2.タニウツギの花
9/4発売の新譜「TO THE PARK」に向けて1日1曲解説、2日目は2曲目の「タニウツギの花」の解説をしたいと思います。
タニウツギの花、とは北海道から山陰地方の日本海側を中心に分布する
初夏の山道に咲く薄紅色の花。しかし地方によっては「縁起の悪い花」として忌み嫌われていたりするのだとか。私の地元秋田県でも摘んで帰ると災いがあるなど言われているそうです。けれども、花言葉には「豊麗」というとても美しい言葉が付けられています。
この曲は、幼児虐待事件で世間が騒然となっていた時期、児童養護施設への取材などを経て制作しました。取材を通じて、寄付や募金、1年のうち数日だけ里親になる制度など、たくさんの取り込みがあることを知り、目からうろこだったのを覚えています。
人はいつでも誰かに手を差し伸べたり差し伸べられたりする金色のハシゴを持っていると思います。それはほんのちょっとのことなのかもしれません。
決して蚊帳の外の話ではない、私たちもその世界の中にいるのだと、自戒の念をこめて曲を完成させました。
タニウツギの花のように、一方では避けられていても、一方では美しい名前を持つように、何かのきっかけで広い世界とコンタクトすることができたら、また違った未来があったのかな。
映画のように、少し違う未来を音楽の世界で作れないだろうか。
という話をIndo filmsのお二人にしたところ、素晴らしいアニメーションを制作してくれました。ラストがとても泣けます。
さらにはお二人はアニメ初挑戦だった、ということを知り、びっくり仰天。
さすがに「嘘だろ?!」と思いました。
本当に素晴らしいMV、作って頂きありがとうございました。
気がつけばコロナウィルスが猛威を振るい、街中でもネット上でもギスギスした言葉が目立つようになりました。何かに怒っていないとやりきれないというのもあるのでしょう。その波に飲まれそうになるときもしばしばあります。しかし、人と人との奇跡のようなものを、いつまでも信じていたいと思うのです。
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