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#ネタバレ 映画「路上のソリスト」

「路上のソリスト」
2009年作品
楽園は心の中に存在する
2009/8/8 9:52 by さくらんぼ

( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )

幻聴の声に安らぎを感じている精神病患者が出てきました。彼は幻聴が消えるような治療をいやがりました。ある意味危険なことですね。でも現実世界がつまらぬとき空想にふけることは誰でもあることなので、あの患者の気持ちも分からぬではありません。

人は誰でも内的世界に生きています。そして凡人の内的世界は外的世界の影響を受けて変化します。だから快適な場所を求めて移動しますが、その外的世界自体に究極的な価値が有るわけではありません。どこか宗教的ですね。

ロペスは外的世界に価値を持つ人として登場し、ナサニエルは内的世界に価値を持つ人として登場したのでしょうか。

この映画は楽園さがしの物語だったのかもしれません。でも本物の楽園は心の中にこそ存在するのでした。ベートーベンはそれを感じるための、ひとつの触媒だったのかもしれません。

追記 
2009/8/13 8:08 by さくらんぼ

>この映画は楽園さがしの物語だったのかもしれません。でも本物の楽園は心の中にこそ存在するのでした。

仕事はベストな体調で、快適な環境(楽園)の中でしたいものです。とくにアーティストなど精神活動をする人には必要なことでしょう。そうしないとインスピレーションが立ち上がってこないと思います。でも、どこがその人にとって楽園なのかは人それぞれ。それも、この映画が語っていたのかもしれません。

精神活動といえば戦争中の士官もそうだったようです。たとえ兵は疲れ果てていても、リーダーだけは快適な状態でいないとベストな指示は下せない。

驚くような話では、ファンド・マネージャーも緑の中のリゾート・ホテルの様な環境で、世界の名作文学に囲まれて(人間心理を勉強しながらか)、静かに仕事をするのが理想とか聞いたことがあります。騒々しい都会に居るよりも良いのだとか。

★★★★


(  最後までお読みいただき、ありがとうございました。

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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