#ネタバレ 映画「至福のとき」
「至福のとき」
2002年作品
嘘
2003/5/4 9:42 by 未登録ユーザ さくらんぼ
( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )
沢山の人を乗せて運ぶので、バスはモラルの記号だと思われる。
彼らはその中に赤い色を塗った。これは中国の赤ではないのだろうか。
そこにすがろうとした少女達。
しかし、そのバスは廃車として撤去されてしまう。
取り壊しが近い工場の中に、舞台セットの様な物が作られ、主人公の少女が按摩をする。
上から見守る数人の大人たち、彼らはすべてお見通しである。
彼らの立つポジションは指導者の視点だろうか。
しかし、彼らも社会的弱者の少女には、嘘をつくことしかなす術がなかったのだ。
廃車も古い工場も、一つ時代の終わりを意味していそうだ。
この映画は「嘘」を描いた作品だと思う。
お嫁さんを欲しい中年男性、その相手の女性、そしてこの少女のエピソードなど、色々と嘘が登場する。
そして、少女は善意から生まれた嘘を感謝し、暖かい嘘をつかれた事を至福の時の思い出として、新たなる時代へ旅立つのである。
追記 ( 緑色のカレーを食べてみました )
2015/10/20 6:24 by さくらんぼ
カレー専門店で、緑色のカレーを食べてみました。
緑色のカレーとは「ほうれん草カレー」のことです。
昔から、その存在は知っていても、奇異な色から敬遠気味でした。また、どこの店でも食べられるわけではないので、なかなか食するチャンスがなかったのです。
さて、その味とは…
おいしかったのですよ。
ほうれん草の渋みが、ちょうど抹茶の渋みを思わせます。抹茶アイスクリームというか、あんな異次元マッチングでありながら、日本人にもどこか馴染のある味なのです。
見た目グリーンの爽やかさもあるのでしょうが、渋みがサッパリ感を演出していますし、なによりも、体に良さそうなカレーです。
もっと早く食べればよかった。これからは、数回に一回はほうれん草カレーをオーダーしたい気分です。
私が食べたのは、「ほうれん草と小エビ」のカレーでした。
不思議ですね、あのお店のカレーは、「辛さ普通」をオーダーすると、幼児でも大丈夫なぐらい、まったく辛くないのですが、食後にお腹がポカポカして、幸福感に包まれます。
意外なことに、真夏でも、お腹がポカポカすると人は幸せになれるのですね。もちろん、これからの木枯しの季節は最高です。
この「至福のとき」は、
「嘘」ではありません。
追記Ⅱ ( 映画「街の灯」 )
2021/7/8 6:34 by さくらんぼ
今朝、ふと、チャップリンの映画「街の灯」を連想しました。
細部は忘れているので、少なくとももう一度観ないとオマージュかは分かりませんが。
追記Ⅲ ( 映画「街の灯」との、微妙なラストの違い )
2021/7/8 9:10 by さくらんぼ
( 以下、映画「街の灯」のネタバレにも触れています。 )
もしオマージュだとしたら、映画「街の灯」の、花売り娘の「花」はどこ?と思いましたら、映画「至福のとき」のヒロインの服には、満開の花が咲いていました。
そして、映画「街の灯」のヒロインは、チャップリンの尽力で目が治った後、彼の正体が浮浪者だと気づいて、(金持ちではなかったと)一旦は逃げますが、思い直して戻ってくるというのが、私の解釈です。
しかし、映画「至福のとき」のヒロインは、(密かに)盲人の勘で彼らの演技に気づいた後、感謝しますが、いつまでもご厚意に甘えるわけにはいかないと、盲人のまま一人で去っていくのです。
どちらのストーリーも素晴らしいですが、並べて比較すると、なんとなく映画「至福のとき」の方がしっくりくる感じがするのは、同じアジア人だからでしょうか。
( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?