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0410 夫、退院が決まる。

引きこもり生活の記録にしようと書き始めた日記だが、日記じゃない更新が続いてしまった。

7日の緊急事態宣言を受けて、わたしが暮らす神戸も外出自粛対象となり、街の多くの店が休業を余儀なくされている。

飲食店に、物販店。命にかかわる食料品店やドラッグストアをはじめとした店舗や施設が条件によって対象外となっているが、考えてみればその「対象ではない」お店も、わたしにとって命にかかわる場所も少なくないのだと、この二日ほどで痛感した。

カウンターで誰かと美味しい料理を食べながら、お店の方(多くは友人のような存在)とお話する時間にわたしは健全な魂を維持できていたのだなあ。

泣きたい。

そして本屋さん。
本好きでもあるし、本屋好きでもある。
だから編集したり、文章を書いたりすることを生業にしている。

つまり、本屋さんは、わたしの人生を豊かにする場所であると同時に、わたしには命に関わる場所なのだ。

本を書いても、その本を並べて、読み手に届ける場所がなければ本はただの紙の塊になる。

もちろんAmazonなどのネットショップもある。
でも、わたしは自分の本の多くが、その本屋さんだから、そのご店主だから誰かのところに巣立ったことをよく知っている。

やっぱり街の本屋さんがあってこそ、わたしも本を書いていこうと思えるのだ。

いろんな意味で打撃が大きい。

そのショックから、いてもたってもいられなくなって、対象となった七都道府県の本屋さんのon-line shopや、わたしが大阪の出版社で雑誌を作っていたときからお世話になっている丸善&ジュンク堂書店さんの営業・休業まとめなどを作った。

本屋さんのためだけではない。わたし自身のためでもある。

本屋さんに行けないときは「On-line shop」へ、ごー。

というこの二日間なんだけど、一昨日、夫が入院した。
先週、緊急入院して、心臓の不安定狭心症の治療のためのカテーテルをしたんだけど、一度では負担がかかりすぎるということから、二度にわけて手術を行うことになった、その二回目入院だったというわけです。

昨日、無事にカテーテルの処置が終わり、今日は経過観察。
明日は退院と決定。

先週の緊急入院から、何もかもがスピーディで、関西で心臓病手術ではトップクラスの病院だったので(たまたまなんだけど)、担当医は話し方から、歩き方まで「優秀!」と絵に描いたようなオーラに包まれていて、インフォームドコンセントもめちゃくちゃ丁寧だし、なんの不安もなかった。
心筋梗塞一歩手前だったというのに…ありがたいことです。

つくづく医療というのは、ほんとうに大切だと思う。

平時には、何かあれば検査を受けて治療してもらってというのが当たり前だけど、有事である今、そしてこれからは、そのことをもっと強く感じるようになるのだろう。

今朝、布団に潜り込んだまま、スマホで最初に目にしたニュースは、神戸市立医療センター中央市民病院で新コロナウイルスの感染者が出たというものだった。

強い衝撃を受けて、心臓がばくばくした。

医療センター中央市民病院は母が最後に入院した病院だったので、よく知っている。

神戸では最先端の医療を行う総合病院で、一般病床は768床。
東京の聖路加国際病院は520床といえば、その規模がなんとなく想像できるだろうか。

中央市民病院には感染病床も10床あり、感染症指定医療機関でもある。
この感染病床のあるフロアには一般病床もあり、そこに入院していた一般病床の患者さんに陽性反応が出たという。

感染した女性は個室におり、1か月近く面会禁止の状態で、自力でも歩けないため、医師や看護師ら病院職員以外との接触はなかった。この女性と接する病院職員のなかには、新型コロナウイルス感染者と接触があった人もいたと神戸新聞が報じていた。

つまり病院職員のなかで感染が広まっている可能性もある(そしてそれは高い可能性だ)。病院がクラスターとなることは十分に予想される。

病床が750を超えることからも予想がつくように、入院患者も多いし、外来の患者さん数はものすごいものがある。
母も外来時に、平均3時間待たされていた。待合も常にごったがえしている。
その患者さんのなかには、新型コロナウイルスとは関係がないけれど、命にかかわる大病を煩っている人も少なくない。

書いているだけで胸が苦しくなる。
病院に行けなくなったとしても、通院できたとしても、異なる大きな不安を抱えることになるだろう。

夫が入院していた病院は、心臓と腎臓に特化したいささか特殊な病院だったので、一般外来がほぼなかった。
そのため、新型コロナの影響は比較的少なかったように思う。
(感染防止のため、見舞いは一等親ほどに限られるという条件はあった)

今後、医療崩壊が起きるのだろうか。

知人の医療従事者やその家族によると、少し前から当然のように予測されていて、検査を保健所で止めているので表面上は感染者数が少ないが、おそらく3倍と考えていいだろうとのことだった。

この情報をわたしは直接聞いているので信じているが、信じたくない人もいる。
楽観視して、移動をやめずに、平時と変わらない生活を続ける人もいる。

過剰に恐れて、ストレスをため込むのはわたしも嫌だけれど、各国の先例を目にしてきて、日本だけが例外になると信じるほど呑気にはいられない。

友人の営む飲食店やバーやショップは、泣きながら休業している。
少しでもこの苦難の時期を短くするために。

自分ができることは、わたし自身がうつらないこと、うつさないこと。それだけでも、まあまあ必死だよ…。

長くなってしまった。夫が入院しているので、今日は猫としか話していないからかもしれない。
そういうのも含めて、今日書いたことを、後日「こんなこと書いてたんや!」と笑えるように。そんな日が早くきますように。

【今日のおどろき】
こんなところまでかわいいとは…。

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