彼は即死状態で言葉など交わす事は出来ませんでした。

誰のせいにする事も出来ません。彼女は自責の念に苦しみました。自暴自棄になり凶悪犯に向かって行ったり、自殺をしようとしたりしました。でもなかなか死なせてはもらえませんでした。

思い起こせば、映画の前半では後に恋人となる男性を、伏線の様に誤認逮捕していました。その時、容疑が晴れて「ごめんなさい、ぐらい言え」という彼に対して、「私の辞書に、ごめんなさい、は無い」と開き直りました。その後ドライブ途中で唇を火傷させても謝りませんでした。

きっと彼女は万事この調子で今まで生きてきたのですね。しかし、そんな彼女も後半では逆に「謝罪」する事が出来ない苦しみに、のた打ち回る事になるのです。

「本当に謝罪したい時に、謝罪が出来ない苦しみ」は、交通事故の加害者になった人などは知っているのかもしれません。

この映画は失恋の悲しみを描いていたに違いありませんが、それと重ねられて、同じ強さで描かれていたのは謝罪についての教訓だったのだと思います。

追記
2005/1/3 7:42 by 未登録ユーザさくらんぼ

> 彼女は大好きな彼を誤射で殺めてしまったのです。

そう書きましたが、あの瞬間、別の男も拳銃を撃っていましたね。その男はすぐに逃げてしまい顔も記憶していませんでしたので、そのまま忘れてしまい、後半で、彼女の転属先での相棒として再登場した男とは気づきませんでした。

あの男は確かに慌てていましたし、「告白したい事がある」と叫んでいましたが、私は恋愛を想像していました。

でも、あの男も「自分が誤射したのではないか」と思っていたなら、彼女が生きているうちに謝罪したいと思ったのでしょう。神が再び彼女とめぐり合わせてくれて、謝罪のチャンスを与えてくれたのなら、それを生かさなくてはいけない。そう思ったのかもしれません。謝罪しなかった事を後悔していた人間を、ここにも発見しました。

そのほか、街の有力者を土下座して謝らせるエピソードなども、テーマを補完する為に挿入されていたように思います。

追記Ⅱ ( 両親との和解 ) 
2015/9/27 14:15 by さくらんぼ

20代のときまでに、しておきたいことが、どなたかのツイッターにありました。その中に「両親との和解」が…

スティーブ・ジョブズさんではありませんが、養子縁組の件で、幼児期までにいろいろあった私は、それが御破算になったあとも、和解できずに、両親は他界してしまいました。この棘は終生ぬけない( たくさんの思いを、ここに記します)。


(  最後までお読みいただき、ありがとうございました。

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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