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#ネタバレ 映画 「清須会議」

「清須会議」
会議は会議室の外から始まっている
2014-01-27 13:30byさくらんぼ

( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )

あるとき、簡単な企画を失敗した事がありました。「なぜ、こんな簡単な事を・・・」と、さすがに自分ながら呆れましたので、自己分析をしてみたら、意外な、私の気持ちが分かってきたのでした。

表層(建前)の目的は、当然に企画の成功です。成功して関係者に喜んでもらいたい。しかし、詳細は省きますが、深層(本音)では、逆に、企画の失敗を望んでいた可能性があるのです。失敗して、己の評判を落としてでも、関係者にやんわりと、日ごろの不満表明をしたかったのかもしれない。ふいに持ち上がった企画、成り行きで私が担当になったのですが。

だからと言って、いい加減な仕事をしたのではありません。でも、何か、私の行動がいつもと違ったのです。あえて言えば、形こそ、丁寧で、表向き細心の配慮(無意識に本筋ではない部分に)を重ねたプランでしたが、気がつくと、そこからは(本筋である部分からは)ぜひとも成功させるという目的・熱意は消えていたのでした。ある意味「いんぎん無礼」というスタイルにも似ています。

映画「清洲会議」でも、信長の妹・お市様が、秀吉への恨みから、秀吉がもっとも嫌がる相手と結婚する話がありました。女性の夢であるはずの結婚を武器に使うなんて凄いですね。

あの時の、お市様は心の表層でそれを意識して、理性的に動いたようです。でも、同じく、相手にリベンジする行動でありながら、私は、深層でしか、それを認知しておりませんでした。自分の行動の着地点が自分で見えていなかった点において、お市様には及びません。

私の深層・・・それは、ある意味、外野であり、会議室の外の出来事とも言える!?・・・いや・・・深層こそが会議室の本丸!?・・・酒のせいか、どっちなのか分からなくなりましたが、意外な勢力の反撃で撃沈された事には間違いありません。

ところで映画「清洲会議」。

この映画の主題も「会議は会議室の外から始まっている」といったところでしょうか。「事件は会議室ではなく現場で起こっているんだ」とかいうセリフが流行った、あの映画の隠れパロディでもあるのかもしれません。最近、2020年東京五輪誘致バトル、の凄さを見せ付けられた私たちには、素直に、腑に落ちる話しでした。

映画「清洲会議」は、監督の作品の中で最高に素晴らしい一つになりました。チャンバラもなく、会話だけで成り立つ作品なのに、優れたシナリオと、出演者たちの熱のこもった演技により、とてもおもしろい映画です。

ちまたに昭和ノスタルジーなドラマがあふれていても、出演者の長髪がどこか現代っぽく、例えば、刈り上げが下の方だけだったり、もみ上げが短くカットされていない俳優ばかり出てきたりして、昭和を知るものには、観ていて少々困惑するドラマが多い昨今、堂々としたお歯黒が、幼き頃に見た時代劇映画を思い出し、心をクスグル良心作でした。

★★★★☆


(  最後までお読みいただき、ありがとうございました。

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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