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マッサージの手技パターンについて

マッサージの手技パターンについて

マッサージの手技の手数、パターンをたくさん覚えたい、というご要望をいただくことが多いのですが、マッサージのパターン、方法論というのは、実は決まっています。

決まったところを(問題のある筋肉を)

手のひら、指、手根、肘 道具で、
揉む、押す、流す、叩く

の組み合わせです。※あくまで初心者向けに話しています。
(その中でも 手のひら、指で 揉む押す流す が最も多いパターンです)

『手技の手数、パターンというのは原則その組み合わせしかありません』

それは炒飯のつくり方と同じで、家庭によって多少はレシピが違っても、大筋ではやることは同じです。

例えば、ふくらはぎをマッサージする時、押すところ、揉むところは決まっています。

大切なのは、的確なところを適切な深さで押す、揉むことであって、お客様の症状や痛みの感じ方によって加減をするだけで、やることは決まっています。

『炒飯はフライパンで炒める(加熱する)』のと同じです。他の手段というのはありません。(鍼やお灸は加熱するために電子レンジを使うようなイメージです。レシピは同じです)

一例をだします。

ふくらはぎとは、腓腹筋とヒラメ筋です。※ 表紙の図参照

当然、揉む、押すのは筋肉です。なぜ揉むか、押すかわからない方は、マニュアルの理論編をもう一度読んでください。そこに書いてあります。

また、腓腹筋とヒラメ筋が図を見る前にイメージできましたか?イメージが湧かない方は、筋肉を揉む、ということがまだできていない可能性が高いです。きっと、なんとなくふくらはぎを揉んでいませんか?

正しく筋肉を揉んで、押して、筋肉の血流を良くして柔らかくします。或いは、そこのリンパを下から上に流して老廃物を排出しやすくしてあげます。

オイルマッサージだと、筋肉を押す揉む、リンパを流す、全てできます。

この処置を正確にするためには、手数よりも、押すべき場所を知り、押すべき深さと圧で行うことが重要です。そしてそれができる人のことを、施術がうまい人、と言います。

※ 押すべき場所は、経験を積むと筋肉に触れただけでその硬さが異質であることに気づき、押すべきところだとわかります。ツボや経絡といったものは、初心者的にわかりやすく説明すると、硬くなりやすいところをあらかじめ図解したものだと考えて大丈夫です。

これらを理解し、把握できると、初心者としては、どこでも通用するマッサージが行えます。

この処置をより効果的に行うために、お客様の痛さの感じ易さに個人差があるために、お客様が痛くて力んでしまわないように加減をしたりします。

※ 力むと指圧で筋組織が破壊され、翌日の揉み返しに繋がるからです。揉み返しとは局所的筋肉痛です。

なので繰り返しになりますが、必要なのは正しい筋肉の場所とその機能、そして正常な筋肉の柔らかさと、疲労して異常な筋肉の硬さ、これらを経験上、指先で判別ができるようになることです。

判別ができますか? 1年やっていて判別できないとヤバいです。

そうすることで適正な箇所に適切な圧をかけることができるようになります。

国家資格やちゃんとしたマッサージを習う場合、手数を習うのではなくて、このマッサージの原理と筋肉の解剖図、そして基本的な手技のパターンを習います。

そして、それらの中から、しっかりと理解ができれば、90分程度の施術には必要十分なものとして、THIRD WAVE のマニュアルにしています。

そして、多くの場合、適切な箇所に適正な圧で施術ができている人は少ないかと思われます。


マッサージの手数、型、パターンというのは、このマッサージの原理を理解すると、やりやすいように自分でアレンジをして無限に生み出していけるものです。こうやらなくてはいけないと言う事は原理原則に外れず、安全に目的を達成できれば、それ以外にはありません。

ふくらはぎの施術であれば、結果としてふくらはぎに疲労のある人が、楽になれば良いのです。

手根をつかっても、肘を使っても、手のひらをつかっても、指を使っても木の棒を使ってもかまいません。

それは、炒飯に火が通り、おいしく仕上がれば良いのと同じです。フライパンを回しても、振っても、揺らしても、炒飯が美味しくなるように動いていればいいのです。

様々なフライパンの振り方、つまり手技のバリエーションができるようになっても、肝心の筋肉がどれで、ほぐれたのかどうかがわからないようでは、そしてほぐせないようでは、それはただのパフォーマンスに終わってしまい、お客様はすぐに見抜いてしまいます。

ゲイマッサージのお客様は、皆さんのことがタイプだから、最初はそのパフォーマンスをおもしろがってくれると思います。すごかったね、って言ってくれると思います。でも、飽きたらもう来ません。

そうしたら、また別の手技パターンを覚えますか? 炒飯のつくり方にも、身体のほぐし方にも、そんなにバリエーションはありません。

フライパンから火がでたり、パフォーマンスがすごくても、まずい食堂にはもう行かないですよね。

筋肉をほぐす、それができないとそうなってしまいます。


マッサージの原理原則がわかると、フライパンから火をだすのなんて簡単なことだと気づきますし、上手な人はお客様の症状にあわせて、結果をだすための必要に応じて、あるいはその日の気分で、原理原則から外れないように施術を微妙に自由にアレンジしていることに気づくと思います。

マッサージは、何かの型、パターンに当てはめてできるものではありません。一人一人、お客様は状態が違うのですから。

ただ、初心者の方が、経験を積む前に、基本的な方法を学ぶことは有益で、そのためにマニュアルやパターンがあります。

でもそれは、マニュアルでやって経験を増やしていくうちに、これは何のためにしているのか、ということに気づくためです。

適切な箇所に適正な圧をかけられるようになったときに、自然と自分の中からここは肘のほうがやりやすいから肘を使ってみようとか、手のひらをこんなふうに動かしてみようと言う発想が湧き出てくるはずです。

そうやって、基礎ができた後は、自分のやり方とパターンを構築してゆきます。

そして、あなただけのオリジナルマッサージが誕生します。

いろいろな手数を増やしたいと思った時は、まず自分が基本を理解して、身についているかを自問してみてください。

① 揉んでいる筋肉の解剖図がイメージできますか?
② 正常な柔らかさの筋肉と異常な硬さの筋肉の違いが指先だけで分かりますか?
③ 東洋経絡やツボについて、その場所や効能を全て理解できていますか

少なくともこの3つができていないうちは基礎ができていません。基礎ができていないうちに、よくわからない手数だけ増やしても、それはきっと良い結果にはなりません。

THIRD WAVE

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