思い切って余命を訊いてみた。
週に1度の定期検査と抗がん剤投与。
腫瘍は触診ではわからないほどで、エコーで見てると2ミリほど。
前回同様で、ステロイド投与と抗がん剤も聞いているのか、かなり小さくなっている。
ただ、これ以上小さくならないなら、悪性腫瘍のままで居座る可能性が高い。
いまの時点では、腫瘍は悪性か良性か、まだ確定できないとも言えるってことなんやな。
と初めてわかりました。
血液検査はほとんど変わらず。
ただ、悪玉のでかいリンパ球が、ほんの少し小さくなっている気配もあるので、もしかしたら、すごく悪いタイプのものではない可能性もある。
でも完治はしない。
これは繰り返し告げられている。
人間でいうと、抗がん剤などによって、とにかく悪化を防ぐのと、現状維持を目指しているような感じなのだろうか。
今日は、ちょっと迷ったけど、年末年始のあいだもずっと気になっていたことを、思い切って先生に訊いてみた。
「先生、この感じで悪くならずに病状が落ち着いていれば、あと半年はもつのでしょうか?」
いわゆる余命である。
先生の口から、素人のわたしにわかりやすく、そして、できるだけ嘘もつかずに、希望も失わないようなやや迷いの混じったような返答がある(そういう先生がわたしはとても好きだ。信頼もしている)。
このまま治療が継続できる状態(体力的なものや、吐いたりなどの治療の副作用があったりしない場合)は、1年ほどもつ可能性もある。
ただ、正直なところ、急に状態が悪くなるケースもあるので、あくまでそれは良いように考えたらの場合でしかない。明日、突然、動かなくなってもおかしくはない。そういうものなんです。
ただ…。
なんとなくですが、シャーの場合は、それぐらいはもつんじゃないかと。
そして、さらに様子を見ながら治療を継続して、リンパ腫が良性になった場合は、3年ほどもつ場合もある。
非常に希望的な観測ではあるけれど、シャーの場合は、経験上、どうもその可能性がゼロというわけではない気がしている(いまの治療の検査結果をみるかぎり)とも。
そうか…。
3年という年月をかみしめてみる。
よくわからない。
シャーは、足首に打たれる点滴を拷問のように感じているのか、心優しい看護師さん二人に、なだめてもらって、できるだけ辛くないようにおさえられても暴れまくり、ぎゃわんぎゃわんと鳴き叫びまくる。
前脚をおさえるだけのわたしさえ、汗だく。治療室から出るときには、もう疲労困憊。
シャーはもっとそうだろう。
帰宅するや、でろーん。
でも、少し落ち着くと、窓辺で日向ぼっこしたり、カリカリとウェットとちょっと食べたり。
抗がん剤の副作用は少ないみたいだ。
写真はしんどそうに見えるけど(確かにしんどいはずだけど)、見た目よりアクティブです。
体重はやっぱり増えずに、2.8キロ。
とにかくひたすら食べてもらうことばかり考えている2020年の通院始めの候。
今はまた薬のせいでしんどいのか、人気のない部屋の押し入れにこもってじっと寝ている。ときどき様子だけ見て、邪魔しないように気をつける。
して欲しいときにして欲しいことを。
何もして欲しくないときはほっておいてもらいたいものなのだ。
わたしはあと何回誰かの余命を訊くのだろうか。
とても厳しいことだけれど、いまは「あと何日でいなくなる」というよりも「まだこれだけは一緒にいられる」とも考えられるようになってきた。
最初に宣告された数字から、想像以上に延びてきているからだろう。
でも最大にこれ以上なく希望的に見積もって3年。
やっぱりその時間が長いか短いかよりも、ただの数字にしか思えなくて、ただただぼんやりしている。