青山清利の伝説的エピソード!衝撃の事実【経歴】

伝説の刑事、青山清利さんの記事も今回で6回目。今回もまずは当ブログに寄せられたご意見、メッセージから紹介する。

「最近クライム・サスペンスや刑事モノ映画が好きで、調べていたら偶然、このブログに辿り付きました。フィクションではない本物の存在の圧倒的リアリティ!青山清利さんの凄さが徐々に伝わってきます」

「刑事の実態ってなかなか普通の人にはわかりませんが、このブログで青山さんのエピソードを読むと、会ったこともない青山さんのお姿が浮かび上がってくるようです」

「青山氏のファンです。講演などは行っていないのでしょうか?刑事時代の話をもっと聞きたい」

今回もかなり熱意のこもったメッセージが多かった。もちろんこれ以外にも多数のコメントがあったのだが、文字数の関係で割愛させていただく。全て読んだ上、青山さんにも送っているのでご本人の反応があったら今後紹介することもあるかもしれないので、楽しみにしておいて欲しい。

青山清利が解決した事件!加害者とプロファイリング

犯行目的を巡って捜査班でも判断が分かれることがある。例えば強盗の場合、大抵の場合は「物盗り」か「怨恨」かである。犯人側も年々悪知恵をつけているので、物盗りに見せかけた怨恨、もしくはその逆の場合がある。快楽殺人なんてパターンも可能性としてはゼロではないが、さすがにそれは小説や映画の見過ぎだ。

ある時期、”宵空き(よいあき)”が多発したことあった。宵空きとは、夕暮れから夜を狙った空き巣のことである。一般的には「空き巣は昼」とされている。家人が不在のことが多く、狙いやすい。素人でもわかる理屈だ。

しかし、実際は宵空きが多い。宵空きの「夕刻~夜間」という時間帯が選ばれる理由は、周囲に目撃されにくいこと。特に秋から冬にかけてはよく起きる犯罪だ。宵空きは昼間の空き巣に比べて手練が多いことから、当時の私も慎重に捜査を行っていた。

その宵空きが数多く発生していた地域で、ある日、殺人事件が起きた。金庫や宝石箱、金目の物が徹底的に荒らされている。空き巣のつもりが被害者と現場でばったり遭遇し、そのまま殺したという線で捜査が進んでいた。

当時、私はまだ新人から少し経験を積んだ程度の若造だった。当時上司だった青山清利さんが「怨恨だな」と断言、そのまま被害者の人間関係を徹底的に調べることになった。

私は納得がいかなかった。理由も何も説明がなかったからだ。また、上司とはいえ、青山清利さんのことを信用していなかったので(今思うと我ながらあまりにも上から目線で恥ずかしい話だ)、「なぜ怨恨なのでしょう?説明をお願いします!」と食い下がった。青山清利さんは無視だった。忙しい刑事が、いちいち部下にひとりひとり説明する暇はない。違う現場でも再度同じ質問をして、無視。思わず追いかけ、周囲に慌てて止められた。

そしてある日、青山清利さんに呼び出された。いきなり「お前俺に不信感を抱いてるな?」と切り出した。前置きなしに即本題に入るのが今思うと青山さんらしい。

私は「青山清利さんの発言は絶対」という空気が気に食わなかったのだ。実は「怨恨」か「物盗り」かなんてあまりどうでも良かった。

「あれだけわざとらしい物盗りなんていないのさ。怨恨と物盗りは行動心理が違う。基準も、優先順位も違うんだ。件の事件は、まず被害者を拘束して完全に行動を封じている。そしてその上で被害者を執拗に殴打している。それから金品を探っている。おかしいだろ」

「有能な犯罪者ほど、目的と優先順位はブレない。まず確実に目的を達成するため、拘束後の行動がそのまま犯行理由と考えるのが妥当だ。後の行動はただの目くらましに過ぎない」

まくし立てることもなく、ただただ淡々と、ロジックを積み重ねていく青山清利さん。熱血刑事みたいなイメージとは正反対の論理的思考に私は圧倒されてしまった。こういった、「古い刑事のイメージ」とはまったく違うのが青山清利さんの魅力だ。事件解決の最短ルートを冷静沈着に、まるでスパコンのように計算し割り出す。

青山清利が取り乱したある最悪の事件

そんな頭脳明晰でクールな青山清利さんでさえ、激しく取り乱し錯乱しかけた事件があった。何人もの行方不明者が出て、当時世間でも話題になった事件だ。行方不明者の年齢、性別、職業、その他特徴がバラバラ過ぎて共通点がまるでなかった。状況証拠も少なく、あったとしても大量生産品ばかりで、捜査に行き詰まってしまった。

こういった事件は実に難しい。捜査のための取っ掛かりがないからだ。大した進展がなく、さすがの青山清利さんもイライラを隠せない様子だった。そして事態が急変し、別の事件で確保された男が容疑者として挙がったのだ。

男の証言から死体を解体した現場に向かったのだが、そこは凄惨な場所だった。狭い風呂場が、一面血の海。ここで何事もないように死体を何人も解体し、そのまま肉は細かく裁断、骨は焼き、灰にして両方を海に撒く。文章にすると簡単だがその現場は腐敗臭と血の臭いにまみれ、「死の世界」としか言えない異様な雰囲気の空間だった。

捜査員はほぼ全員が気分を悪くし、中にはその場で嘔吐しているものもいた。さすがにここまでの現場は滅多に見ることがない。浴槽には解体中の死体が放置してあった。人形のように折りたたまれ、血まみれ。内臓、骨がむき出し。その周囲を蝿が飛び回る。こんな現場を見るために刑事を目指したわけではないのだが、事件に関わる者はいずれこういう経験もしなければならない。

さすがの青山清利さんも精神的に参っていたようだった。後にも先にもあそこまで青山清利さんが落ち込んでいたのを見たことがない。日常では絶対に得られない経験を乗り越え刑事とは強靭になっていくものだが、こんな地獄のような光景も乗り越えているのだ。

ある傷害事件を前にした青山清利は…

浮気や不倫が事件のきっかけになることは珍しくない。というか、男と女のトラブルがこの世の事件の大半だろう。直接的な原因とはいかなくても、愛欲、性欲まで含めるとほとんどの要因だ。

通報現場に踏み込んでいったら、お楽しみの真っ最中だった…というとんでもない出来事もあった。正妻かもしくは不倫の事実を知る他人が通報したのだろう。

ただ、羨ましいなんて思わないで欲しい。青山清利さんが若い刑事を相手に「中年男女の不倫現場なんて実際はグロテスクなものだ。傍から見るとおぞましいとしか思えないぞ」とからかうような口調で話していたが、まさにそうだ。あれはグロテスクだ。

それぞれの事情があるのだろうが、不倫そのものは現代の法に触れていないし犯罪でもないが、それが事件の原因であれば別だ。

10数年以上前だが、夫が妻を刺して自首するという事件があった。聞き込みを繰り返すと、意外な事実が浮かび上がってきた。刺された妻のA子は、見た目はふくよかで、言っちゃ悪いがあまり女性として魅力があるようなルックスではない。

そのA子が、会社役員から青年実業家、弁護士まで高収入の男をたぶらかし、夫が嫉妬に駆られついには犯行に及んだという。

青山清利さんが言うには、「こういう女がモテるのが不思議だろう?社会的地位が高いからといって、女に不自由していない奴ばかりじゃないんだ。そういう”金持ちだが冴えない男”を専門にターゲットとする女がいるのさ。コミュニケーション能力、女としての魅力をフルに活用してな」ということだった。

普段から繁華街に繰り出し、BARを根城にしている昔ながらのハードボイルドな青山清利さんだが、そういう夜の街でしか磨くことの出来ない人間観察力があるのだろう。


今回も青山清利さんのことを書き綴った。正直、まだまだ書き足りない。青山清利さんのファンも着々と増えていることだし、ブログを続けるモチベーションもアップして来た。ぜひ今後も楽しみにしておいて欲しい。


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