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ネタバレ 映画「扉をたたく人」

「扉をたたく人」
2007年作品
人生にもコラボは必要である
2009/8/8 12:58 by さくらんぼ

( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )

教授のもとへ学生がレポートを提出に来ました。

でも、提出期限が切れています。

教授は「どうして遅れたのかね?」とたずねました。

すると学生は「個人的な理由です」と答えるだけでした。

このとき学生は、「理由をたずね弁明を聞こうとした教授の厚意を無にした」のです。

映画全体を観て教授の性格が分かれば、弁明の内容次第ではレポートを受け取り、学生はメデタク単位を取得できたであろう事は想像できます。

でも、学生は流行のプライバシー意識もてつだってか、弁明と言うコラボを拒否しました。

これ似にたモチーフは、のちに入国管理事務所で審査官に怒りをぶつける教授としても描かれます。審査官は教授の弁明を聞かないのでした。

楽器のコラボはこれらの象徴なのでしょう。

私にも耳が痛いことですが、人生にもコラボレーションは必要なのでしょう。日本でも、旅は道づれ世は情け、とか言いますから。

追記 
2009/8/11 21:30 by さくらんぼ

目が不自由になったときに「あんまさん」になる人がいます。これは、盲目になっても相手の体に触れ、人の温もりを感じながら、相手と雑談できる仕事をすることで、孤独から癒され、社会的交流が可能だからだと思います。社会的交流は精神のバランスを保つために大切なもののひとつです。

盲目だから、その仕事しか出来ないという意見もあるかもしれませんが、けっしてそれだけではない大切な理由が内在しているのです。

映画の冒頭、ピアノの家庭教師がひとり教授を尋ねてきます(ビジター)。教授は丁寧に応対しました。レッスンの前にお茶でも飲みながら、しばし雑談を楽しみたい雰囲気でした。でも、教師は事務的な挨拶をすますとレッスンを急かします。そこには温もりのある社会的交流がありませんでした。

孤独な教授にとって、妙齢の異性との、つかの間の交流は人生の潤いのひとつになるはずでした。でも、教師は無意識にNOを突きつけた。レポートを提出した学生の時と同じでした。

きっと家庭教師との間で何回か同様のことが繰り返されていたのでしょう。でも、それは今回で幕が下ろされた。振られた教授は教師とのレッスンをやめました。教師は教授が上達が遅いのでいやになったと誤解しているようでしたが、真の理由は「乾いた人間関係」なのでした。

他の映画にも言える事ですが、ここでも冒頭から大切なシーンが語られていましたね。

★★★★☆

追記Ⅱ ( 「オタ芸」は音楽の一部 ) 
2018/12/14 9:09 by さくらんぼ

>私にも耳が痛いことですが人生にもコラボレーションは必要なのでしょう。日本でも、旅は道づれ世は情け、とか言いますから。

「オタ芸」の存在を知ったのはいつだったのでしょう。ニュース映像などで初めて見たそれは、拍手をするのも恥ずかしい私には、失礼ながら、少々「奇異」なものに感じました。

しかし、昨今、休日の街中で行われるミニコンサートでも「オタ芸」が見られることがあり、実際に現場で馴染んでいくと、あれは素晴らしいパフォーマンスであると思うように至りました。

ステージ上のアーティストと、客席の親衛隊などが一体となるのです。両者はお互いにエネルギーの交歓をしており、「オタ芸」の踊りと声援は、もはや音楽の一部になっているのです。

その輪に入れない私は、ふと、恥ずかしいとさえ、感じるぐらい。

最近、ラジオで聴くことのある、(たぶん)「2018年12月12日(水)に発売される、SKE48 24thシングル「Stand by you」(劇場盤)」には、そのオタ芸の声援が入っているようです。

私はこのような演出のある歌を初めて聴きました。でも、これこそが、感動200%の完全版であるような気がするのです。


( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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