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#ネタバレ 映画 「ミッション:8ミニッツ」

「ミッション:8ミニッツ」
違う、と思う心が扉をひらく
2011-11-20 09:47byさくらんぼ

( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )

それは主人公・コールターにとっても究極の驚愕体験だったことでしょう。

ふと気がつくと、なにが何だか分からない状況に放り込まれていて、鏡に映ったわが姿も別人で、他人(現体制)から命令どうりに動かされようとしているのです。

あれほど極端ではなくとも、私たちの周りには、有無を言わせず命令に従わせようとする人たちも、少なからずいるはずです。あの「オレ、オレ詐欺」などもそのひとつでしょう。

でも、彼はやみくもに命令に従うのではなく、自分で考え、判断する行動を始めます。

それはコールターだけではありません。彼が助けた列車の彼女も、元彼(現体制)との別れ話に悩んでいましたし、爆破犯人は文字通り現体制の完全なる批判者です。でもテロはいけませんよ。さらにはコールターを助けた研究所の女性オペレーターも自らの考えで行動(現体制に反旗)しました。

また記号的には、規則どおりに動く列車はモラルの記号であり、爆破テロは反モラルの記号でしょう。

何回も繰り返す8分間はネバー・ギブアップ精神を思い出させました。いかにも米国人好みです。ラストについて賛否両論あるようですが、主題から言えばハッピー・エンドになる必要があるのでしょう。しかし個人的に言えば、余韻の残るストップ・モーションの方が好みでした。

余談ですが、似たような話し(主題はともかくとして)に、映画「愛と青春の旅だち」が思い浮かびます。映画の冒頭、リチャード・ギアさん演ずるボサボサ頭の主人公も、「違う、このままではいけない、俺の人生は・・・」などと思っていたことでしょう。

★★★★


(  最後までお読みいただき、ありがとうございました。

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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