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3.adiaŭ

9/4発売の新譜「TO THE PARK」に向けて1日1曲解説、3日目は3曲目の「adiaŭ」の解説をしたいと思います。

この曲は元々、名古屋にある洋服屋さん「rhythm.war*p」のリリースする作品群「post-vintage」のイメージ曲を制作してほしいとご依頼頂き制作しました。「rhythm.war*p」さんのサイトで既にリリース済みの楽曲です。

「post-vintage」についてはこちら↓

そのときは全編打ち込みで、曲名も頭文字が大文字の「Adiaŭ」としてリリースしたのですが、その後どうしても生の打楽器で再収録したいという気持ちがムクムクと湧いてきて、スゥーパードラマー宮川剛さんにご相談。快く引き受けて頂き、新たに「adiaŭ」として録音することになったのでした。小文字になったのは、なんとなく「A」より「a」のほうが丸みを帯びていてアコースティックな要素が加わっている気がしたからです。

録音当日は、スネアの一打の音色に一発で心を撃ち抜かれ、さらには打楽器のダビングの嵐、いやこれは台風なのか?と口あんぐり状態でした。そばでその様子を見ていたベーシストの千田大介氏は既に録音行程を全て終え帰り支度についていたのですが、「なんだか野太いシンセベースを入れたくなってきた」と、しまったばかりのアンプを出してきてくれることに。まさにプレイがプレイを呼び、全く別物の曲に仕上がりました。原曲を知る人も、ぜひ楽しみにしてもらえたらと思います!

「adiaŭ」は全編エスペラント語という言語で歌詞を書いています。「post-vintage」の展示会などでも流すというお話だったので、極力言葉が先行して耳に入らないほうがいいかなと思い、初めて日本語以外で作詞をしてみました。歌詞の意味は、「さようなら、私は行くわ。新しい服を着て。」と、大体それぐらいの内容です。

昔、週刊少年ジャンプで「BASTARD!!」という漫画がありました。
少年少女にはかなり刺激的な描写がある漫画です。(ぐらいにしとこう…)
当時小学生だった私は大人に見つからないよう小屋に隠れて読んでいました。
10巻ぐらいだったと思うのですが、ヒロインのティア・ノート・ヨーコが恋心を押し殺して舞を舞うシーンがあります。そのシーンがとてもとても好きなのです。結果そこにいる全員が惚れ惚れするような会心の出来になるのですが、女性の恋心をともなう表現というのは、ある意味クリエイティブの極みだと思うのです。とんでもないエネルギーがそこにあるなと。

この「adiaŭ」はそんなエネルギーに満ち満ちた女性が、舞を舞って進んでいくというイメージで作ってみました。何かしらで傷ついた過去があるけれども、新しい服に袖を通し颯爽と進んでいく。そんな映像を想像しながら聴いて頂けたら幸いです。



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