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テテの手はカタロニア魂盲目に

『カタロニアン・ファイアー』Tete Montoliu – piano/Niels-Henning Ørsted Pedersen – bass/Albert Heath – drums

"Sweet Georgia Fame" (Blossom Dearie, Sandra Harris) – 7:37
"A Nightingale Sang in Berkeley Square" (Eric Maschwitz, Manning Sherwin) – 7:35
"Blues for Perla" (Tete Montoliu) – 8:54
"Falling in Love With Love" (Lorenz Hart, Richard Rodgers) – 10:22
"Old Folks" (Dedette Lee Hill, Willard Robison) – 8:08
"Au Privave" (Charlie Parker) – 4:52
"Body and Soul" (Frank Eyton, Johnny Green, Edward Heyman, Robert Sour) – 9:52 Bonus track on CD reissue

前回に続いて「1970年代のジャズレーベル特集」のステープル・チェイス編です。デンマークのコペンハーゲンを拠点とするジャズレーベルです。「ジャズトゥナイト」の大友良英さんが「70年代ヨーロッパジャズのブルーノート」と言われたようですが、私の中ではピアノ・アルバム専門店という感じがしました。まあ、最初にジャッキー・マクリーンやデスター・ゴードンななどのヨーロッパに渡ってきたアメリカのジャズを紹介していたからでしょうか。

「ジャズトゥナイト」で取り上げられたのはデューク・ジョーダン『フライト・トゥ・デンマーク』でステープル・チェイスで一番の人気ピアノ・トリオですかね。その他にもケニー・ドリュー『ダーク・ビューティー』というジャズ喫茶人気盤があります。ケニー・ドリュー『ダーク・ビューティー』とリズムセクション(N・H・O・ペデルセン(b)とA・ヒース(ds))が同じのテテ・モンテリュー『カタロニア・ファイアー』はテテはオスカーピータソンばりの盲目のカタロニア出身のピアニストで、とにかくピアノが上手い。スタンダードが多いのもテテ流に味付け出来るからでしょうね。

"Sweet Georgia Fame"

いきなりテテ・モンテリューのソロ・ピアノから始まりテクニックを見せつけます。カタロニアの血の激しさとヨーロッパ流のスマートさといえばいいのか、アメリカのピアニストにはいないタイプですね。リズム・セクションがベースのペデルセンはステープル・チェイスといえばこの人のベースかなというほどヨーロッパでは引っ張りだこのベーシストです。この頃ヨーロッパでは一番のベーシストだったのかもれないです。ドラムのアルバート・ヒースはヒース三兄弟の弟でやんちゃな、ヨーロッパだから本場のジャズの激しさを見せてやるというようなアメリカ出身のドラマーで煩すぎるという人がいますが、テテのピアノには合っていると思います。

"Blues for Perla"

テテのオリジナル曲ですがもう少しカタロニアらしさがあればいいと思いますが、曲じゃないんですね。たぶん。その激しい血なのかな。ブルースらしさもないですね。

"Old Folks"

このスタンダードのようなゆったりした曲の方がテテの華麗さは際立ちますね。ベースのペデルセンもいいし。アルバート・ヒースも大人しい。

"Au Privave"

本当は前の曲でしっとり終わって欲しいのですけど、チャーリー・パーカーの曲も出来るんだというテクニックを見せつけたいのかな。まあ悪くはないですけど。考えてみればステープル・チェイスのピアノ・アルバムはどっちかっていうとイージーリスニング的なミュージシャンが多いのでテテのような力が湧き上がっていくるピアニストは貴重なのかもしれないです。



(ジャズ再入門vol.24)


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