ジャズ・アルバムには神がかり的なノイズの名盤がある
これぞファンキー・ジャズの聖典。名ドラマー、アート・ブレイキー率いるジャズ・メッセンジャーズがパリのジャズ・クラブ「サンジェルマン」で繰り広げた究極の名演集、その第2弾。あまりにもソウルフルなプレイで観客を失神させた「モーニン」、“世界一ソウルフルなマーチ"として名高い「ブルース・マーチ」というブラック・ミュージック史上に残る2大名曲を収録。ブレイキーの得意技“ナイアガラ・ロール"も満喫できる。
Lee Morgan(tp)/Benny Golson(ts)/Bobby Timmns(p)/Jimy Meritt(b)/Art Blakey(ds)
01. モーニン
02. エヴィデンス
03. ブルース・マーチ
04. ライク・サムワン・イン・ラヴ
ギターリスト・ジャズが尽きたので、今日からドラマー・シリーズにしようかな、と思うが、それほどドラマーのリーダーアルバムがあるわけではなかった。まあ、モダン・ジャズでは代表的なのは、アート・ブレイキーのジャズ・メッセンジャーズである。ブルーノート盤よりもこちらを選んだのはライブ演奏での熱気が好きだからです。
ジャズ・メッセンジャーズというとちょうどジャズを好きになり始めたときに『LIVE IN JAPAN 1961 ライヴインジャパン1961』の帯が「1961年はジャズの青春時代だった」というコピーにやられてしまいました。ちょうど1961年生まれで二十歳ぐらいの時だったからです。
「サンジェルマンvol.2」なのですがvol.1ではないのは、ここにボビー・ティモンズが神がかり的なピアノ・ソロを聴かせる「モーニン」が入っているからです。ライブ会場に居合わせたジャズ・ピアニストのヘイゼル・スコットが「オー・マイ・ゴット!」と叫んだから、「モーニン・ウィズ・ヘイゼル」と呼ばれ実際のピアノよりも(ヘイゼル・スコットのアルバムは聞いたことがない)叫び声だけで有名になってしまったヘイゼルですが、彼女の叫び声はいいアクセントになっているのも事実です。あそこの合いの手は、まさにコール&レスポンスの精神なのでしょう。
このライブ盤、三枚組もあるようなのでそちらを見つけたらそっちを買うのもありです。「ウィスパー・ノット」が入ったvol.1も捨てがたい。この頃のメッセンジャーズはベニー・ゴルソンのゴルソンハーモニーの良さとリー・モーガンの荒々しさ。さらにここではボビー・ティモンズの神がかり的なピアノ・ソロ。無論アート・ブレーキーも見せ場を作っています。
(ジャズ再入門vol.60)
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