見出し画像

藍色と日本人の色の好み

2024年7月3日に20年ぶり新紙幣が発行されましたね。

20年ぶりといわれても、物心ついた時から1000円札は三世代みてきたので、しょっちゅう変わっているイメージです。

約40年ぶりに新しくなったのが、一万円札のデザイン。
渋沢栄一の肖像です。

渋沢栄一は藍玉をつくる農家出身だったということで、藍色に関する話題を。

藍色の種類

日本古来の染料、藍。
ジャパンブルーとして親しまれてきました。

藍の色といっても実はめちゃくちゃ色があるのをご存知ですか?

染める回数によって青色の濃さが変わり、細かく色名がつけられているのです。

その数なんと、48種類。

色彩検定でも藍からできる色名がいくつか載っています。

[色彩検定3級]
空色、浅葱色(あさぎ)、藍色

[色彩検定2級]
甕覗き、縹色、新橋色、納戸色、鉄色
(かめのぞき、はなだいろ、しんばしいろ、なんどいろ、てついろ)

難読漢字な色名もあります。

錆鉄御納戸、御召御納戸、熨斗目花色、搗色

読めますか?


さびてつおなんど、おめしおなんど、のしめはないろ、かちいろ
と読みます。


藍色といえば深い青をイメージしますが、藍で染めた色は濃淡もあれば色みの違いもあります。

うすい透明の水を表すような青、黒に近いような濃紺
真っ青、緑っぽい青、紫っぽい青

青というカテゴリーだけどとてもカラフル。

それぞれの色名にはきちんと由来があって、ネーミングセンスも色の感度も素晴らしいのです。

色彩検定2・3級で色名を学ぶときは、正直なところ色の由来まで覚える余力がありません。

1級で出題されるからとりあえず…って感じ。

試験に出るから暗記するのではなく、色名ができた時代背景やルーツを知るとおもしろいのですけどね。

色に愛着が湧くというか個性を持った色として感じられるんです。


昨年の夏に藍染の体験をしたときも同じようなことを書いていました

日本人の購入動機となる色

話は変わって、先日カラーマーケティングのセミナーを視聴して印象的だったことがあります。

日本人が好きな色のナンバー1は「青」
(世界でも青は人気色ですが、セミナーでは中国とタイと比較していて必ずしも青がトップではなかったのです)

そして、日本人が商品を購入するときの決定打は「無難な色」だから。

冷蔵庫や炊飯器といった家電製品と自動車では「無難な色」は変わりますが、物によっては青(ネイビー)が無難として選ばれることがあるようです。

同じ調査でも中国やタイでは「無難な色」を理由に商品を選ぶことはあまりないとか。

テレビや炊飯器でもです。好きな色だから選ぶんですって。

ここに日本人の古くから親しんできた藍に対する馴れが色の嗜好として出ているのかなと思ったりするんです。

藍とともに生きてきた日本人。
DNAに青が自分たちの生活(や生命)を支える色として刻まれているのかもしれません。
(藍染めは防虫効果があって暮らしに役立てられていました)

それが青好きとして表れたり、ベーシックな無難色として選ばれる結果になったりするのかなと。

藍染の職人は減少していますが、日本の伝統産業として守っていってほしいです。

色に関わる人間として何か力になれたらいいのにー。

▼ビジネスを加速するためのあなたのサポートカラーを診断
たった1分!3つの質問にこたえるだけ
【無料】「色でわかる!ビジネスを成功に導く3つのカラー診断」はこちら

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?