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正解。

aoykmです。私が働く塾の生徒の話を少し書こうと思います。


この投稿でも登場した女子生徒のお話です。

彼女の家庭環境については、上記の投稿を見ていただければと思います。




彼女は、数年間塾に通っていますが、ほとんど勉強をしてきませんでした。

現在中学3年生なのですが、学校のテストの点数は10点台の教科が多くありました。


そんな彼女が今日塾で、将来の夢を話してくれました。

そして、初めて辛い自分の気持ちに気付いて、泣いてくれました。



勉強を今までしなかったのは、勉強をするのが怖いからだそうです。

小学生の頃、家で勉強するときにはいつもお母さんが隣にいて、分からないことがあると殴られていたのです。


それがトラウマで、今でも塾にいても隣にお母さんがいるような感覚に襲われ、怖くなるそうです。

勉強をして、出来ないと殴られるかもしれないと思い、怖いのです。



そんな彼女の話を、私は毎日授業後22時半まで残って聞いていました。

誰にも相談できず辛い気持ちが、似た家庭環境で育った私にはよく分かります。



辛い気持ちを押し殺して生活していると、辛くて涙を流すことも出来ません。

そんな彼女が辛くて涙を流せたのは、とても大きな進歩だと思っています。



そんな彼女のことを、今日室長に話しました。


室長に

「ここ最近で、彼女の気持ちに変化があったのは分かる。

が、メンタルケアは専門家の仕事であって、

塾講師は勉強を教えるのが仕事だ。」


と言われました、本当にその通りです。

改めて塾講師として出来ることの限界を感じました。


ですが、彼女が、怖くてカウンセリングに通うことも出来ない気持ちがよく分かります。




塾では勉強を教えるのが、我々の仕事です。

ですが、彼女にとって塾まで窮屈な場所にしてしまっては、最悪の事態もあり得ます。

メンタル面をどうにかしなければ、勉強なんてもってのほか状態です。




塾講師の前に、同じような経験をしてきた1人の人間として、そんな彼女に勉強を強制することが私にはできません。


塾講師としての正解を、私は選ぶことができません。


これからどうすべきか、自分自身の問題にも向き合って考えていきます。






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