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「処女航海 」はフェミ的には「童貞航海」と言わなければならないのか?


Herbie Hancock"Maiden Voyage"( Blue Note/1965)

Herbie Hancock — piano
Freddie Hubbard — trumpet
George Coleman — tenor saxophone
Ron Carter — bass
Tony Williams — drums


エドゥアルド・ハルフォン『ポーランドのボクサー』の中の短編でセロニアス・モンクの有名な曲『エピストロフィー』を題名にした短編がある。「結語反復」という音楽用語なのだそうだが、セロニアス・モンクは白人評論家にその意味を問われるとその都度いろいろな意味を言っては、煙に巻いたそうだ。ジャズの即興演奏で大事なことは、曲の名前ではない。演奏そのものだ。ちなみに『ポーランドのボクサー』にはジプシーという言葉度々登場する。今では「ロマ」と言い換えなければならない言葉だ。でもハルフォンは「ジプシー」と言葉を使い続けた。彼はレイシストなのだろうか?

のっけからジャズとは関係ないタイトルの話になってしまった。それほど好きなアルバムでもなかった。ただハービー・ハンコックの何がいいと聞かれた『処女航海』と答える。ジャケットの感じか?その題名のロマンチシズムか?いや、やはり演奏なのだろう。

ハンコックの「新主流派」と言われた音楽です。ここでも「言葉」の方が先行してしまうな。新たなジャズの旅立ち?それを航海に喩えた?暑い部屋では涼しそうな音楽だった。聴くべし。

(ジャズ再入門vol.84)



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