見出し画像

ネタバレ 映画「世界は今日から君のもの」

「世界は今日から君のもの」
2017年作品
本音から未来は開ける
2017/8/9 22:11 by さくらんぼ

( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )

TVドラマ「ブラック・プレジデント」のコミカルで個性的な演技から門脇麦さんのファンになりました。

その後、映画「愛の渦」を観たかったのですが、あまりのセクシーさに怯んで行きそびれ、ヨガの映画「シャンティ デイズ 365日、幸せな呼吸」にも興味津々でしたが、タッチの差で終わってしまいました。

そんな折、この映画「世界は今日から君のもの」を見つけたのです。真直ぐ観に行きました。TVの2時間ドラマ的な、わりと軽い作品。でも、観たあとに、少し元気になるというか、心にポッと灯る映画です。

母役・YOUさんとの「オフビートどうしの演技合戦」が見もの。

★★★

追記 ( 本音から未来は開ける ) 
2017/8/10 8:17 by さくらんぼ

母親が、「あなたは一人では何にもできないんだから…」と言って、娘の可能性をつぶしてしまう点で、人気TVドラマ「過保護のカホコ」も連想させます。あれほどコミカルではありませんが。

追記Ⅱ ( 母からの洗脳 ) 
2017/8/10 8:48 by さくらんぼ

小沼真実(門脇麦さん)は、ゴミ捨て場で一人宝物を探すのが大好きでした。宝と言ってもたわいのないガラクタです。ビー玉など見つけた日には大喜び。

実は、宝物捜しはゴミの中から自分の美的感覚にあった物を見つける行為であり、自分探しの一つでした。

しかし、ある日のこと、母・美佳(YOUさん)はそれを「汚いガラクタ」だとして、無断で再びゴミに出してしまったのです。

「空っぽになった宝箱」が象徴的に何度も出てきます。それは小沼真実の心です。彼女は「自分の中にあるのは物まねだけで、人を感動させるオリジナルなどない」と母から洗脳されてしまったのです。

「あなたは一人では何にもできないんだから…」

これが、ひきこもりの種になりました。

追記Ⅲ ( 表現すれば誰かに届く ) 
2017/8/10 9:20 by さくらんぼ

途中いろいろあって、小沼真実は「ひきこもりの克服に成功した女性」として、「引きこもりを助ける会」みたいな場所に、騙し同然に引きだされてしまいました。

10人ぐらいの親と、一人のひきこもり娘の前に。

そして、司会者の強引な質問と、半ば話のでっち上げで、途中まで進行した時です。

体裁を作ろうのに耐えられなくなった小沼真実は、「私は克服なんかしてません。今でも、まだひきこもりなんです」。そう言って部屋を飛びだしてしまいました。

恥を承知で、周りの流れに逆らって、本音を吐いたんですね。勇気を出して。

でも、もうおしまいです。

ところが、それまで会場の後ろで、前列に並ぶ親と離れて、一人下を向いて座っていたひきこもり娘が、あわてて後を追いかけてきたのです。

そして彼女の大切な宝物箱をから(捨てられぬように肌身離さず持っていたらしい)、ビー玉を一つ取りだして無言で小沼真実に渡しました。無表情ですが、明らかに娘は感動していました。小沼真実の本音の話は親や主催者を呆れさせましたが、主賓であるひきこもり娘に届いたのです。

この経験が、彼女の何かを変えました。ブレイクスルーが行われたのです。

しだいに小沼真実は摸写ではなく、オリジナルのアートを作れるようになって行きました。彼女の才能は開花し、周囲からも認められるようになって行くのです。

追記Ⅳ ( 「大好き光線」 ) 
2017/8/10 9:55 by さくらんぼ

チラシの写真を見ると、ヒロインが下を向いたアップがあります。それで思いだしたのですが…

むかし片想いだった人がいます。でも今、彼女の顔を思いだしても表情が思いだせないのです。

なぜだか考えてみました。

そうしたら、「彼女は私の気持ちに気づいていて、誤解されるのを防ぐため、私には笑顔を見せてくれなかったせい」だと思いました。

逆に恋する娘は、好きな人に対し、まるで漫画のように目をキラキラさせて「大好き光線」を発するものです。

人の視線は、別に「大好き光線」ではなくとも、懐中電灯から出るビームのように、ピカピカと白い光として認知されることがあります。それが大好きな人になら力は凄いはず。

先日、スケートの本田真凜さんがTVでインタビューに答えていました。彼女は「試合の時、ずらり並んでいる審査員の中から、即興で一人を選び、滑っている間中その一人にずっとアピールしている」のだそうです。

たぶん、そのエネルギー波は周囲の人にも届いているはず。だから審査員の皆様は、客席よりももっと彼女が輝いて見えているのかもしれません。

追記Ⅴ ( アートにおける「物まねと本音」 」) 
2017/8/10 14:37 by さくらんぼ

>「空っぽになった宝箱」が象徴的に何度も出てきます。それは小沼真実の心です。彼女は「自分の中にあるのは物まねだけで、人を感動させるオリジナルなどない」と母から洗脳されてしまったのです。

「あなたは一人では何にもできないんだから…」(追記Ⅱより)

ゴミ捨て場あさりを卒業した小沼真実は、今度は漫画から気にいった場面を選び、摸写してコレクションする趣味を見つけました。やがて段ボール箱一杯のイラストが宝物に。

大人になった彼女は、最初それを模写(「物まね」の記号)することでイラストレーターの仕事を始めました。しかし、すぐに壁に突き当たるのです。オリジナル(「本音」の記号)ではないからですね。

しかし、「あなたは一人では何にもできないんだから…」と洗脳されて育った彼女は、自分には才能がないと信じ込んでおり、なかなかオリジナルが書けないのでした。

追記Ⅵ ( 「愚痴・泣き言」という「本音」 ) 
2017/8/10 14:48 by さくらんぼ

>「空っぽになった宝箱」が象徴的に何度も出てきます。それは小沼真実の心です。彼女は「自分の中にあるのは物まねだけで、人を感動させるオリジナルなどない」と母から洗脳されてしまったのです。

映画で見る限り、ひきこもりの人は皆「無口」ですね。しかし、それ以外の人は「おしゃべり好きで、仕事や家庭の問題でも、よく愚痴・泣き言をこぼしています」。

愚痴や泣き言はたいてい「本音」ですね。

つまり「愚痴・泣き言」はネガティブな言葉として嫌う人が多いですが、「本音」が言えるという点では、ポジティブな喜ぶべき行為かもしれません。

追記Ⅶ ( 再びチラシの話 ) 
2017/8/10 14:56 by さくらんぼ

>チラシの写真を見ると、ヒロインが下を向いたアップがあります。それで思いだしたのですが…(追記Ⅳより)

私は門脇麦さんのファンだから問答無用で観に行きましたが、それ以外の人にも沢山来ていただくには、やはりUPのヒロインが下を向いていてはいけないのだと思います。瞳を上げて「大好き光線」を出していただかないと…。

追記Ⅷ 2023.8.8 ( 「サバゲー」見つけた )

ときどき、門脇麦さんが戦闘ゲームをする「萌え」シーンを思い出していました。 

しかし、映画名が思い出せません。

ネットで調べてみましたが、それでも分かりませんでした。

「サバゲー」というい名称を忘れてしまったのがいけないようです。

それが、今回レビューを転記したついでに予告編を観て、「あっ、これだった!」と分かりました。

無くした宝物を見つけたような気分です。

それにしても、女性の戦闘服姿は妙に萌えますね。


( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?