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#ネタバレ 映画「トランスアメリカ」

「トランスアメリカ」
2005年作品
その個性は真実なのか
2006/8/23 17:21 by 未登録ユーザ さくらんぼ

( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )

この映画は、息子を迎えに行く女の視点で描かれていますが、逆に息子の視点で観てみると・・・。

警察の厄介になっている自分の釈放のために現れたのは、父ではなく、見ず知らずの一人の女でした。不審に思って問いただすと、キリスト教の関係者であり、父親の元へ送り届けてくれると言いました。しかし、どうもアヤシイ。

やがて、女性だと思っていたのが、女装した男性だった事が偶然バレれてしまいます。「この女、いや、この男はなにか企んでいるのかもしれない」。ますます不信感を深める息子。

しかし、こちらがどんな態度をしようと、いつも変わらぬ慈愛に満ちた雰囲気に、やがて息子は心を開き、いや、開きすぎて愛情の告白までを女にしてしまうのです。

慌てながらも、やんわりと拒否する女。そして、自分の本当の身分を明かすのです。お前の実の父親だと・・・。ビックリして家出してしまう息子でした。

映画を観ていた私もすっかり騙された事がありました。男優さんが性同一障害に苦しむ男を演じていたとばかり思っていましたが、なんと女優さんが演じていたのです。すごい演技力ですね。

私たちは日ごろ意識していなくとも、肩書きや見かけなどの「記号」で人を判断しています。しかし、それがまったく当てにならない時代の不安を、この映画は語っていたのかもしれません。

親切に拾ってやったヒッチハイカーが盗賊に豹変するエピソードもありました。薄汚く怪しい少年が尋ねてきたと思ったら、自分の孫だったエピソードもありました。無骨なネイティブアメリカン?の男にさえも秘密のいくつかはありました。それに、女も彼を騙して本当の女性だと信じさせ、自分に有利に働かせました。

米国ではテロの不安のため、隣人を疑いの目で見つめているのでしょうか。映画「ユナイティッド93」でも、牙をむく前のテロリストは紳士的な隣人として描かれています。日本ですら「人を見たら誘拐犯と思え」という雰囲気が出始めているぐらいですから。

追記 ( 薪で沸かしたお風呂のお湯はやわらかい、のか ) 
2016/2/16 17:48 by さくらんぼ

>日本ですら「人を見たら誘拐犯と思え」という雰囲気が出始めているぐらいですから。

今や“雰囲気が出始めている”どころではなく、それが当たり前みたいになってしまいましたね、哀しいかな。

それはともかく…

昔から「薪で沸かしたお風呂のお湯はやわらかい」とか申します。でも、水に熱量を加えたのがお湯ですから、薪で沸かそうが、何で沸かそうが、今までの私は、お湯に変わりはないと思っていました。

でも最近、それをわが身を持って比較できるチャンスに恵まれたのです。

そうすると、やはり違うのですね。薪のお湯はオーバーに言えば温泉のお湯のようにやわらかで、ガスで沸かしたお湯は肌に刺激感がありました。

理由は分かりません。でも仮説を考えると…

①薪で沸かす場合、たいてい浴槽に6~7分目ほどの水道水を入れ、30分前後(季節によって違う)かけてゆっくり加熱します。

このとき風呂釜で熱湯にされたお湯は浴槽に戻り、水で冷やされたのち、また風呂釜で加熱することを繰り返しながら、徐々に温度を上げていきます。

やがて浴槽のお湯が火傷するほど熱く沸いたら(その後も火種を残しながら)、大量の水道水で薄め、適温にしつつ使います(慣れないと危険ですよ)。微妙な温度調節は困難なので最初は熱めに沸かすのですね。使うたびに洗面器の中へ水道水を加え、温度調整することもあります。

水道水を入れるとき空気も入ります。

②ガスで沸かしたお湯は、水道水を瞬間湯沸かし器で沸かします。たとえば設定温度42度のお湯が浴槽にダイレクトに出てきます。ガスがもったいないので、けっして無駄に加熱はしません。

①と②の違いが、溶け込んでいる成分など、なにかお湯に化学的な違いを生んでいるような気がします。

ここにもアナログとデジタルを感じます。そういえば音楽でもアナログ・LPの音はやらかい。

それから、①の場合で入浴中に浴槽へ「たし水」をするときには何ともないのですが、②の場合「たし湯」をすると、浴槽に湯が出てくるとき「身体から生気が吸いだされるような、す~っと気を失いそうな、気持ちの悪い感じがするのです」。急加熱されたために化学的に不安定になっている!?湯が、安定化のため、結果的に私の体から何かを吸い取っているのでしょうか。

結果は、今、分かることは「やっぱり温泉がサイコーだな」と言うことだけでした。

追記Ⅱ ( そして洗面器は試験管になった ) 
2016/2/16 17:54 by さくらんぼ

少し暖かだった先日、ガス風呂のお湯が熱く感じたので、洗面器にくんでから、水道水で薄めてみました。そうしたら一瞬にして“薪で焚いたお湯みたいに、やわらかくなった”と感じたのです。

すでに書いたとおり、薪で焚いたお湯は“火傷しそうなほど熱く沸かしてから、水で薄めて使う”のが普通です。ガス風呂でも同じように水で薄めることにより、奇しくも薪風呂のパフォーマンスが再現出来たのかもしれません。

でもなぜ、そうなるのでしょうか。

品の無い話で恐縮ですが、昔、あるオーディオマニアが自分の立ち小便の音を録音し、テープを友人に送って「湯気が立っているのが聴こえますか?」と尋ねたそうです。つまり“水の音とお湯の音の違いまで、正確に再現できるグレードの装置か否かのチェックをした”のです。

Q なぜ音が違うのか。
A たぶん質量が違うからです。質量は「水>お湯」になります。

事実、水を沸かすと容器の中を循環します。

そして、私の耳では、お湯は高音寄りの軽い音、水は低音寄りの重い音に聴こえます(台所の瞬間湯沸かし器で実験できます)。

さらに、気功の話でもふれましたが、質量が大きいと、慣性の法則もより大きく働くので、混ぜたときに「とろり」とした感触に変わるわけです。

でもですよ。

熱いものを水で薄めても、混ざって温度が均一になれば、質量も均一になり、「とろり」感も消えるのでは(水を混ぜていない同じ温度のガス風呂のお湯と同じ感触になるのでは)とも思うのです。それでも「とろり」感が残ると言うことは、まだ他に、隠れた要因があるのかもしれませんね。

どこからか「四の五の言わずに入浴剤を入れれば!?」と、声が聞こえそうな話でした。

以上は私のたわごとですから、信じないでください。


(  最後までお読みいただき、ありがとうございました。

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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